肺がんの転移の見つけ方

肺がんの脳への転移を見るには造影CTあるいは造影MTを使います。
骨転移は、骨シンチグラフィで調べます。肝臓や副腎への転移は、CTまたは超音波で調べます。
骨シンチグラフィは、全身の骨を一度に簡単に検査することができます。骨に取り込まれやすい放射性医薬品を使って行います。シンチグラフィが、骨転移がある部分に多く取り込まれ、黒く映るのです。
検査の流れとしては、まず事前に放射性の医薬品を静脈注射します。3時間ほど経つと、薬が骨に取り込まれますから、シンチグラフィの機械にかかります。ベッドに寝ると、シンチカメラがゆっくりと動いて全身を撮影します。
転移先が脳の場合ですが、ここは抗がん剤が効きにくいので、放射線で治します。なぜ、抗がん剤が効きにくいかというと、血液脳関門というものがあって、化学物質である抗がん剤が脳の中にはいっていかないのです。これはもともと、有害な物質が脳に入らないようにするための自然の砦なのです。
脳転移が1個で小さいものなら、手術で取ることもありますが、複数個ある場合は、定位照射ということを行います。あらかじめMRIなどで病巣の位置を確かめておき放射線を照射します。
別に脳転移の症状を緩和するためにステロイドなどを使う場合があります。骨転移の治療は痛みのコントロールと骨折の予防です。
          04.gif

胃手術後の障害:腹痛・便秘、腸閉塞

手術後、傷が治るまでの過程で、腸の癒着が生じることがあります。
癒着とは、炎症などにより、本来離れているべき組織同士がくっついてしまうことをさします。
腸の場合、腸管が曲がりくねっているので、隣接している腸管や腹膜などにくっついてしまうことがよくあります。腸管が折れ曲がったり、ねじれたり、締め付けられるようになります。
癒着した部分は、詰まりやすいことも挙げられます。繊維質のものを多く食べたときは、消化しきれずに残ったものが、狭くなった部分にひっかかって、流れを止めてしまうこともあります。
たまった内容物の圧力と、流そうとする腸の運動によって、腹痛をもたらします。腹痛にも感じ方はいろいろありますが、きりきりとしたような痛みがあるのが特徴です。また、流れが止まってしまっているため、腸の内容物が戻ってきて、吐き気や嘔吐をするようになります。
腸の癒着は、便通にも影響を与えます。そして、腸閉塞も引き起こすことがあるので、症状が続く人は医師に相談するようにしましょう。
腸閉塞への対処法
手術後の腸閉塞の原因は、ほとんどが腸の癒着です。まれに、再発したがんが大きくなって、腸を圧迫する場合もありますが、まずは腸の流れを滞らせないように心がけましょう。
腸にひっかかりやすくなっているので、よく噛んで食べるようにしなければなりません。便秘がちな人は、便をやわらかくする薬などを使って、便通をよくしましょう。
無理に食事を摂るのも控えましょう。お腹の調子が悪いときは、水分をとって様子を見ます。
腹痛とともに吐き気があり、嘔吐したような場合は、血行障害とともに腸閉塞が起きていると考えられます。その際は、すぐに病院で手当を受ける必要があります。
          img-problem04-01.gif

卵巣がんの発見と診断:CTスキャン(CATスキャン)

体内の領域を様々な角度から撮影し、精細な連続画像を作成する検査法です。
この画像はX線装置に接続されたコンピュータによって作成されます。
臓器や組織をより鮮明に映し出すために、造影剤を静脈内に注射したり、患者さまに造影剤を飲んでもらったりする場合もあります。
この検査法はコンピュータ断層撮影法(CT)やコンピュータ体軸断層撮影法(CAT)とも呼ばれます。
        ct_scan.gif

卵巣がんの発見と診断:静脈性腎盂造影法(IVP)

腎臓、尿管、膀胱をX線で連続撮影し、これらの臓器に癌が拡がっていないかを確かめる検査法です。
まず造影剤を静脈内に注射します。
その後、造影剤が腎臓、尿管そして膀胱へと移動する様子をX線で撮影し、途中で塞がっている部分がないかを調べます。
        09.jpg

卵巣がんの発見と診断:バリウム注腸検査

下部消化管の一連のX線造影検査です。
まずバリウム(銀白色の金属化合物)を溶かした液体を直腸内に注入します。
その後バリウムが下部消化管の表面を覆ったところで、X線撮影を行います。
この検査法は下部消化管造影とも呼ばれます。
        clinic05_dig_uterus.jpg

卵巣がんの発見と診断:腫瘍マーカー

血液検査により測定しますが,卵巣がんに特徴的なものとしてCA125があります。
上皮性卵巣がんで陽性になることが多いですが,他の疾患(子宮内膜症,腹膜炎,肝疾患,腎不全,膵炎)や妊娠中,月経中でも陽性になることがあります。
逆に陰性の場合でも癌ではないと言い切れません。
         ganshiru110928-p1.jpg

卵巣がんの発見と診断:超音波検査

高エネルギーの音波(超音波)を内部の組織や臓器に反射させ、それによって生じたエコーを利用する検査法です。
このエコーを基にソノグラムと呼ばれる身体組織の画像が描出されます。
       0001.jpg

卵巣がんの発見と診断:内診

膣、子宮頸部、子宮、卵管、卵巣、直腸を調べる診察法です。
医師が、手袋をはめて潤滑剤を塗った片方の手の指を1~2本膣内に挿入し、もう片方の手を下腹部に置いて、子宮と卵巣の大きさ、形、位置などを手と指の感触で調べます。
さらに、膣鏡を膣内に挿入して、膣や子宮頸部に癌の徴候がないかも調べます。
通常はここで、子宮頸部のパパニコロウ試験ないしパパニコロウ塗抹検査が行われます。
さらに医師は、手袋をはめて潤滑剤を塗った指を直腸内にも挿入し、しこりや異常な部分がないかを指の感触で調べていきます。
        ransou-2.jpg

卵巣腫瘍と卵巣がん―性索間質腫瘍

卵巣は卵巣の表面を覆う表層上皮、ホルモンを作る細胞である性索間質、卵子のもとになる卵細胞(胚細胞)という組織から形成されています。
卵細胞を性索間質が取り囲み、卵胞を形成しています。
卵巣腫瘍のうち、性索間質にできる性索間質腫瘍は次のものがあります。
性索間質腫瘍は卵巣腫瘍のうち5%です。
性索間質腫瘍にも、良性腫瘍・悪性腫瘍(がん)・良性と悪性の中間の性質を持つ中間群(境界悪性)があります。
セルトリ・間質細胞腫瘍
高分化型は良性として扱われますが、中分化型は中間群、低分化型の悪性腫瘍に分類されています。
発生した組織に近ければ近いほど高分化と言われ、反対に低分化とは発生した組織との類似点が少ないものを指します。
顆粒膜細胞腫
中間群に分類される腫瘍です。
線維腫
線維芽細胞(せんいがさいぼう)からできる腫瘍で、良性腫瘍に分類されています。
莢膜(きょうまく)細胞腫
莢膜細胞からできる腫瘍で良性です。
莢膜とは卵巣の卵胞を包む結合組織の層で、莢膜細胞とは、卵胞内で性ホルモンを作り、卵子の発育に重要な役割を果たしている細胞です。
線維肉腫
線維芽細胞からできる腫瘍で、悪性腫瘍に分類されています。
線維芽細胞とは、コラーゲン繊維をつくる細胞のことです。
卵巣腫瘍は多くの種類に分かれていますが、85%は良性です。
ただし、卵巣がんは発生関連する強い要因がありません。
卵巣がんは自覚症状も少なく進行した状態で発見される事が多く、注意が必要ながんなのです。
          r13_1.gif

卵巣腫瘍と卵巣がん―胚細胞腫瘍

卵巣は卵巣の表面を覆う表層上皮、ホルモンを作る細胞である性索間質、卵子のもとになる卵細胞という組織から形成されています。
卵巣腫瘍の1つである胚細胞腫瘍は、胚細胞である卵細胞由来の腫瘍です。
幼年期を含む若年層に多い腫瘍です。
良性腫瘍・悪性腫瘍(がん)・良性と悪性の中間の性質を持つ中間群(境界悪性)があります。
胚細胞腫瘍には下記のような種類があります。
成熟嚢胞性奇形腫
胎児が発生する段階の細胞が卵巣の中で腫瘍を形成したもの。
嚢胞内部に皮脂、毛髪、歯、軟骨などを含んでいます。
大きさは通常、直径10cm以下です。
皮様嚢胞腫、類皮嚢腫とも言います。
手塚治虫の漫画、ブラックジャックの中で、ブラックジャックがピノコを作ったのがこの腫瘍です。
良性の腫瘍です。
未熟奇形腫
未熟な体細胞組織由来の奇形腫で、悪性と中間群にまたがる腫瘍です。
卵黄嚢腫瘍
悪性腫瘍に分類されます。
10歳代にみられる腫瘍で、切除と化学療法による治療により、80%以上の生存率です。
絨毛がん
絨毛細胞からなる悪性腫瘍です。
絨毛とは胎盤の外にある細い糸状組織で、これを通じて赤ちゃんは母親から酸素と栄養を受け取っています。
絨毛がんは流産や死産、正常分娩の後に残った絨毛などから発生します。
未分化胚細胞腫
悪性腫瘍に分類されています。
思春期にみられる腫瘍で、卵巣卵管切除による腫瘍摘出と化学療法の併用により、約90%の生存率です。
この他にも、胚細胞腫瘍には様々な種類があります。
多くの種類のある卵巣腫瘍のうち85%は良性であり、卵巣がんではありません。
しかし、卵巣がんは進行が早く自覚症状が乏しいので、注意の必要ながんなのです。
       germ.jpg

腎臓の病気:ネフローゼ症候群

ネフロ-ゼ症候群は病名ではありません。
尿蛋白が1日3.5g以上を呈し、血液の中で最も多いアルブミンと言う蛋白質が減少し、3.0g/dl以下(正常は4.0g/dl以上)に低下した場合をネフロ-ゼ症候群と呼んでいます。
アルブミンが減少するとむくみの共通の症状が見られるためネフロ-ゼ症候群と言う呼び方をするわけです。
ネフローゼ症候群の原因としては先に述べた慢性糸球体腎炎など)が最も多いのですが、糖尿病性腎症、膠原病などもネフロ-ゼ症候群を呈します。
原因は様々ですから、当然治療法も原因によって異なります。いずれにせよ、糸球体基底膜(蛋白質を漏らさないための膜)の網の目があらくなり、蛋白質が尿に漏れることによって起こります。
尿蛋白の程度とむくみの程度は必ずしも一致するものではありません。むくみを早く見つけるには、約10秒くらいきつく押さえて、へこみが持続するか調べます。
むくみの程度がきつくなると、全身浮腫となり(5kg以上体重が増加する)、腹水や胸水、さらには肺浮腫まで呈することがあります。こうなると一時的にも透析で体の余分な水分(むくみ)を取り除くことも必要となります。
          p4_4_00-1.jpg

子宮内膜の検査:血液検査

採血による検査です。子宮内膜症により、CA125の値が高くなることがあり、診断や治療効果判定の補助的手段として測定が行われています。
     f1ca093484baa173abb9a659e15b2e28.jpg

子宮内膜の検査:腹腔鏡検査

全身麻酔をして、お腹に穴を開け、腹腔鏡を挿入して、お腹の中をモニター画面に映し出して直接観察します。
病変がモニターに拡大して映し出されるので、肉眼では見えない小さな病変も確認することができます。
子宮内膜症の確定診断に不可欠な検査ですが、検査のためだけに行われることはほとんどなく、通常は治療を兼ねて行われます。
        fukukyo.jpg

大腸がんの予防:大豆イソフラボン

納豆は大豆製品なので、イソフラボンを大量に含んでいます。
納豆は、発酵することで、いろいろな健康効果があがります。
納豆には、大腸がんを予防する効果があります。それは、納豆に含まれる納豆菌、オリゴ糖、繊維質
の効果です。
納豆菌は大腸の善玉菌を増やす効果があり、オリゴ糖は、善玉菌のえさとなります。
繊維質は、腸内の発がん物質を吸着し、体外に排出するという、整腸作用があります。
納豆に含まれるナットキナーゼは、血液の血栓をとかす血液サラサラ効果があり、脳梗塞、狭心症、心筋梗塞などを予防してくれます。
レタンという成分は、脳細胞を若く保つ効果があり、記憶力をよくしたり、痴呆予防があります。
          what01.jpg

脂肪肝に効く食事療法メニュー 10日目

脂肪肝のための食事療法最終日 朝食メニュー
•温泉卵
•野菜の味噌汁
•白菜の浅漬け
•ごはん
•焼きシイタケ
浅漬けは白菜だけでなくカブなども一緒につけるといいでしょう。ポイントは柚子の皮と昆布を一緒に漬け込むことです。後は塩と唐辛子だけで美味しい浅漬けができます。
化学調味料などは一切使う必要はありません。出来上がりの塩分が薄いと感じた場合は醤油を少しだけかけて召し上がってください。
脂肪肝のための食事療法最終日 夕食メニュー
•カキのミゾレ煮
•味噌汁
•ワカメごはん
•もずくの酢の物
 カキと言えばたんぱく質、ミネラルが豊富でビタミンB1、B12を含む脂肪肝には欠かせない食材の一つです。野菜をたくさん入れた牡蠣鍋にすれば調理の手間も省けます。
今回はカキのミゾレ煮にしました。大根おろしとポン酢、柚子に三つ葉が絶妙の味を出します。カキ、野菜、ワカメでたんぱく質、ビタミン、ミネラルがばっちり摂取できます。もずくにはカルシウムや鉄分も含まれます。
これで10日間のメニューは終了です。

脂肪肝に効く食事療法メニュー 9日目

span style="color:#0000FF;">脂肪肝のための食事療法9日目 朝食メニュー
•キノコと豚肉のあんかけうどん
キノコはシイタケとシメジが良く合うでしょう。豚肉はモモ肉の脂のないところを選んでください。豚は下湯でして油を落としましょう。餡かけうどんの餡は片栗粉で作る場合が多いのですがやはり葛粉で作ったほうが美味しく仕上がります。
ぜひ葛粉で作ってみてください。餡かけうどんは関西では一般的ですが関東ではあまり見かけません。関東の方にはなじみのないものかもしれませんが寒い日などは本当に体が温まります。是非お試しください。
脂肪肝のための食事療法9日目 夕食メニュー
•鶏肉とヒジキの煮物
•アサリの酒蒸し
•温野菜
•ごはん
鶏肉は胸肉を使います。いつものように皮は使わないで下さい。ヒジキのほかにニンジンの細切りをいれても美味しいですね。
アサリも美味しいですがハマグリを使っても美味しいです。ちょっと贅沢をしたいときにはハマグリもいいですよね。ハマグリの場合はお吸い物にしてもいいですし、ハマグリの出汁で葛餡をつくり薄味のたけのこをそれで食べると最高に美味しいです。
木の芽を添えて召し上がってください。温野菜は旬の野菜を使うのが一番です。冬大根、秋茄子、春キャベツ、季節ごとの滋味をいただきましょう。
ご飯も毎回白米ではなく十二穀米とか発芽玄米などいろいろ売っているので試してみるのはどうでしょうか。雑穀米や麦飯にするとビタミンの摂取量がアップします。

脂肪肝に効く食事療法メニュー 8日目

脂肪肝のための食事療法8日目 朝食メニュー
•アジの干物
•大根おろし
•キャベツと玉ねぎのスープ
いくら白身魚が低脂肪でいいとはいえそればかりでは飽きてしまいます。基本的に魚は低脂肪なのでそれほど気にせずに今日はアジの干物を焼きましょう。それでもアジはグリルでなるべく油を落として焼くといいでしょう。
大根おろしは焼き魚には欠かせないサイドメニューですよね。ペクチンなどの水溶性食物繊維も豊富です。キャベツと玉ねぎは良く煮込んでコンソメなどで味付けをしましょう。
脂肪肝のための食事療法8日目 夕食メニュー
•鶏レバーで作るニラレバ炒め
•ご飯
•ワカメスープ
鉄分が不足しないようにレバーをとりましょう。ひじきやプルーンにも鉄分は含まれます。ニラレバにはもやしを入れるといいですね。少量のオイスターソースを入れると味に深みが出ます。
ニラに含まれる匂い成分のアリシンはビタミンB1と結合して代謝機能を高めます。ちなみにビタミンB1はレバーにたっぷりと含まれているのです! つまりニラレバは代謝機能を高めるにはうってつけの食べ物なんですね。注意点は炒める際に油を使いすぎないように気をつけること。もう大丈夫ですよね。
ワカメスープはカツオだしと数滴のごま油、ゴマの粒も入れましょう。ごま油はセサミンを含みますがやはり脂質には変わりありません。入れすぎには注意しましょう。

脂肪肝に効く食事療法メニュー 7日目

脂肪肝のための食事療法7日目 朝食メニュー
•オクラ納豆
•味噌汁
•ジャコご飯
•浅漬け
オクラのネバネバにはたんぱく質の吸収を促すムチン質が含まれています。だから大豆タンパクの納豆とオクラはいいコンビなのです。このムチン質、メカブや山芋などのネバネバにも含まれています。
ご飯にはちりめんジャコを散らしてカルシウムとたんぱく質をとりましょう。味噌汁はいつものように野菜をいれて下さい。
切ったキュウリやカブを一晩醤油に漬けるだけで美味しい浅漬けが出来上がります。簡単ですので試してみてください。ただし漬けすぎると塩分過多になるのでご注意を。
脂肪肝のための食事療法7日目 朝食メニュー
•鯛のちり蒸し
•味噌汁
•ワカメの酢の物
•小松菜のお浸し
•ごはん
 蒸すという調理法は油を使わずに済みます。脂肪肝にとって最高の調理法かもしれません。鉢に昆布を敷いて鯛とシメジをいれて蒸します。旨みを一切逃さずに調理することができます。
最後に三つ葉を添えると見栄えも味もよくなります。酢の物のワカメは塩漬けのものよりお刺身用のワカメがお勧めです。
鯛の切り身が小さい場合はイカやタコなどを酢の物に入れるのも良いでしょう。小松菜のおひたしもかつお出汁を濃い目にとって丁寧に作ると本当に美味しいです。ご飯にゴマをふってセサミンを取るようにするのも一つの手です。

脂肪肝に効く食事療法メニュー 6日目

脂肪肝のための食事療法6日目 朝食メニュー
•かき玉キノコスープ
•パン
•低脂肪のヨーグルト
•トマトサラダ
いよいよ10日の半分を超えました。キノコスープにはシメジが美味しいでしょう。玉ねぎ等の野菜も入れるようにしてください。お勧めはセロリを一緒に入れたスープです。卵をいれてたんぱく質も摂取します。
パンは食パンのトーストばかりでは飽きてしまうのでライ麦パンやナッツなどが入ったパンなども選んでみてはどうでしょうか。もちろん菓子パンは厳禁です。
ヨーグルトは低脂肪のものを選んでください。なかには無脂肪のものも販売されています。トマトのサラダにはシソやバジルの葉などでアクセントをつけても面白いです。
脂肪肝のための食事療法6日目 夕食メニュー
•牛フィレ肉のステーキ
•焼き野菜の付け合せ
•こんにゃくのキンピラ
•なめこの味噌汁
•ごはん
ちょっと贅沢に牛フィレのステーキです。ピーナツオイルやアーモンドオイルを少量使って焼くと美味しさが増します。食べ過ぎに注意してくださいね。
付け合せの焼き野菜にはカボチャやナス、トマト、パプリカなどがお勧めです。前述のハーブ入り岩塩をかけると美味しく食べられます。
コンニャクは塩をつけてまな板の上などでゴリゴリとこすり水気と臭みを抜いてから使いましょう。表面に切り込みを入れると味がよく染み込み食感も良くなります。

脂肪肝に効く食事療法メニュー 5日目

脂肪肝のための食事療法5日目 朝食メニュー
•トースト
•カッテージチーズ
•ササミのマスタード和え
•野菜サラダ
前述の通りバターは使わずに高たんぱく低脂肪のカッテージチーズを使います。
ササミは茹でるか蒸して粒マスタードと和えてみましょう。ゆでる場合は沸騰したお湯にササミを入れて蓋をしたら火を消して20分おいて取り出します。こうすると柔らかくジューシーに仕上がります。
寒い季節はササミが入った鍋を布などで包んで下さい。水にさらしたオニオンスライスを一緒に混ぜると味わいが増します。玉ねぎはスライサーでスライスし水にさらします。そのあと布巾で包んで水を絞るとアクも水気も一緒に抜けます。
脂肪肝のための食事療法5日目 夕食メニュー
•スズキのハーブ焼き
•ご飯
•風呂吹き大根
•味噌汁
スーパーなどに行くとミックスハーブの入った岩塩を売っています。大変便利で味もいいです。肉にも魚にも野菜にも使えるので一つ購入しておくと便利でしょう。スズキはごく少量の油でこの岩塩をふって焼くだけでも十分美味しいです。
風呂吹き大根は寒い季節にはぴったりの食べ物です。特に夏の大根と違って冬は大根の苦味がなくなるので美味しく食べられます。
ただし大根につける味噌に砂糖を入れすぎないように注意しましょう。どうしても甘くしたいときはゼロカロリーの人口甘味料を使うことをお勧めします。

脂肪肝に効く食事療法メニュー 4日目

脂肪肝のための食事療法4日目 朝食メニュー
•シーフードリゾット
•スティックサラダ
シーフードリゾットで必要な野菜やたんぱく質をとりましょう。ミネラルが豊富な貝類も入れることができます。アサリやイカなどをベースにシイタケやシメジ、マッシュルームなどのキノコも入れてしまいましょう。
野菜は玉ねぎのみじん切り、トマトジュース、にんじんなどを使うと美味しく仕上げることができます。脂肪肝に良いとされる貝類やキノコ類が全部食べられます。白身の魚を入れても美味しく作ることができますよ。
魚の調理のワンポイントですが、一般家庭では魚を洗うことをあまりしません。調理する場合は魚の切り身を洗って水気をよくふき取ると生臭さが消えて美味しくなります。是非お試しください。
スティックサラダはキュウリやニンジンを味噌をつけて食べるのをお勧めします。玄米味噌など滋味のあるものを使うと美味しいですよ。
脂肪肝のための食事療法4日目 夕食メニュー
•豚肉とホウレン草のしゃぶしゃぶ
•玉ねぎとジャガイモの味噌汁
•ご飯
•インゲンの胡麻和え
 豚肉はモモ肉の脂身のないものを選んでください。鍋に昆布だしを張ってホウレン草と豚肉をしゃぶしゃぶでたべます。ポン酢が美味しいです。豚肉は脂身がなくてもたくさんは食べないように注意してくださいね。ホウレン草がモリモリ食べられる料理です。
インゲンの胡麻和えはゴマに含まれるおなじみのセサミンを摂取できます。いつもより少し肉を多く食べてしまったらご飯を少し控えるなどして調節してください。

脂肪肝に効く食事療法メニュー 3日目

脂肪肝のための食事療法3日目 朝食メニュー
•納豆
• 豆腐の味噌汁
• ご飯
• 海草サラダ
• カブの浅漬け
 たんぱく質は豆類からも取れます。今朝のたんぱく質は納豆と豆腐からの摂取です。せっかくですので納豆も豆腐も美味しいものを選んでみてはどうでしょうか。
ご飯を炊くときに寒天のパウダーを一緒に入れるとつややかで美味しいご飯に仕上がります。寒天はノンカロリー食品ですので是非試してみてください。
海草サラダはノンオイルドレッシングかポン酢などをかけて召し上がってください。ただし市販のポン酢は意外と糖類が入っているのでできるならご家庭で作っていただくことをお勧めします。出汁と柑橘果汁とお醤油を好みで混ぜるだけです。
脂肪肝のための食事療法3日目 夕食メニュー
•ササミの胡麻和え
• キノコ汁
• パプリカのマリネ
• 冷奴
ゴマに含まれるセサミンも脂肪肝によく効きます。ササミも高たんぱく低脂肪の代表的な食材ですね。
キノコ汁はシメジやマイタケ、なめこなど複数のキノコを入れて作るととても美味しいです。パプリカは網で黒焼きにして水道水で洗い流すと簡単に皮がはがれます。しつこいようですがマリネの油は控えめに。バルサミコ酢などでマリネにしても美味しいですよ。
厚いときなら冷奴、寒い季節だったら湯豆腐にしてもいいですね。紅葉おろしを作ってポン酢で食べる湯豆腐も美味しいですよね。紅葉おろしは大根に箸で穴を開けそこに鷹の爪の種を抜いたものを差し込んでからおろして作ります。

脂肪肝に効く食事療法メニュー 2日目

脂肪肝のための食事療法2日目  朝食メニュー
•トースト
•カッテージチーズ
•鶏肉と野菜のスープ
•グレープフルーツ
バターは動物性脂肪が多いので使わないようにしましょう。その代わりに脂肪分の少ないカッテージチーズをつけてみました。カッテージチーズは市販のものを買ってもいいですが、牛乳とレモン汁で手作りすればよりおいしい物が食べられます。
鶏肉は脂肪分のすくない胸肉を使いましょう。皮の部分は脂が多いので使わないようにしましょう。野菜はキャベツ・にんじん・たまねぎ・セロリ・トマトなどいろいろな香味野菜をいれて作ることをお勧めします。翌日の分も作ってしまうと朝の調理が楽になります。
 
脂肪肝のための食事療法2日目 夕食メニュー
•鯛とキノコの酒蒸し
•野菜の味噌汁
•焼きなす
•ご飯
キノコも白身魚も脂肪肝の食事療法には欠かせない食材です。電子レンジを使うと簡単に調理できます。もちろん蒸し器を使ったほうが美味しくできることは確かです。
野菜の味噌汁にはいろいろな野菜を入れてください。大根やにんじん、ゴボウ、ネギなどがお勧めです。焼きナスは油を使わないように弱火で汗を欠かせるように蒸し焼きにするのが良いでしょう。
どうしても油が欲しくなったときは少し贅沢な油にしましょう。アーモンドオイルやグレープシードオイルなどを少量だけ使ってみてください。他に肉を焼くときなどピーナッツオイルなどもしつこくなくさっぱりと旨みをまして焼くことができます。

脂肪肝に効く食事療法メニュー 1日目

脂肪肝のための食事療法1日目 朝食メニュー
•シジミの味噌汁
•卵焼き
•ジャコおろし
•ホウレン草の磯部和え
•ご飯
•ミカンかオレンジ
脂肪肝を治癒する代表的な食材のシジミを早速持ってきました。鰹節などで出汁をとらなくてもシジミのうまみだけで十分に美味しくなります。
卵焼きはもちろん油控えめにして下さい。テフロン加工のフライパンを使うことをお勧めします。焦げ付きにくいため油の量を減らせるからです。
塩はミネラル分の多い良い塩を用意しましょう。味も段違いです。ジャコおろしは大根おろしにちりめんジャコをのせたものです。醤油で味付けしてください。ホウレン草は茹でて海苔と醤油で和えます。
脂肪肝のための食事療法1日目 夕食メニュー
•ワカメと豆腐の味噌汁
•カレイの煮物
•切り干し大根
•ご飯
たんぱく質をしっかりとることを心がけてください。脂肪が少なく高たんぱくな白身魚は脂肪肝にはうってつけの食材です。煮魚に甘みをつけたいときはゼロカロリーの人口甘味料を使いましょう。
サヤインゲンや針生姜を添えて食べるとビタミン類もしっかり取れます。また海草はミネラルが豊富で低カロリーです。どんどん食材に取り入れましょう。豆腐にも植物性たんぱく質が豊富に含まれています。なので納豆なども重要な食材になってきます。
切り干し大根には繊維質が豊富です。にんじんなどを一緒に煮ることによってベータカロチンも摂取できます。

乳がんの抗がん剤治療

乳がんの治療に用いる抗がん剤には、点滴薬や経口薬があり、がん細胞に対する作用メカニズムの違いによって「○○系」などと分類されています。
     untitled.bmp

食道がんの生存率

日本での食道がんによる年間の死亡者数は約1万人で、がんによる死亡者数全体の3%ほどにあたり、男女比でみると、圧倒的に男性の方が多くなっています。
食道がんの生存率は、がんの進行度や治療内容によって違ってきます。食道がんの場合、初期の段階での発見が難しく、多くの場合が進行がんとして診断されるので、生存率は思わしくない結果となっています。
手術から5年後の生存率
がんが食道の粘膜にとどまっている早期がんの場合は  約80%
がんが食道の粘膜下層にまでひろがっている場合は   約50%
がんが食道の固有筋層にまでひろがっている場合は   約20%
がんが周囲の臓器にまでひろがっている場合は     10%未満
がんが遠隔した臓器やリンパ節にまで転移している場合  3%未満

手術ができない場合、その患者の余命は、多くの場合、がんの診断後半年から2年前後という結果になっています。
食道がんの5年生存率
ステージⅠ期   約80%
ステージⅡ期   約40%
ステージⅢ期   約20%
ステージⅣ    約10%

       
        seizonritu.jpg

すい臓(膵臓)がんの治療:免疫細胞療法

すい臓(膵臓)がんの手術もできない場合,免疫細胞療法も一つの選択肢ですが,なかでも活性化自己リンパ球療法は高度先進医療として8カ所の大学病院が指定を受け,実施しています。
免疫療法は特別治療費として全額負担となりますが,診察や検査,入院費などは保険の適用を受けられます。
免疫細胞療法の最大のメリットは副作用などがほとんど見られないということで,手術,放射線治療,抗がん剤治療と併用することもできます。
新しい免疫細胞療法の一つである樹状細胞療法に限れば東京女子医大病院,東北大学病院、福島県立医大病院,京都府立医科大病院などで臨床試験として実施されています。
       colum_a03_img01.gif

すい臓(膵臓)がんの治療:分子標的治療薬

がん細胞の特異構造を標的としてはたらき,正常細胞への影響はないとする分子標的治療薬の研究が進んでいます。
エルロチニブは2007年に承認された非小細胞肺がんの治療薬で作用メカニズムはイレッサと同様で,がんの増殖に関わるがん細胞の表面にあるEGFR(上皮増殖因子受容体)チロシンキナーゼを標的とし,そのはたらきを阻害します。
副作用として,EGFRチロシンキナーゼ阻害薬で特徴的に現れるものに皮疹などの皮膚障害があります。イレッサでも発現しますが,発現率はタルセバのほうが高く,ほとんどの患者に見られます。
イレッサ同様,間質性肺疾患も見られ,その副作用の発症率は国内の臨床試験では4.9%で、その他,下痢,口内炎などの副作用も見られます。
タルセバはすい臓(膵臓)がんに対する臨床試験の結果,効果が得られたとして,中外製薬が2009年膵臓がんに対する効能・効果追加の承認申請を厚生労働省に行いましたが,臨床試験中のため保険の適用が受けられません。
中外製薬によるタルセバの説明会において,国内フェーズ2試験で重大な副作用の間質性肺炎の発現率が8.5%(106例中9例)に上っており,かなり厳重な体制でやってく必要があると発表されています。
        459211_c450.jpg

すい臓(膵臓)がんの治療:抗がん剤治療

すい臓(膵臓)がんは抗がん剤は効きにくいとされ,複数の抗ガン剤を組み合わせることも多いようです。抗がん剤としてよく用いられるものにフルオロウラシルがあり,がんの切除後に放射線と併用することで再発防止に効果があるとされます。
 
細胞内でで代謝され,三リン酸化合物となり,DNAの合成を阻害する作用を持つジェムザールという抗がん剤が開発され,延命効果や疼痛緩和効果などが認められています。
手術ができない3期と4期のすい臓(膵臓)がんに対する治療法は,原則として抗がん剤治療か化学放射線療法(抗がん剤治療+放射線治療)になりますが,ただし,化学放射線療法は3期に対してのみ行われます。
ジェムザールは外来で投与が可能で,毒性が少ないため,患者の負担も少なく,ジェムザール単独の治療でも化学放射線治療と同等の効果が期待されています。
現在では,膵臓がんの抗がん剤治療においてはジェムザールだけの治療を行っている施設が増えています。
国立病院機構大阪医療センターではジェムザールを使う標準的治療の他に、ジェムザールとTS-1の単剤同士の比較や、併用療法の効果を調べる臨床試験を行っています。この臨床試験は全国の施設が参加する大規模なものです。
 TS-1は、ジェムザールが登場する以前に膵がんで使われていた5-FUの成分をもとに、日本で開発された薬です。
これまでの臨床試験の結果,ジェムザール単独よりも,TS-1との併用療法のほうが効果の大きいことが予想され,効果が期待されています。
         img_297141_39589484_0.jpg

すい臓(膵臓)がんの治療:放射線治療

膵臓がんは放射線に対する感受性が低く,膵臓の周りを胃,十二指腸,小腸,大腸,肝臓,腎臓,など多くの臓器が囲んでいるため,膵臓への照射量も少なくせざるをえません。
術中照射が効果的とされ,放射性物質をチューブに入れ,がんの中に埋め込む方法もあり,正常細胞へのダメージを少なくすることができます。
 
放射線医学総合研究所重粒子医科学センター病院で行っている重粒子線治療が膵臓がんの治療に成果をあげ,注目されています。この施設は世界で唯一重粒子線による膵臓がんの手術をおこなっているところです。
 この重粒子線治療の特徴は粒子が運動を停止する直前に最大のエネルギーを放出するという性質を利用し,がん病巣内部で粒子が最大のエネルギーを放出するようコントロールされているため,複数の臓器に囲まれている膵臓がんには最も適した治療法と考えられます。
この治療を受けるには以下の条件をクリアする必要があります。
(1)肝臓や腹膜などに転移がない。
(2)過去に膵臓がんの治療を受けていない。
(3)介助なく身の回りのことができる。
(4)80歳以下。

        
         5_ph01.jpg

すい臓(膵臓)がんの治療:外科治療

膵臓と周囲リンパ節などを切除する方法です。すい臓(膵臓)がんの治療の中では最も確実な治療法となります。すい臓(膵臓)がんの位置によって以下のような方法が選択されます。ただし、肝臓に転移を認める場合や、主要な動脈に癌の浸潤を認める場合は手術以外の治療法の対象となります。
(1)膵頭十二指腸切除
膵頭部を中心に癌がある場合に、十二指腸・胆管・胆嚢を含めて膵頭部を切除します。胃の一部を切除する場合と、胃をすべて温存する場合があります。門脈という血管に、癌の浸潤が疑われる場合は、門脈(もんみゃく)の一部も合併切除して再建することで、癌の切除は可能です。切除後には膵臓、胆管、消化管の再建が必要となります。
(2)膵体尾部切除
膵臓の頭部よりも尾側に癌がある場合に、膵臓の体尾部と脾臓を一緒に切除します。切除後の消化管の再建は必要ありません。
(3)膵全摘術
癌の範囲によっては、膵全摘術といって、膵臓のすべてを切除する手術が必要となる場合もあります。ただし、術後には血糖を調整するために、インスリンの注射が必ず必要となります。
(4)その他
癌を切除することはできない場合でも、十二指腸など閉塞して食事がとれなくなるのを防ぐための胃と小腸のバイパスや、黄疸が出ないようにするための胆管と小腸のバイパス手術を行うことがあります。
      suizouzuxx.gif

胃手術後の障害:逆流性食道炎

胃から分泌される胃酸が、食道に逆流することで、食道の粘膜を刺激し傷つけることで起こる炎症をさします。
症状
•横になったときに、胸焼け等が起こる
•食事中・後に胃酸が逆流する
バレット食道
逆流性食道炎の合併症として重要なものにバレット食道がある。食道上皮は本来は重層扁平上皮であるが、逆流性食道炎では円柱上皮化成が生じることがある。これに特殊腸上皮化成が合併したものがバレット食道です。バレット食道は食道腺癌の前癌状態とされ、無治療では高確率で食道癌が発生します。
欧米ではバレット食道由来の食道癌(バレット食道癌)が食道癌の30~60%を占めます。
原因
•加齢
•胃酸増加
•下部括約筋の機能低下
•食道の機能低下
•肥満
治療
H2ブロッカーや、プロトンポンプ阻害薬を服用します。
        GERDhow.gif

肺がんの鎮痛薬の効果

徐放剤は、飲み込んだ後に有効成分が徐々に出てくる薬です。1日に1回だけ飲めばいいタイプもあって、血圧の薬などにも使われています。
モルヒネは、以前は1回注射すると効果の持続時間が4時間でしたから、1日に4~6回注射しなければなりませんでした。経口薬もありましたが、4時間おきに飲まなければなりません。
MSコンチンは、効果が12時間持続しますから、1日に2回飲むだけでよく、夜も眠れます。
MSコンチンは、消化管の中で水分を吸収すると、錠剤の中で硫酸モルヒネが溶け、徐々に錠剤の外に放出される仕組みになっています。
モルヒネの量には個人差があります。MSコンチン2錠程度で痛みがとれる人もいれば、15錠で痛みがとれる人もいます。
薬の量が多いから病気が重いということではなく、薬の効き具合には個人差があるということを勘違いしないでください。
薬の量が多くても、痛みを取り除くのに適度な量であれば、副作用は特に大きくなるということでもありませんので、心配はいりません。
鎮痛剤とは別のものになりますが、神経ブロックという方法も痛みを取り除く方法として知られています。これは、釘を刺して神経の知覚を麻酔を注入することで、痛みを感じなくするものです。
痛みが部分的に感じられる場合には有効ですが、副作用として皮膚感覚の下に痛みを訴える人もいるので、逆にこれがさらなる苦痛となる可能性もあります。
         20041119-ms-kontin-tuwaisuron-60-pic.jpg

胃手術後の障害:ダンピング症候群

ダンピング症候群とは切除手術を受けた人の15~30%にみられる胃切除後症候群で、炭水化物が急速に小腸に流入するために起こるものです。
食事中や食後の直後に症状が現れる早期ダンピング症候群と、食後2~3時間たってから現れる後期ダンピング症候群に分けられます。
[早期ダンピング症候群]
胃を切除してしまうと、胃液の分泌量が低下し、貯留機能の失われるために、浸透圧の高い食べ物が胃の中に入ると、その一部はそのままあふれるように腸内に急速に排出されてしまいます。
早期ダンピング症候群は、胃の排出調節機構が破綻していることが原因で起こります。
症状は、冷や汗、動悸、めまい、全身倦怠感、全身脱力感、全身熱感などです。腹痛、下痢、嘔吐などの腹部症状を訴える場合もあります。
[後期ダンピング症候群]
胃の内容物の急速な排出によって腸管からの炭水化物の吸収が増大すると、高血糖になります。そこでインスリンが過剰分泌され、逆に低血糖になってしまうことで起こるものです。
食後2~3時間たって頭痛や倦怠感、発汗、めまい、呼吸の乱れなどが現れるもので、多くは早期ダンピング症候群に引き続いて起こります。低血糖が大きな原因で起こることから、後発性低血糖症候群ともよばれています。
ダンピング症候群は、食物の小腸への急速な流入に加えて、リンパ節の喪失による腹水の循環不全、吻合による蠕動運動の乱れなどがあると、食後の苦しみは増大されます。
治療
胃切除後症候群の治療は、食事療法を主体として、必要に応じて薬を用います。
再手術を行うケースもあります。
早期ダンピング症候群の場合、まず食事療法を徹底します。低糖質、高たんぱく、適度な脂肪の食事で、なるべく水分を少なくします。食事のとり方は、1日5~6回に分ける少量頻回食が理想とされます。
冷たい物は避けて、食後は20~30分ほど横になることも必要です。
食事療法では改善されない場合、薬物療法が行われますが、ダンピング症候群の特効薬はありません。
対症的に、血管作動性物質に対する抗ヒスタミン薬、粘膜刺激に対する粘膜保護剤、自律神経系に対する抗不安薬、腸管運動亢進に対する鎮痙薬などの薬が必要に応じて投薬されます。
治療の主体は、食事で症状を改善させることです。外科的治療が行われることはほとんどありません。
後期ダンピング症候群の場合は、1回の食事量を少なくし、ゆっくりと時間をかけてとるようにします。
症状が現れたときには、飴など少量の糖分を摂取すると治まることが多く、薬はほとんど使いません。
食事のたびに高血糖を起こしていると、糖尿病と同じように腎臓や網膜、神経などに悪影響を与えることになるので、十分なコントロールが必要になります。
疲労感を防止するためには、糖分を含むお菓子や果物を少量、間食としてとるのもいいです。
     03901.jpg

肺がん手術後の腹式呼吸と酸素吸入

肺の手術後には、息苦しさなどの症状がでることがあります。
肺を切除することや呼吸筋という筋肉を切り離すことで肺の機能が一時的に低下すること、術後の痛みのため呼吸が制限されることなどが原因です。
これは呼吸にかかわる筋肉を鍛えることで緩和できます。
呼吸をするときには、胸の筋肉だけでなく、おなかや太ももなど全身の筋肉も使います。これらの筋肉を鍛えるためには、口をすぼめて腹式呼吸を行うとよいと言われています。
また、呼吸を助けるために酸素吸入という手段もあります。もともと慢性閉塞性肺疾患など肺の病気がある人は、肺がんの治療によって、さらに呼吸機能が低下してしまうことがあります。
息切れがひどい場合でも酸素吸入用の機械を使えば酸素不足が解消され、自宅で楽に過ごせるようになります。
在宅酸素療法といわれる療法です。
機器の形状はさまざまですが、自宅に設置しておくタイプだけでなく、ポータブル型の酸素ボンベやめがね型の吸入装置などもあり、外出時に使用することも可能です。
現在、在宅酸素療法の利用者は10万人と言われ、そのうちの10%以上が、肺がんの患者です。
日常でも呼吸を楽にするには、上半身を起こした姿勢のほうが横隔膜の位置が下がり、換気の効率がよくなりますので、楽になります。
        L_00034101.jpg

卵巣腫瘍と卵巣がん:上皮性腫瘍

卵巣腫瘍は他の臓器に比べ、腫瘍種類がとても多いのが特徴です。
ランソウ腫瘍の85%は良性の腫瘍です。
卵巣の主な組織は、卵巣の表面を覆う表層上皮、ホルモン産生する性索間質、卵子のもとになる卵細胞(胚細胞)です。
初生場所による分類で、一番多いのが、卵巣の表面を覆う細胞由来の上皮性腫瘍です。
上皮性腫瘍には、良性腫瘍・悪性腫瘍・良性と悪性の中間の性質を持つ中間群があります。
上皮性腫瘍は漿液性・粘液性・類内膜腫瘍・明細胞がん・ブレンナー腫瘍の5つの細胞型があり、それぞれ性質が違います。
漿液性腫瘍
漿液性腫瘍には、良性漿液性嚢腫(のうしゅ)と漿液性腺がん、があります。
良性漿液性嚢腫(のうしゅ)は、水のようなさらさらした液体が嚢腫の中に溜まります。
粘液性腫瘍
嚢胞(ほうのう)内部にネバネバした粘液が溜まる腫瘍です。
この腫瘍は肥大化することがあり、肥大化した腫瘍がお腹の中で嚢胞が破裂して粘液が漏れ、腹膜炎を起こすことがあります。
類内膜腫瘍
子宮内膜の腫瘍と類似する腫瘍で、良性と悪性の性質を持つ中間群。
明細胞がん
化学療法が効きにくく、手術で取るのが良いと言われています。
ブレンナー腫瘍
多くは良性の腫瘍です。
卵巣がんのうち80パーセントは上皮性のがんです。
はじめのうち自覚症状が乏しいため、2/3は転移した状態で見つかります。
転移のない場合は、手術だけで治ります。
転移のある場合には、手術だけでなく化学療法も併用して治療が行われます。
           9791918382AA82F18EED97DE.jpg

胃がんの要注意の食品

コーヒー
一日に1杯~2杯程度なら心配ありませんが、味の濃いコーヒーを何杯も飲むと、おなかの調子を崩す原因になります。ブラックコーヒーを好んで飲む方もいますが、空腹時にはできるだけ避けるようにしたほうがよいでしょう。
食物繊維の多い野菜
食物繊維が多い野菜には、キノコ類、海藻類、タケノコ、コンニャクなどがあります。食物繊維はもともと消化しにくく、よく噛まないまま飲み込んでしまうと、お腹をくだしたり、詰まってしまうことがよくあります。
便秘予防のためにも、食物繊維はできるだけ不足したくない食品です。
大豆
食物繊維も多いので、一部の調理法によっては、消化がよくない場合もあります。豆腐や納豆などは消化も良いので安心して食べることができます。
いか、たこ、貝類
噛みにくいので、そのまま流し込むとよく消化不良を起こします。無理に飲みこむのはよくないので、あまり摂らないのも1つの方法です。
香辛料
香辛料には辛いものもありますが、塩分の摂り過ぎよりは心配ありません。量を多くし過ぎなければ、特に注意すべきことはないでしょう。大量に摂取すると、健康な人と同じように、胃の粘膜が傷つきます。
アルコール
禁酒する必要はありませんが、胃の機能が低下しているので、アルコールがすばやく吸収されるようになります。ビールも、炭酸ガスによっておなかが膨れることがありますが、個人差があります。
肝機能に問題がある方や、糖尿病を患っている方は、お酒は控えるようにしましょう。
        jphc_outcome011_grp01.gif

子宮内膜の検査:腫瘍マーカー

腫瘍マーカーは血液中のCA125と言う物質の含有量を測定することで、卵巣がんなどの早期発見に利用される診断方法です。
子宮内膜症になった場合、CA125が増えたり減ったりする事から、子宮内膜症の新興具合をはかるために、血液検査で測定されます。 基本的には補助検査的な意味しかありません。
子宮内膜症に患っている人の症状のを経過観察などで、基礎資料として見なされる場合が多く、定期的に血液検査を行いCA125の有無や増減を確かめて、その後の治療方法を判断するための補助的な資料として利用します。
子宮内膜症と診断確定した場合行なわれる診断法と見るべきで、血液検査だけでは、卵巣がんか子宮内膜症かは判断出来ません。
        marker.gif

大腸がんの予防:青魚

サバ・アジ・イワシ・サンマなどの青魚が多く含む不飽和脂肪酸には、発がん物質を抑制する作用があるとされています。
フィンランドとは他の国に比べても大腸がんの患者さんが少ないのですが、これは不飽和脂肪酸を多く含む青魚と食物繊維を多く含む海藻などをたくさん食べるからと考えられているからです。
不飽和脂肪酸の中でもラードなど動物性油脂には、大腸がんの発生を促すとされています。このように同じ不飽和脂肪酸でも、魚と肉によっては善玉と悪玉があります。
ドコサヘキサエン酸やエイコサペンタエン酸は、大腸がんだけでなく動脈硬化や高血圧の予防に効果があるとされています。
魚が大腸がんの発生を抑制するといっても、それに含まれる動物性タンパク質を焼いて焦がすことで、発がん物質が作り出されることも分かっています。
この焦げに含まれる発がん物質は調理時間が長く、また調理温度が高くなるほど量が増えてきます。少量であれば問題ないのですが、なるべく魚だけでなく肉類でも焦がさないよう食べることをおすすめします。
          E996A2E38195E381B0E383BBE383BBE383BBE38182E38293E381BEE3828AE7BE8EE591B3E3819DE38186E38198E38283E381AAE38184E381ADE38082E88BA6E7AC91.jpg

前立腺がん:再燃による排尿困難

再燃とは、ホルモン療法を行っている途中でがんが悪化することを言います。
再燃した場合には前立腺が大きくなっていることがあり、排尿障害や血尿を引き起こすことがあります。
排尿があまりに難しくなった場合には、外科手術が行われます。
これは、経尿道的前立腺切除術と呼ばれ、尿道から小型カメラがついている内視鏡を入れて、前立腺をモニターで観察しながら、尿道を圧迫している前立腺がんを切り取るという手術です。
前立腺が大きくなった部分だけ切り取るので、この治療でがんが治るわけではなく、あくまでも排尿障害を治すためのものです。
排尿困難がある場合、前立腺に放射線をあてる方法も効果があります。
これは、前立腺から出血がある時にも効果を発揮します。
すでに前立腺がん治療の時に放射線療法を試みている人には、この方法は使えません。
再び放射線を使うと、強い副作用が出てしまうからです。
最初の放射線療法の時に、がん細胞を死滅させるために、正常な組織が受けられるぎりぎりの量の放射線を浴びせています。
その状態から追加で放射線を当てると、直腸から出血するなどの強い副作用が出てしまうのです。
直腸のほかにも尿道が狭くなったり、他の組織が傷つくなど放射線治療の傷跡は大きいものです。
           haynyoushougi_cell.gif

胃がん手術後の食生活の変化と食べ方

胃を切除した後にまず心配になるのが毎日の食事についてです。ただ、食事の内容自体は、それほど変更する必要はありません。
脂肪分をとり過ぎないことです。
手術前と同じように早食いなどをしようとすると、さまざまな不快な症状があらわれてくるからです。胃の機能は以前と同じではなくなっているので、それに合わせた食べ方も必要になってきます。
胃切除のあとに起こりがちなこと
すぐにおなかがすく
少しずつしか食べられない
早食いすると苦しくなる
食事のあと、動悸やめまいがする
下痢をしやすい
おならがよく出る
空腹時に低血糖症状があらわれる

食後の不快な症状の多くは、ダンピング症候群と呼ばれるものです。これは、胃の幽門を切除した場合や、全部摘出した場合などに起こりやすいとされています。
食後30分以内:早期ダンピング症状
症状:めまい、動悸、発汗、眠気、下痢など
腸の消化液の分泌が増して、水分やホルモン量のバランスが崩れることから生じます。
食後2、3時間後:後期ダンピング症状
症状:倦怠感、脱力感、めまい、冷や汗、ふるえなど
食後の急激な高血糖状態に対し、血糖を下げるホルモンである「インスリン」が膵臓から大量に分泌されます。その結果、血糖が下がりすぎて症状が発生します。
ゆっくり少しずつよく噛むことが大切
胃の切除後は、少しの食事でもすぐにおなかがいっぱいになります。このときに食事を取りすぎると、ダンピング症状が起こりやすくなってしまいます。
はじめは1日5食を目標にして、徐々に量を増やしていくというスタンスをとりましょう。
食事中の心がけ
1回の食事は30分の時間をかける
胃の働きが悪くなっているので、早食いは消化不良やつかえ、苦しみの原因になります。食べる量は減っていても、食事にかける時間は最低でも30分はとるようにしましょう。飲食物が流れるペースを自分で調整しましょう。
少量でとどめる
術前はまだまだ食べれたかもしれませんが、控えめにしましょう。食べられる量にも個人差がありますが、さっきも述べたように、食べすぎはダンピング症状のもとにもなります。
一口ごとに箸をおく
飲み込んだ飲食物が流れていったのを確認してから、次の一口へ手を出すには、毎回箸を置いて休憩するのがよい方法です。一気に食べるのを防ぐこともできます。
食後の過ごし方ですが、しばらくは横たわって休むようにしましょう。小腸への飲食物の流れをゆっくりにすることができます。
また、飲食物がつかえて苦しいときは、思い切って吐いてしまうと、楽になることがあります。
         sc041_pic01.gif

非喫煙者の肺がん

肺野型肺がんは、細い気管支や肺胞に発生するがんで、喫煙者だけでなく非喫煙者にも発生するタイプの肺がんです。
肺野型肺がんは、肺門型肺がんと違って症状が出にくいのが特徴です。
早いうちから単純胸部X線検査やCT検査などで発見する事ができます。
肺の奥の方にできるがんなので、気管支鏡が届きにくく、細胞診や生検をするときには気管支鏡に特殊な器具をつけたり、X線透視下やCTガイド下で皮膚の上から針を刺して行なう事になります。
日本など先進国ではこの肺野型肺がんが増加しています。
一因として、フィルター付きタバコの普及が関係しているのではないかと考えられています。
タバコに含まれるニコチンなどの成分は、フィルターを通すと粒子が小さくなるため、肺の奥のほうに作用するのではないかといわれているのです。
          haigan3.jpg

子宮内膜の検査:MRI

精密検査の主流と言える検査方法で、内臓関連の精密検査の場合は、最も信頼される検査方法と言えます。
画像処理の鮮明度から言えば、CTスキャンとは比較にならないほど高い画像処理画が可能ですが、大掛かりな設備機器が必要になるとともに、専門の人材も必要になりCTスキャンと同様に、MRIの検査を受けるには、大型病院や大学病院などに限定されます。
画像処理はどんなに画像処理が鮮明になっても、結局医師の診断能力に負うところが大と言えます。 MRIの診断を行なって、必ずしもか診断が確定し、症状が判明したとは限りませんから、MRI診断だけで確定診断が下されると考えないほうが良いでしょう。
通常診断が難しい症例の場合、他の診察方法が併用されるのが普通です。
         imagesCAVF5VFP.jpg

大腸がんの予防:野菜

野菜を多く食べる人には大腸がんになりにくいと認められています。
野菜にはフラボノイド・カルテノイド・セレン・葉酸・ポリフェノールなど、多くのがん抑制物質が含まれており、フリーラジカルの生成を抑える抗酸化物質も多く含まれています。
ニンジンやカボチャに含まれるβカロチンは、がんの発生を促進するとされています。逆にαカロチンやリコペンにはがんの発生を抑制すると証明されています。
大腸がんの発生でいうと、極端に野菜を食べない人を見てみると大腸がんが増えるという結果も出ています。また一方で野菜を多く食べたからといって大腸がんを予防できるわけではないということが分かっています。
現代の食生活では野菜が不足しているといっても、まったく食べない人はほどんどいないと思います。したがって野菜は食べすぎずとも適度に食べていれば大腸がんの心配は要りません。
         200983yasaijpeg21k.jpg

前立腺がん 予防にきく食事

前立腺がんは、以前日本では非常に少ない病気でしたが、食生活やライフスタイルの欧米化により、今では増えている病気です。
以前なら前立腺がんに侵されているにもかかわらず、見過ごしたまま死亡する人もいたのですが、今では検査技術が発達したために、多くの人に発見されるようになったことも増加の原因です。
前立腺がんは人種や遺伝も大きく関係しており、これらは変えることはできませんが、食生活は簡単に変えることができます。
欧米食よりも日本食のほうが体には良いことがわかっています。
何が違うかというと、動物性脂肪の量です。肉を食べるのはあまり前立腺がんにはよくないということです。
動物性脂肪は肉だけでなく、チーズや牛乳といった乳製品にも含まれているので注意が必要です。
塩分をとりすぎるのもよくありませんから、イカの塩辛や魚の干物など塩分が強すぎる食べ物は控えたほうが良いでしょう。
食物繊維をとることは、前立腺がんの予防に役立つそうです。
伝統的な日本食である味噌、納豆、豆腐には多くの食物繊維が含まれているので、たくさん摂取するとよいでしょう。
欧米料理は基本的に、油や脂肪分が多いので、避け、日本食を摂りつつ、塩分を控えるように気をつけることが予防につながります。
        column_03zu2.gif

腎臓の病気:慢性腎炎症候群

慢性腎炎症候群とは
 慢性腎炎症候群は、無症候性たんぱく尿・血尿症候群と同じように、原因となる病気がなくて腎臓が障害を受けるものとある病気が原因で慢性的に障害を受ける続発性糸球体疾患によるものとに分けることができます。
原因となる病気がなくて腎臓が障害を受けるものとしては、巣状糸球体硬化症・IGA腎症・幕性腎症などがあります。
また、ある病気が原因で慢性的に障害を受けるものとしては、糖尿病性腎症・全身性エリテマトーデスなどの腎症です。
慢性腎炎症候群との違いは、慢性腎炎症候群が経過とともに腎機能が低下していくのに対して、無症候性たんぱく尿・血尿症候群は、経過しても腎機能は正常に推移していくということです。
慢性腎炎症候群の症状
慢性腎炎症候群の症状は、たんぱく尿・血尿などの症状がつづき、腎臓の機能が徐々に低下していくとともに、むくみや高血圧などの症状もあらわれてきます。
慢性腎炎症候群の治療
慢性腎炎症候群の治療は、腎機能を直接的に改善する治療はありません。
安静と食事療法、それと薬物療法になります。
食事療法としては、たんぱく質と塩の摂取を抑えることが大切です。
          zu13-6.gif

肝臓の病気 うっ血肝

うっ血肝とは
心臓への血液のもどりが悪くなって、肝臓に血液がうっ滞して、肝臓の組織に障害がおこります。
急性心筋梗塞、急性心不全、心臓弁膜症、慢性心不全などの疾患があるとおこる肝障害です。
原因は、心臓のポンプ作用が低下することで、全身の循環血液量とともに肝臓の循環血液量も減少し、肝臓への酸素供給も低下してしまいます。
肝臓はうっ血による腫大と低酸素血症がおこり、肝細胞は障害を受けます。
うっ血肝の症状
 全身のむくみ、頸静脈の怒張、呼吸困難、肝臓が腫大、肝機能障害、右季肋部痛、黄疸、腹水、心肥大、頻脈、チアノーゼ、うっ血性肝硬変、肝不全などがみられます。
急性心不全では急激に肝臓が腫れて痛み、慢性心不全ではうっ血が長期間つづいてしまうことでうっ血性肝硬変まで進行することがあります。
心筋梗塞や肺梗塞による急性うっ血は、肝細胞の急激な酸素不足で急性肝障害をおこします。
うっ血肝の治療
原因となる心臓疾患に対する治療をおこない、肝細胞を保護するための肝臓の庇護療法がおこなわれます。
また、食事の減塩指導および強心薬や利尿薬などの投与がおこなわれます。
        untitled.bmp

乳房再建術とは

乳房再建術とは、乳房全切除などにより、乳房をなくすことを余儀なくされてしまった患者さんのために乳房を新たに再建して取り戻すというものです。
乳房再建により術後の心の持ちようも変わってきます乳房再建術をしたことにより、乳がんの再発が増えるということはありません。また、術後の健診も通常通りに行えます。
乳房再建を行う時期は2種類あります。1つは、乳がんの手術と乳房再建手術を同時に行う同時再建(一期再建)と、2つ目は乳がんの手術後に時間を置き再建手術を行う二期再建があります。一期再建の方が二期再建より手術の回数や、体の負担と手術費用が少ないので望まれる方が多いですが、がん細胞が局所再発などをしてしまったときには再建した乳房をまた取り除かなくてはいけないときがあります。
がんが再発する可能性が高い場合は、一期再建を行わず、3年ほど再発はしていないか様子を見て、二期再建をしたほうがいい場合もあるので、担当の医師とじっくり検討してください。
乳房の再建術の方法があります。
1.自分の体の組織を使う筋皮弁法
2.シリコンなど、人工の乳房を使う方法
3.筋皮弁法と人工乳房を併用する方法

1.の筋皮弁法には、お腹の皮膚や筋肉、脂肪などをつかう腹直筋皮弁法(ふくちょくきんひべんぽう)と、背中の皮膚や筋肉、脂肪を使う広背筋皮弁法(こうはいきんひべんぽう)の2種類があります。
2.の、人工の乳房を使用する場合は、組織拡張法と、単純人工乳房挿入法の2種類があります。
自分の体を使う場合も人工乳房を使う場合も、放射線療法やお腹の治療を昔受けたことがある人や、太っている方、タバコを吸う方、糖尿病の方は合併症を起こす可能性が高くなります。
放射線治療を受けたあとは、皮膚がダメージを受けて弱くなっていたり、皮膚が伸びにくくなるのできれいに再建できない場合があります。
         img_cancer_03_02.gif

食道がんの病期(ステージ)分類

病期を把握してから治療を選択
食道がんに限らず、がんの治療には、病期(ステージともいう)を把握することが不可欠になります。がんのタイプや進行度の情報だけでは、適切な治療を選択することはできません。
食道がんの病期を決める要素は次の3つになります。
がんの深さ(T)
リンパ節への転移(M)
周辺臓器への転移(N)

「食道癌取扱い規約」によって定められたものであり、国際的な病期分類にもなっています。TMN分類とも呼びます。
食道がんの病期による分類
病期は、0期から4期の5段階に分けられています。
      shokudogan1.jpg
外見上からの分類
がんの外見から進行度を分類する方法もあります。がんが粘膜下層にある表在型には、表在隆起型(Ⅰ型)、表在平坦型(Ⅱ型)、表在陥凹型(Ⅲ型)の3つがあります。
がんが粘膜下層より深くなっている進行型には、隆起型、潰瘍限局型、潰瘍浸潤型、びまん浸潤型、その他の5つがあります。
がんの外見からの分類は、個人の主観によるところも大きいですが、がんの深達度のめやすを知るうえで役に立ちます。

すい臓がん 痛みへの対処

癌の進行は、時には激しい痛みを伴う場合があります。
すい臓がんの場合、すい臓の周りには肝臓へ続く肝動脈、腸へ続く上腸間膜動脈、門脈が張り巡らされているので、そこを経路に癌が入り込み、肝臓などへ早い時期に転移してしまう場合があります。
癌が発見された時には、すでに手遅れとなって手術不可能な状態になっています。
このような場合の治療は、出来る限り痛みから解放してあげる治療になることが多いのです。
癌の痛みは、想像を絶するものがあります。
痛みにより、不安や焦りが生じ、医療への不信感や治療への意欲が損なわれることもあります。
そのため、痛みを緩和させる治療を重視する動きが高まってきました。
日本は、痛みを我慢することが良いとされる風潮があります。
これは家族や周りへの遠慮や配慮からくるものなのでしょう。
我慢をすれば痛みは更に増し、更に強い薬を使うことになり、痛みもなかなか治まりません。
これは決して良い状態ではありません。
痛いものは痛い、と患者が言える環境を周囲は作ってあげることが大事です。
痛みへの対処として、放射線や神経ブロック、消炎鎮痛薬、モルヒネ、向精神薬などが使われます。
すい臓がんの場合、症状が現れない結果、手遅れになることが多く、ターミナルケアの一環としてこれらの治療が積極的に行われる場合があります。
          a05e6b6c776f8b24e70430f7249a9acc.png

胃がん 切除後食事:胃切除の後遺症

開腹手術によって胃を切除した後は、いろいろな後遺症があらわれることがあります。この後遺症を「胃切除後症候群」と呼びます。必ず起こるというわけではないのですが、切除した範囲が広ければ広いほど、発生する確率も高くなります。
手術後の後遺症一覧
ダンピング症候群ダンピングとは「墜落」という意味で、食べ物が腸に墜落して急に流れ込む様子を表しています。もっとも多くみられる後遺症です。
次のような多くの不快な症状があらわれます。
冷や汗が出る
脈拍が速くなる
動悸がする
倦怠感が出る
頭痛、めまいが出る
まれに意識障害が起こる
貧血
胃の切除により、鉄分とビタミンの吸収が障害されて、欠乏することが原因で起こります。不足している分を補うことが必要です。
骨粗鬆症
胃の切除でカルシウムの吸収が悪くなり、骨がもろくなります。カルシウムやビタミンDを投与して対処していきます。
腹壁瘢痕ヘルニア
腹壁の筋肉が閉じずに、皮膚の下に腸が飛び出している状態です。
流性食道炎
胃の手術後には、胸焼けを起こすことがあります。粘膜保護剤や酵素阻害薬などを使用していきます。
胆石
手術後は胆のうの収縮が悪くなって、胆石ができやすくなることがあります。胆嚢炎で症状が強くなったときは手術が必要になります。
胃を切除した後は、必ずといってよいほど体重が減少します。食べられる量が少なくなるのに加えて、吸収効率が悪くなるためです。
         zouki_f11.jpg
体重が減って動揺することもありますが、体力はあまり変わりません

肺がん 温熱療法

がん細胞が正常細胞に比べ熱に弱く、その特徴を利用してがん細胞にダメージを与える治療法を温熱療法と言います。
がん細胞は、正常細胞に比べて熱に弱く、42.5度から43度以上になると、生存率が著しく低下し、これよりも高温になるほど、また加熱する時間が長いほど、より多くのがん細胞が死滅します。
正常細胞は、生き残れる温度ですから、その差を利用するわけです。
温熱療法は大きく分けて、全身温熱療法と局所温熱療法とがあります。臨床では主に局所温熱療法が行われます。加熱方法により、外部加熱、組織内過熱、腔内加熱に分類され、マイクロ波やラジオ波誘導加熱装置などが用いられます。
副作用には、加熱した部位のやけど、痛みがあり、体の深部を治療するのに適した高周波の加熱装置を使用した場合、体温上昇といった全身の症状が出ることがあります。
温熱療法だけでは効果が十分にえられないため、化学療法や放射線療法と併用して用いられることがあります。
放射線は、温度の上昇に伴い、感受性が増大することが報告されており、温熱療法と放射線療法の併用治療の研究が行われています。
ほかのがんでは効果が認められていますが、肺がんなどの深部腫瘍では、温熱療法と放射線療法の併用治療の有効性はまだ認められていません。また、化学療法との併用についても、その有効性は証明されていません。
          5_z1.gif

食道がんの深さによる分類

食道壁の構造
食道壁の構造を簡単に紹介すると、内側から粘膜、粘膜筋板、粘膜下組織、固有筋層(輪状筋、縦走筋)、外膜という順に構成されています。厚さは約4mm。
がんは、内側の粘膜から発生していき、進行するにつれて外側へ浸潤していきます。また、食道の外側から発生するのもについては、がんとは呼ばず、「肉腫」として区別されています。
がんの深達度による分類
がんのもっともよく使われる分類が、深達度による分類です。よく「早期がん」や「進行がん」などと耳にすることも多いかと思われます。
「早期がん」とは、がんが粘膜層のごく浅いところにとどまっているがん(表在がん)のうち、リンパ節転移がみとめられないものをさします。
一方の「進行がん」とは、がんが粘膜下層より深く達してしまったものをいいます。固有筋層まで達していると、転移しているケースが多くなり、食道の外にまで広がってしまった場合は、完全に他へ転移しています。また、食道の内腔すべてががんに侵食されていることもあります。
「末期がん」という分類は医学的にはありません。末期がんは、一般的には、進行がんの中でも、とくにひどい病状の場合に呼ばれるようです。
発生からみた分類
発生からがんを分類する方法もあります。粘膜を形成する扁平上皮から発生するがんを「扁平上皮がん」、粘膜の内部の腺組織から発生するがんを「腺がん」と呼びます。
日本での食道がんは、扁平上皮がんの発生が9割以上を占めています。
          image01.gif

胃がん薬物療法:抗がん剤治療

(1) 手術療法で切除しきれない場合
転移があって切除できない場合や、手術後に再発した場合、抗がん剤が試されます。さまざまな抗がん剤が開発されており、腫瘍縮小効果の高い薬剤も出てきています。しかし、いったん小さくなった腫瘍もまた再燃しますから、完全に治ることはほとんど期待できません。副作用は必ずといってよいほど出ますから、効果と副作用をよく見極めながら抗がん剤治療を続ける必要があります。
有望な薬剤の組み合わせとしては、フルオロウラシル+シスプラチン、メソトレキセート+フルオロウラシル、エトポシド+アドリアマイシン+シスプラチン、シスプラチン+イリノテカンなどをあげることができます。
(2) 再発を予防する化学療法(補助化学療法)
手術で切除できたと思われる場合でも目に見えないがんが残っていてあとで育ってくるのが再発です。これを予防する目的で行われるのが補助化学療法です。手術のすぐあとですし、治ってしまっている可能性もありますから、あまり副作用の強い薬は使えません。普通、飲み薬の抗がん剤が用いられます。
補助化学療法が本当に再発を減らす効果があるのかどうか、これまで十分な証拠がありませんでしたが、日本全国の100余りの病院が協力して行った臨床試験で、病期IIとIIIの胃がん手術後にTS-1という経口抗がん剤を1年間服用すると再発が減るという結果が出ました。今後は、これが標準的な治療として行われるようになると考えられます。
(3) 手術の前に行う化学療法(術前化学療法)手術で切除できると思われるがんでも、まず抗がん剤で小さくしておいてから手術するほうが、より確実に切除できるかもしれません。あるいは、そのままでは切除できないかもしれないがんも、抗がん剤で小さくなれば切除できるかもしれません。これをめざして行うのが術前化学療法です。
術前化学療法がまったく効果がなかった場合、単に手術が遅れるだけでなく副作用で手術の条件が悪くなることさえありえます。したがって術前化学療法を行うかどうかは、科学的根拠にもとづいて慎重に決定する必要があります。
           part9_1_2.jpg

食道がんの進行と転移の検査

超音波検査でがんの深さを調べる
食道の粘膜にできたがんが、どの程度の深さまで進んでいるのかを調べるためには、超音波検査を行っていきます。がんの表面だけを見ても、がんの進行具合は分からないため、超音波を使用します。
内視鏡の先端から超音波を発信して、その超音波の反射の状態を調べて、がんの深さを把握することができます。
リンパ節転移を調べるCT、MRI検査
がんが食道の壁から、まわりのリンパ節や臓器に転移しているかを調べるには、CT、MRI検査をおこないます。
最新の検査方法として注目されているのが、超音波内視鏡下穿刺吸引法(EUS-FNAB)です。内視鏡の先端から超音波を発信して、がんの場所を確認しながら、リンパ節に針を刺して、組織を採取していくという方法です。
従来の超音波内視鏡検査では、がんの進行度などから、リンパ節転移の予測をしていましたが、EUS-FNAB法では、組織を直接調べられるようになったので、正確な診断が可能になりました。
精度の高い診断ができるのがメリットですが、実施には医師の高い技術が必要なことや、検査ができる医療機関がまだまだ少ないことなどが課題となっています。
がんの悪性度を調べるPET検査
PET検査は、一度の検査で全身への転移の有無を調べることができる方法です。従来の方法では、肺、気管支など、食道から転移しやすい部位を1つずつ検査していました。
PETでは、放射線を放出するブドウ糖を静脈に注射したあと、からだから放出される放射線を画像に映していきます。がん細胞は、ふつうの細胞よりも分裂が早く、ブドウ糖を多く取り込むという性質があります。このため、放射線が多く放出された箇所は、がんである可能性も高くなります。
CTもPETも、患者さんはあお向けに寝て、機器の中を通るだけです。検査による痛みや副作用の心配は全くありません。
          img06.jpg

肺がん 鎮痛薬

徐放剤というのは、文字通り飲み込んだ後に有効成分が徐々に出てくる薬です。
血圧の薬などにも使われています。
モルヒネは、以前は1回注射すると効果の持続時間が4時間でしたから、1日に4~6回注射しなければなりませんでした。経口薬もありましたが、これも4時間おきに飲まなければなりません。
これに対して、MSコンチンは、効果が12時間持続しますから、1日に2回飲むだけでよく、夜もぐっすり眠れます。
MSコンチンは、消化管の中で水分を吸収すると、錠剤の中で硫酸モルヒネが溶け、徐々に錠剤の外に放出される仕組みになっています。
モルヒネの量には個人差があります。MSコンチン2錠程度で痛みがとれる人もいれば、15錠で痛みがとれる人もいます。
薬の量が多いから病気が重いということではなく、薬の効き具合には個人差があるということを勘違いしないでください。
薬の量が多くても、痛みを取り除くのに適度な量であれば、副作用は特に大きくなるということでもありませんので、心配はいりません。
鎮痛剤とは別のものになりますが、「神経ブロック」という方法も痛みを取り除く方法として知られています。これは、釘を刺して神経の知覚を麻酔を注入することで、痛みを感じなくするものです。
痛みが部分的に感じられる場合には有効ですが、副作用として皮膚感覚の下に痛みを訴える人もいるので、逆にこれがさらなる苦痛となる可能性もあります。
           image026.jpg

水腎症と腎不全

前立腺がんが再燃した場合、がんが直接膀胱に浸潤し、尿管から膀胱の出口(尿管口)の部分で尿が通過しにくくなることがあります。
尿管の横のリンパ節が大きくなって尿管を圧迫し、尿の通過障害を引き起こします。
尿管の両側が圧迫されると腎不全に発展する可能性もあるので注意が必要です。
腎臓から尿を膀胱に送り出せないことから、腎臓の機能が低下するのが腎不全です。
これを改善するために、尿道以外の別のルートを人工的に作ることで、尿の通路を確保する治療が行われます。
この尿の圧迫に対しては、2種類の治療法があります。
まず、尿管の中に細いチューブ(ステント)を入れる方法です。
これがうまく機能すると、体の外にチューブが出ないので、便利なのですが、たまに詰まってしまうことと、交換が大変だというデメリットもあります。
もうひとつは、超音波検査やX線造影検査を併用して、背中から直接腎臓に細いチューブを入れる(腎ろう)という方法があります。
背中からチューブが出るので、やや不自然で不快感もありますが、交換も簡単で詰まりにくく、ステントよりも楽です。
         268.jpg

胃がん治療の最高の名医

笹子三津留
国立がんセンター中央病院
第一領域外来部長 1976年東京大学医学部医学科卒。オランダ・ライデン大学外科教授等を経て現職。
数多くの症例をこなしており、確実な胃がん手術が出来る外科医と評判です。胃がんの手術数は日本でトップ、多岐な治療法と安定した技術で合併症にも対応しています。
佐野武
国立がんセンター中央病院
外科医長 1980年東京大学医学部卒。パリ市キュリー研究所フェロー等を経て現職。
確実で安定感のある手術が出来る外科医と言われています。患者に対する面倒見がよく、温かみのある胃がんの治療が受けられると評判です。
愛甲孝
鹿児島大学病院
腫瘍制御学・消化器外科学教授 1969年九州大学医学部卒。米国コーネル大学医学部留学等を経て現職。
センチネルリンパ節理論に基づく研究と臨床を行っており、これまでに約200例の早期胃がんに対して臨床応用し、きわめて良好な結果を得ています。
大谷吉秀
慶応義塾大学病院
一般・消化器外科専任講師 1981年慶應義塾大学医学部卒。浦和市立病院等を経て1999年より現職。
慶応義塾大学病院では、内視鏡専門医はもちろんのこと、放射線科診断医、化学療法や放射線治療を専門とする医師がそれぞれの分野で活躍しています。
梨本篤
新潟県立がんセンター新潟病院
外科部長 1975年新潟大学医学部卒。米国留学等を経て2004年より現職。
完全な臓器別診療体制を取っており、疾患ごとに必ず専門医が主治医となり、常に同じ熟練医チームが手術・治療を担当しています。
二宮基樹
広島市立広島市民病院
外科主任部長 1977年岡山大学医学部卒。同第一外科等を経て、2002年より現職。
早期胃がんに対し全国に先駆けて胃がん機能温存手術を行ってきました。手術のみでは対応できない高度進行、再発胃がんに対しては、外来中心の化学療法を行っています。
濱中久尚
東山会調布東山病院
消化器内科 1998年和歌山県立医科大学医学部卒。国立がんセンター中央病院等を経て現職。
内視鏡医と連携し、診断から治療までチーム医療を行っています。常勤外科医のレベルも高く、避けようが無い合併症が起こっても、早急に対応できる環境にあります。
平塚正弘
市立伊丹病院
副院長 1976年川崎医科大学卒。大阪府立成人病センター外科等を経て現職。
胃がん手術のスペシャリストで、胃がんに関する手術は縮小手術から超拡大手術まで、どのような手術も平塚医師が行うことが出来ます。
山村義孝
愛知県がんセンター中央病院
消化器外科部部長 1969年名古屋大学医学部卒。名古屋大学医学部第二外科等を経て現職。
進行した胃がんの転移や再発で最も多い「腹膜転移」の治療で定評があり、腹膜転移の初期診断とその後の抗がん剤治療で腹膜転移の治癒を目指しています。
      zu_03_02.gif

乳がんの再発と転移

□ 乳がんの転移
乳がんは、非浸潤がんから浸潤がんになったらがん細胞が血液やリンパ管に入り、転移を起こしてしまう危険性が高いです。
乳房から離れた肺や骨などに転移するのを遠隔転移と言います。そしてこのように転移する乳がんを転移性乳がんと言います。
遠隔転移のルートは、がん細胞が血液の流れにのって運ばれる血行性転移と、リンパの流れにのって肺など他の臓器へと運ばれるリンパ行性転移があります。血行性転移は早い段階でも起こる危険性があります。
リンパ節への転移で最も多いところはわきの下にある腋窩リンパ節と、胸骨のわきにある胸骨傍(きょうこつぼう)リンパ節が転移しやすいです。
臓器へは、肺や胸膜に転移しやすく、肝臓や骨、脳などにも転移します。
普通のガンと比べ、乳がんは進行具合と関係なく転移してしまう可能性が高いです。
遠隔転移の治療はおもに薬物療法を行いますが、まれに手術を行うことがあります。
□ 乳がんの再発
手術をして切除した部分に再発することを局所再発と言います。
再発する理由は、手術時のがん細胞の取り残しや、手術時には目で見えないほどの小さながんが育つなどの理由があります。原因により治療方針が変わってきます。
局所再発自体は、生命に影響を及ぼしにくいと考えられています。
局所再発は再手術をしたり、投薬、放射線治療で治る場合があります。
放射線療法は以前に受けたことがなければできますが、受けたことがあると行うことができません。
皮膚やリンパ節、胸壁などに乳がんが再発したときは、手術での取り残しというより、全身に広がった微細な
がん細胞が転移して増殖した可能性が高く、その場合はおもに薬物療法を行います。
わきの下のリンパ節へ再発した場合は遠隔転移がない時は郭清をすることもあります。
再発した乳がん細胞が深くにまで広がっている局所進行乳がんの場合はすぐに手術ができない時があります。
         000188870.jpg

腎臓の病気:急性腎不全

狭心症などの心臓病の診断や治療時によく行われる造影検査の際、もともと腎機能が低下している患者さんや、高齢者、糖尿病の患者さんなどではこの造影剤が尿細管の細胞を傷害し、一時的に急性腎不全の状態になることがあります。
主に糸球体が急激に傷害される病気として急性糸球体腎炎や溶血性尿毒症症候群などがあり、やはり急性腎不全の原因となります。
見過ごされやすい原因として、抗生物質や鎮痛剤など、様々な薬剤に対するアレルギーが腎臓に起こる薬剤性急性腎不全の場合があります。
アレルギー反応は主にネフロンや血管の間を埋めている間質という部分に起こることが多く、急性間質性腎炎と呼びます。
直接ネフロンの働き、すなわち尿を作るのに影響は無いように思われますが、間質に炎症に伴う無数の細胞が集まると、ネフロンや血管が圧迫され、尿を作ることが出来なくなり、急性腎不全の原因となります。
血尿や蛋白尿の出ることも少なく、余程尿の量が減少して、強い浮腫でも現れなければ、体がだるい程度の症状で見過ごされることも多いのです。
          img28.jpg