胃がん 切除後食事:胃切除の後遺症

開腹手術によって胃を切除した後は、いろいろな後遺症があらわれることがあります。この後遺症を「胃切除後症候群」と呼びます。必ず起こるというわけではないのですが、切除した範囲が広ければ広いほど、発生する確率も高くなります。
手術後の後遺症一覧
ダンピング症候群ダンピングとは「墜落」という意味で、食べ物が腸に墜落して急に流れ込む様子を表しています。もっとも多くみられる後遺症です。
次のような多くの不快な症状があらわれます。
冷や汗が出る
脈拍が速くなる
動悸がする
倦怠感が出る
頭痛、めまいが出る
まれに意識障害が起こる
貧血
胃の切除により、鉄分とビタミンの吸収が障害されて、欠乏することが原因で起こります。不足している分を補うことが必要です。
骨粗鬆症
胃の切除でカルシウムの吸収が悪くなり、骨がもろくなります。カルシウムやビタミンDを投与して対処していきます。
腹壁瘢痕ヘルニア
腹壁の筋肉が閉じずに、皮膚の下に腸が飛び出している状態です。
流性食道炎
胃の手術後には、胸焼けを起こすことがあります。粘膜保護剤や酵素阻害薬などを使用していきます。
胆石
手術後は胆のうの収縮が悪くなって、胆石ができやすくなることがあります。胆嚢炎で症状が強くなったときは手術が必要になります。
胃を切除した後は、必ずといってよいほど体重が減少します。食べられる量が少なくなるのに加えて、吸収効率が悪くなるためです。
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体重が減って動揺することもありますが、体力はあまり変わりません

肺がん 温熱療法

がん細胞が正常細胞に比べ熱に弱く、その特徴を利用してがん細胞にダメージを与える治療法を温熱療法と言います。
がん細胞は、正常細胞に比べて熱に弱く、42.5度から43度以上になると、生存率が著しく低下し、これよりも高温になるほど、また加熱する時間が長いほど、より多くのがん細胞が死滅します。
正常細胞は、生き残れる温度ですから、その差を利用するわけです。
温熱療法は大きく分けて、全身温熱療法と局所温熱療法とがあります。臨床では主に局所温熱療法が行われます。加熱方法により、外部加熱、組織内過熱、腔内加熱に分類され、マイクロ波やラジオ波誘導加熱装置などが用いられます。
副作用には、加熱した部位のやけど、痛みがあり、体の深部を治療するのに適した高周波の加熱装置を使用した場合、体温上昇といった全身の症状が出ることがあります。
温熱療法だけでは効果が十分にえられないため、化学療法や放射線療法と併用して用いられることがあります。
放射線は、温度の上昇に伴い、感受性が増大することが報告されており、温熱療法と放射線療法の併用治療の研究が行われています。
ほかのがんでは効果が認められていますが、肺がんなどの深部腫瘍では、温熱療法と放射線療法の併用治療の有効性はまだ認められていません。また、化学療法との併用についても、その有効性は証明されていません。
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