膣とは

膣とは、外陰部と肛門の間から子宮頸部までの、粘膜でおおわれた筋肉性の管のことです。月経血の流出や性交、胎児娩出の通路としての機能を果たす器官で、入り口の固く突き出た部分を子宮膣部といいます。
膣の中で主にみられる病気に膣炎がありますが、膣炎とは膣の中に細菌が侵入することで膣内が炎症を起こしてしまう症状のことです。
膣には膣内を強い酸性に保って病原体の侵入・増殖を防ぐ自浄作用という大切な機能がありますが、この自浄作用を上回る強さの細菌が膣内に入り込んでしまうと、炎症を起こしてしまうのです。
ひどい時には子宮内膜炎や外陰炎を引き起こすことにもなりますが、通常は抗生物質の膣座薬を使用することで完治します。

子宮内膜とは

子宮のなかで最も内側の子宮腔に面している部分を子宮内膜といいます。子宮内膜では、女性ホルモンの作用で、周期的に1cmほどに厚く軟らかくなり、妊娠に備えます。そこで受精されなければ、子宮内膜は剥がれ落ち血液と一緒に体外に排出されます。これが月経です。
この子宮内膜が、なぜか子宮の内側以外にでき、そこでも生理のたびに出血と癒着を繰り返すことがあります。ところが、子宮以外の場所には膣のような出口がないので、病巣を作り出したり癒着がひどくなったりします。
これが子宮内膜症で、近年この病気に悩む女性が増えています。子宮内膜症は生理が止まらない限り、完治しない病気ですので、早期発見・早期治療が大切になります。

卵巣とは

卵巣とは、親指程度の大きさで、卵巣固有靭帯で子宮と結びついており、左右に2個あって、それぞれ卵管の下に垂れ下がっています。卵巣には女性にとって大切な働きがあり、女性の一生に深くかかわる臓器です。
女性は生まれた時から卵巣の中に、原始卵胞と呼ばれる、赤ちゃんの卵のもとになる細胞を数百万個も持っていて、これが周期的に成熟して放出されるのです。これを排卵といいますが、2ヶ月に1度どちらか一方から交代で排卵されます。
これが女性特有の月経です。卵巣からは、卵胞ホルモンと黄体ホルモンという2つの女性ホルモンが分泌され、定期的に生理を起こし妊娠を成立させる役目や、女性の体を女性らしくするという働きがあります。

卵管とは

卵管とは、子宮と卵巣を結ぶ約10cmほどの管状の臓器のことで先端にあるラッパ状の部分は卵管采部といいます。細いところでは内径が約1mmしかありません。射精された精子は、卵管膨大部といわれる卵管の1番広い部分まで、移動してそこで卵子と受精します。
受精が成立すると、今度は受精卵が卵管内を戻る形となります。ゆっくりと分裂を繰り返しながら、子宮腔までたどり着くといよいよ着床が始まりますが、この受精卵が子宮までに到達せず卵管内で細胞分裂を始めてしまうと、子宮外妊娠となります。また、卵管内に精子や受精卵がうまく移動できないと妊娠しにくくなり、不妊症と診断されますが、主な原因はクラミジアや淋病などの性感染症が挙げられます。

子宮の構造

厚い筋肉の壁でできた袋状の構造をしている子宮は、妊娠していない時の大きさが縦約7cm・横約4cm・重さ約50gの洋ナシのようなかたちをした器官です。子宮の上2/3の部分を子宮体部、膣につながっている下1/3の部分を子宮頸部と呼びます。子宮は外側を漿膜(しょうまく)と呼ばれる薄い膜で覆われ、その内側に平滑筋でできた子宮筋層があります。
また、子宮筋は、とても丈夫で伸びやすく、妊娠すると胎児が成長するにしたがって、どんどん伸びていきます。さらに胎盤を形成して胎児の成長に必要な栄養を供給します。子宮内の最内層は、子宮内膜といわれる粘膜層で卵巣が分泌するホルモンの影響を特に強く受ける部位だといわれています。