肺がんの化学療法

肺がんは、小細胞がん、非小細胞がん(にわけられ、小細胞癌は転移が早く、発見段階で目に見えなくても、他の部位に転移している可能性が高いため、摘出手術は行わず、抗がん剤の治療対象となります。
 対して、非小細胞がんは、摘出手術、化学療法の両方をがんの進行状況に応じて視野に入れます。
 小細胞がんは、呼吸器系のがんで唯一、抗がん剤に対して高い奏効率(効き目)を示します。また、小細胞がんに比して、非小細胞がんへの抗がん剤の奏効率は低いです。
 抗がん剤の種類はたくさんありますが、肺がんの場合、基本はプラチナ誘導体+その他(イリノテカンなど)の抗がん剤の二剤投与が基本です。プラチナ誘導体には、シスプラチン、カルボプラチンがあり、腎機能のいい人は前者を、悪い人は後者を選択します。
 抗がん剤の副作用としては、嘔吐、骨髄抑制、脱毛、二次発がん(抗がん剤そのものが、がんのもとになり、がんが起こる。)、粘膜症状、消化器症状などがほとんどの抗がん剤で共通に起こります。また、プラチナ誘導体では、これ以外に腎機能の障害が起こります。
  
 副作用が現れる時期は一般的に白血球の数の減少はやや早く、脱毛は中間、二次発がんは遅く、消化器毒性は、早く、腎機能障害は中間で起こってきます。