肺がんの特徴と発生原因

肺がんの統計
 肺がん患者数は著しく増加しています。
 日本人男性のがんによる死因の第一位は長らく胃がんでしたが、1993年に肺がんの死亡数が胃がんの死亡数を抜き第一位となりました。女性の場合は胃がん、大腸がんに続いて第3位になっています肺がん (肺癌)死亡数は増加の一途を辿っており、年間死亡者数は5万人を超えています。
 欧米先進国と比べて禁煙対策が遅れている日本では、今後も肺がんの死亡者数がますます高くなっていくことが予想されます。
       肺がんの治療成績が芳しくない理由
 死亡者数が多いのは、患者数が増えていることも一因ですが、それ以上に治療が難しい(難治がん)であることが大きな理由になっています。
     治療成績が良くない理由としては
 肺がんは自覚症状に乏しいため、早期発見が難しい
 肺がんは進行が早い
 肺がんは有効な治療法が限られている
などが挙げられます。
 肺がんになる人は年々増え続けていますが主な原因としては、喫煙になります。本人がタバコを吸わなくても周りの方が吸っているためにおこる受動喫煙も大きなリスク要因となります。
 肺がんの種類(組織分類)肺がんは小細胞肺がんと非小細胞肺がんに大きく分類される
 肺がんは、がん組織で分類すると非小細胞肺がんと小細胞肺がんの2種類に大きく分けられ、組織型の違いにより治療方法も異なってきます。発生頻度が高いのは非小細胞肺がんで、肺がん全体の80%以上を占めます。
 非小細胞がんは「肺腺がん」「肺の扁平上皮がん」「大細胞肺がん」などの組織型に分類されます。
 非小細胞肺がんはごく早期に発見して手術すれば治癒する可能性はありますが、手術後再発・転移した場合や、手術が出来なかった場合には、抗がん剤や放射線治療は効きにくい性質を持っているため一般には治すことは難しくなります。
 これに対して、「小細胞肺がん」は、小さな細胞が密集して燕麦のように見えるため燕麦細胞がんとも呼ばれています。
 非常に進行が早く脳やリンパ節、肝臓、副腎、骨などに早い段階で転移し手術ができないことがほとんどです。また、手術をしても再発率は高くなります。小細胞肺がんは肺がん全体の15%~20%程度を占め、患者さんのほとんどは喫煙者です。
 抗がん剤や放射線治療は非小細胞肺がんに比べて効きやすいのですが、一時的に進行を抑えるのがやっとで、再発・転移しやすく予後は悪いです。