大腸ポリープ:治療の方法

腫瘍性ポリープである腺腫は、前がん病変と考えられるので、内視鏡を使って切除します。
有茎性(粘膜面から茎をもって発育している形態)であれば内視鏡的ポリペクトミー(ポリープ切除術)、無茎性であれば内視鏡的粘膜切除術(EMR、コラム)が行われます。
これらの方法によってポリープ全体を組織学的に検査することが可能になり、診断と治療の両方を兼ねることができます。
腺腫のなかでも、カーペット状の形態をした大きな無茎隆起は結節集簇様病変と呼ばれ、分割切除によるEMRが行われます。
このような大きな病変を一括して切除するために、内視鏡的粘膜下層剥離(はくり)術(ESD、コラム)や、腹腔鏡を用いた手術が行われることもあります。
 近年、ポリープと形が異なり、平坦なあるいは、わずかに陥凹した腺腫が数多く発見されています。
この病変はEMRによって治療されますが、ポリープの形をした腺腫よりも一般的に悪性度が高いため、これを見落とさないように注意することが大切です。
 非腫瘍性ポリープは通常がん化することはないので、積極的に切除する必要はありません。しかし、有茎性で大きなポリープは出血や腸重積を起こす可能性があるので、内視鏡的ポリペクトミーを行います。
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大腸ポリープ:検査と診断

検診の目的で受けた便潜血テストが陽性の患者に対しては、大腸内視鏡検査または注腸造影X線検査が行われます。
どちらの方法でも診断は可能ですが、最近は、ポリープ発見時ただちに組織検査(鉗子(かんし)を使った生検法あるいは高周波発生装置を使ったポリープ切除術・粘膜切除術)が可能である大腸内視鏡検査のほうが優先される傾向にあります。
 ポリープの性状診断は、顕微鏡を使った病理組織学的検査で確定されます。最近では、鉗子生検診断を待つまでもなく、70倍の拡大機能をもつ内視鏡(拡大内視鏡検査)や、特定波長の光で観察する内視鏡(NBI内視鏡検査)によって、ポリープ表面の細かい模様を観察するだけで即座に性状診断が行えるようになってきました。
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大腸ポリープ:症状の現れ方

小さなポリープは無症状のものがほとんどですが、ポリープが大きくなると血便が起こります。
ポリープの大きさや存在部位によって、便に鮮血が付着する場合と、肉眼的には異常を認めず、
便潜血テスト陽性で初めて血便に気づく場合があります。とくに、非腫瘍性の若年性ポリープは出血しやすいのが特徴です。
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大腸ポリープ:原因

がんと同様、腺腫は生活習慣などの環境要因と遺伝要因が絡み合って起こると考えられています。
 
前者では食事が最も重要であり、高脂肪・低繊維食が危険因子とされています。
高脂肪食によって腸内の発がん物質が増加する一方で、繊維成分を抑えた食事は糞便の排出を遅らせ、その結果、発がん物質が腸内に長時間たまり、大腸腺腫やがんが発生しやすくなると考えられています。
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子宮がん治療・手術:3期・4期

子宮頸がんの3期の治癒率は約36.7%、4期の治癒率は約14.8%といわれています。
3期や4期では放射線療法、化学療法、免疫療法などがあり、放射線療法がまず第一選択として行われます。
この放射線療法では遠隔からの外照射と膣からの膣内照射を組み合わせながら治療を行います。
また、治癒力を高めるために化学療法や免疫療法なども行われることがあります。
子宮頸がんの放射線療法による後遺症など治療中に出る合併症としては、皮膚炎、食欲不振、下痢、嘔吐などです。嘔吐や悪心といった放射線宿酔は治療後1週間後ぐらいで治まるといわれています。
そして放射線療法による治療後の合併症には、放射線膀胱炎、放射線腸炎などによる頻尿、血尿、下痢、血便などがあります。このような合併症は治療後2~3週間後などにあらわれやすいですが、通常は治まります。
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子宮がん治療・手術:2期

子宮頸がんの2期の治癒率は約60.3%といわれています。
2期では広汎子宮全摘出術や骨盤リンパ節郭清術などが主に行われます。広汎子宮全摘出術では子宮だけではなく子宮、卵巣、卵管、子宮を支えている靭帯などの周辺組織、膣、卵巣などを摘出します。
骨盤リンパ節郭清術ではリンパ節をきれいに切除します。
広汎子宮全摘出術の手術による影響広汎子宮全摘出術では、切除する範囲が広く、骨盤神経が切断されるため、合併症が起こる可能性が高くなります。
合併症には排尿困難などの膀胱機能障害や、直腸麻痺(便秘)、足のむくみ、膣の短小化による性交障害や内分泌障害などがあります。
膀胱機能障害や便秘などは骨盤神経叢を手術で傷つくことが原因であり、足のむくみなどはリンパ節郭清術でリンパの流れが悪くなることで、リンパ浮腫といわれるむくみが起こりやすくなります。
内分泌障害は卵巣摘出による影響で起こります。
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子宮がん治療・手術:1b期

子宮頸がんの1b期の治癒率は約76.6%といわれています。
1b期では広汎子宮全摘出術や骨盤リンパ節郭清術などが主に行われます。広汎子宮全摘出術では子宮だけではなく子宮、卵巣、卵管、子宮を支えている靭帯などを骨盤壁近くまで摘出し、膣の一部も摘出します。
骨盤リンパ節郭清術ではリンパ節をきれいに切除します。
広汎子宮全摘出術の手術による影響広汎子宮全摘出術では、切除する範囲が広くなるため、合併症が起こる可能性があります。合併症には排尿困難などの膀胱機能障害や便秘、足のむくみなどがあります。
膀胱機能障害や便秘などは骨盤神経叢を手術で傷つくことが原因であり、足のむくみなどはリンパ節郭清術でリンパの流れが悪くなることで、リンパ浮腫といわれるむくみが起こりやすくなります。
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子宮がん治療・手術:1a期

子宮頸がんの1a期の治癒率は約92.5%といわれています。
治療方法は手術が基本で円錐切除術や単純子宮全摘出術、準広汎子宮全摘出術などが行われます。また、1a期の場合はレーザを照射してがん細胞を死滅させる光線力学療法などもあります。
1a期と単純子宮全摘出術について単純子宮全摘出術とは子宮だけを切除する方法で、1a期で子宮頸がんで妊娠を望んでいない方などに行われます。
単純子宮全摘出術には腹式と膣式があり、腹式はおなかを切りますが、膣式では膣から行う手術です。患者さんの負担としては膣式の方が負担が軽い上に、腹膜炎や腸閉塞などの合併症の可能性も低いです。
1a期の子宮頸がんの場合はリンパ節転移の可能性も低いため、単純子宮全摘出術によって終わります。
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子宮がん治療・手術:0期

子宮頸がんの0期の治療の場合は、5年生存率はほぼ100%といわれています。
治療方法は手術が基本で円錐切除術や単純子宮全摘出術が行われます。また、0期の場合はレーザを照射してがん細胞を死滅させる光線力学療法などもあります。
O期の子宮頸がんと円錐切除術
円錐切除術は主に0期の患者さんが対象で、子宮頸部を膣の方からくりぬく手術法で、高周波電流を流すことで患部を切除します。
がんが子宮頸部にとどまっているときに可能な手術法ですが、術後に妊娠・出産できる可能性がありますし、入院期間や手術時間が短いという、患者さんの負担が軽くなる特徴があります。
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