胃の壁に深く浸潤しているものを進行性胃がんと呼びます。すでに早期の段階よりも悪化しているもので、中にはすでに転移を始めているものもあります。早期治療を行うことが治癒に結びつきますので、この段階になっているのであれば、予断を許さない状況であると言うことができます。
ちなみに、悪性度が高いスキルス胃がんも進行性胃がんの一種です。スキルス性は通常の場合よりも発見が難しいのが特徴で、半数以上は診断を受けた段階で何らかの転移を始めており、女性の患者さんが多くなっています。
初期の時期には自覚できる徴候はほとんどないため、胃の不快感や食欲不振、吐き気、胸のもたれ、貧血、体重減少、貧血といった自覚症状が出る場合には、すでに症状が悪化している可能性が高くなります。浸潤や転移が進んでしまうと、手術によって治療するだけでは足りなくなることが多く、化学療法を組み合わせることもあります。治癒を目指す上で、最優先であるのは手術ですが、すべての癌細胞を摘出できるとは限らないため、残された癌細胞への処置として、抗がん剤を活用するのです。術後に行うほか、術前に用いる場合もあります。
進行性胃がんといっても、病期(ステージ)は様々で、2期以降のものを指しています。したがって、2期から4期まで幅があり、予後の見込みや生存率、治癒の可能性についてはそれぞれの患者さんごとに大きな個人差があります。早期ではないから絶望するのではなく、実際問題としてどの程度の危険が迫っているのか、正確に判定することが大切です。専門医とよく話し合って、今後のことについて考えていきましょう。