胃の薬

胃の痛みを抑えるには、胃酸の過剰な分泌を抑えることが必要となります。
市販されている胃薬で、胃酸の分泌を抑えるものには、2つあります。
1つは、制酸薬といって、胃酸を中和されるはたらきがあります。
制酸薬の効果はそれほど強くありませんが、副作用もほとんどありません。
2つめは、H2ブロッカー胃腸薬です。テレビコマーシャルなどで、耳にしたことがあるこもしれませんが、このH2ブロッカー胃腸薬は、胃酸を分泌する命令系統を妨げて、胃酸が分泌されるのを強力に抑える薬です。
従来は医療機関で処方されていましたが、最近は、市販の胃腸薬としても販売されるようになりました。
胃の痛みの軽いときは、制酸薬でもよいのですが、症状が強いときは、H2ブロッカー胃腸薬をのむようにします。
ただし、H2ブロッカー胃腸薬は、効き目が強力なだけに、副作用には注意が必要です。
購入の際には、薬剤師のかたとよく相談するようにします。H2ブロッカー胃腸薬を使っても、症状がとまらない、あるいは、また繰り返すといった場合は、医療機関を受診するようにします。

胃もたれ

胃もたれや吐き気は、日常的に多くの人が経験する胃腸の症状です。
お酒を飲んだ翌日や、疲れやストレスがたまっているときなどに、おこります。
まず、胃がどのような働きをしているかというと、胃液を分泌する、胃液と食べ物を混ぜ合わせ消化するなどいろいろな働きがあります。
この胃の働きが低下して、胃もたれや吐き気など胃の不快感の原因となります。
この場合は、生活習慣を見直し、胃に負担のかからない生活を心がけるようにします。

胃酸過多

胃酸過多は、胃液の分泌が多すぎることでおこります。
胃酸過多は、胃腸の病気というより、ある種の症状ととらえています。
胃酸過多は、食べすぎや睡眠不足、過労など胃の負担をあたえることでおこります。
慢性胃炎、食道裂孔ヘルニア、胃・十二指腸潰瘍などの胃腸の病気も原因となります。
胃酸過多の症状は、胸やけ、げっぷ、胃もたれ、胃の痛みなど酸の多い症状がみられます。

過敏性腸症候群

過敏性腸症候群の症状は、便秘や下痢を数カ月以上の期間にわたって繰り返している人で、便秘や下痢に際して腹痛や腹部不快感があり、排便があると症状が落ち着く時、そして、腸の検査や血液検査で便秘や下痢の原因になりそうな異常所見がみつからないものをいいます。
一般的な検査で、腹痛や便秘、下痢の原因となるような病変あるいは血液検査の異常を確認できず、ストレスで悪化することがあることから、ストレスが大きな影響を及ぼしていると考えられます。

胃炎

一般に、胃炎は慢性胃炎を指します。
胃炎は、40歳以上に多く見られる胃腸の病気です。
胃炎は、胃粘膜の表面に炎症が起こる「表層性胃炎」、胃粘膜が萎縮して薄くなった「萎縮性胃炎」、萎縮した胃粘膜の一部が盛り上がる「肥厚性胃炎」の3種類に分けられます。
胃炎の特徴的な症状は少なく、みぞおちの痛み、食欲不振、食後の膨満感、胸やけ、げっぷ、悪心、嘔吐などが多年にわたって持続しますが、症状がまったく出ず、胃の検診などで発見されることもあります。

胃下垂

胃下垂とは、胃全体が正常な位置より下のほうにある事をいいます。
胃がもともとある位置の下まで垂れ下がり、ひどい時はへそのあたりまで落ち込むこともあります。
胃アトニーは、胃下垂が原因で胃の筋肉がたるみ、胃の動きが悪くなることです。胃下垂は、症状がなければ特に問題ありません。
胃下垂に胃炎や胃アトニーなどが加わると、胃もたれや膨満感などの不快な症状を起こしやすくなります。胃下垂には、細く痩せた体質の人に人が多くいます。
また、いつも胸部と上腹部を圧迫している人、太っていたがある原因で急に痩せた人、過度に発育した女性なども、胃下垂になりやすいといわれています。

胃ポリープ

胃ポリープには、特有の自覚症状はありません。
ほとんど無症状で、検診や人間ドックのエックス線や内視鏡の検査で偶然に発見されます。
大きくなった過形成性ポリープは、まれに消化管出血の原因になります。
胃底腺ポリープは、萎縮の少ない胃酸分泌が盛んな胃粘膜に多く発生することから、上腹部痛、胸やけ、しゃっくりなど過酸症状がおきることがあります。

胃潰瘍

胃潰瘍の症状は、上腹部の痛みと吐血・下血に注意みずおちを中心とした上腹部に、痛みが起こります。
胃潰瘍の痛みの程度は人のよって違います。強くさしこむような痛みを感じる人もいれば、おなかが張ったような痛み(膨満感)の場合のあります。
痛みは食事と関係があり、胃潰瘍の場合は、空腹時か食後30分ほどしてから、十二指腸潰瘍の場合は、空腹時か食後2~3時間後、あるいは夜間に痛みが出ます。特に十二指腸潰瘍では、空腹時や夜間に痛む場合が多いです。
こうした痛みは、食事をするといったんおさまります。胃潰瘍の原因は、胃酸の消化作用によって、自分の粘膜が攻撃されるためにおこります。
胃粘膜を守る働き(表面上皮と粘液)と胃粘膜を攻撃する力(胃液中の胃酸やペプシン)のバランスがくずれ、攻撃側が優位になった状態によるものです。
また、胃潰瘍の70~90%でヘリコバクター・ピロリ菌が発見されています。

食道裂孔ヘルニアと逆流性食道炎

横隔膜は食道裂孔の部分で食道を締めつけ、胃の内容物が食道に逆流するのを防ぐ働きを持っています。しかし、食道裂孔ヘルニアになると横隔膜による締めつけができにくくなり、逆流が起こりやすくなって逆流性食道炎が起こりやすくなります。軽い食道裂孔ヘルニアで症状がなければ、とくに治療を行う必要はありません。食道裂孔ヘルニアによって食道炎を起こし、胸やけなどの症状がある場合には、胃酸を抑える薬などで治療します。薬物療法の効果がない時や、ヘルニアの程度がひどい場合には、手術を行うこともあります。

食道裂孔ヘルニアの原因

食道裂孔ヘルニアは、肥満、喘息、慢性気管支炎などでおなかの圧力が高い状態にあることが原因で起こります。その他にも、加齢によって食道裂孔がゆるくなったり、背骨が曲がったりしている場合にも、起こりやすいといわれます。生まれつき食道裂孔がゆるく、食道裂孔ヘルニアを起こしやすい方もいます。

食道裂孔ヘルニアのタイプ

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食道裂孔ヘルニアとは

私たちの体の胸部と腹部の間には横隔膜という筋肉でできた膜がありますが、この横隔膜には、食道や大動脈、大静脈が通るための穴が開いています。このうち、食道が通っている穴を食道裂孔といいますが、胃の一部がこの食道裂孔から上の胸部に脱出してしまっている病気を食道裂孔ヘルニアといいます。食道裂孔ヘルニアには、食道と胃のつなぎ目(噴門部)が胸部に出ているタイプ、胃の一部が出ているタイプ、この2種類が混合したタイプがあります。

乳がんの病期(ステージ)別治療

乳がんの標準治療は病期(ステージ)によって異なります。また同じ病期でもがんの広がりや性質によって治療法が違う場合がありますから、担当医に十分な説明を受けてください。
0期
乳房切除術、または乳房部分切除術と放射線照射を行います。術後に温存乳房、あるいは反対側の乳房での再発を予防するためにホルモン療法を行うこともあります。
I期~IIIa期
手術が可能な乳がんです。しこりの大きさによって術式(部分切除術、または両胸筋温存乳房切除術)が選択されます。手術の後、手術で切除した標本を顕微鏡で検索します(病理組織学的検査)。病理組織学的検査によって、がんの大きさ、わきの下のリンパ節転移の数、組織学的異型度(細胞分裂の数やがん細胞の形態によって決められる悪性度の指標。「組織学的グレード」とも呼ばれます)、ホルモン受容体の有無などを調べ再発の危険性を評価します。そして再発の危険性が高いと判断された場合、その再発の危険性の大きさ、年齢や月経の状況、ホルモン受容体の有無に応じて、術後に再発を予防する目的の薬物療法(術後薬物療法)を行います。またがんの広がりや選択した術式に応じて術後に放射線療法が勧められる場合もあります(術後放射線療法)。
IIIa期の場合、またはII期でもしこりが大きい場合には先に抗がん剤治療を行い、手術をその後に行うことがあります。これを「術前化学療法」といいます。術前化学療法には、乳房のしこりの縮み方によって抗がん剤の治療効果がわかる、またうまく小さくなれば乳房の形を残す手術(乳房温存手術)が行える可能性が出てくる、という利点があります。手術と抗がん剤治療のどちらを先に行っても、その順番は再発のしやすさに影響を与えないということがわかっています。
IIIb、IIIc期
原則として手術ができない乳がんです。薬物療法、放射線療法を行ってしこりが小さくなり、手術が可能になれば手術を行う場合もありますが、この病期における手術の意義はまだはっきりしていません。薬物療法を行う前に乳房のしこりに対してがん組織の性格を調べるための「生検」(しこりの一部分、またはしこり全体を採取し、病理組織学的検査を行うこと)を行います。病理組織学的検査の結果に基づいて使用する薬を選択することもあります。
IV期
乳房のしこりか転移病巣の生検を行います。この病期は全身にがんが広がっている状態なので、手術によって乳房をとることには意味がありません。再発した乳がんと同様に、病理組織学的検査に基づいて薬の治療すなわち全身治療を行い、がんの進行を抑え、がんによる症状を抑えます。骨転移や脳転移などによる部分的な症状を和らげるため、放射線照射や手術が行われることがあります。
再発乳がん
乳がんの手術をした場所やその近くだけに再発した場合(局所再発)には、その部分だけを手術で切除したり、放射線治療を行ったりすることもあります。
遠隔転移が認められた場合には、がんは全身に広がっているので、原則として全身治療すなわち薬物療法を行い、全身に散らばったがんがふえるのを抑える必要があります。薬の治療は、がんの広がりや乳がんの性質に応じて選択されます。がんが遠隔転移をきたしている場合には病気を完全に治すことは困難です。がんの進行を抑えることと、転移によって出る痛みなどの症状を和らげ、なるべく日常生活を支障なく送ることができるようにすることが治療の目的となります。治療にあたっては治療効果と副作用のバランス、そして何よりも患者さん自身の価値観が重要です。日ごろから担当医とよくコミュニケーションをとり信頼関係を築くことが非常に大切です。
症状をとるためには、全身的な薬物療法の他に病状に応じて局所療法も行います。痛みや骨折、神経圧迫の危険のある骨転移部位に放射線治療を行ったり、がん性胸水、腹水により呼吸困難や腹部の張りが強いときには、針を刺して水を抜いたりします。骨転移により神経が圧迫されたり、骨折した場合には整形外科的手術が行われることもあります。また、脳に転移した場合には放射線療法や手術が行われることもあります。
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乳がんの治療

乳がんの治療には、外科療法、放射線療法、薬物療法があります。外科療法と放射線療法は治療を行った部分にだけ効果が期待できる「局所療法」であり、薬物療法は「全身療法」として位置づけられます。
1)外科療法
乳房にできたがんを切除するために行います。がん組織を含めた周りの正常組織を同時に切除します。切除する範囲は乳房内でのがんの広がりによって決められます。通常、乳がんの切除と同時に、わきの下のリンパ節を含むわきの下の脂肪組織も切除します。これを「腋窩(えきか)リンパ節郭清(かくせい)」と呼びます。
乳がんの手術には、次のような術式があります。乳房を切除する手術を受けた後のリハビリテーションについては「乳房切除術後のリハビリテーション」の項を参照してください。
乳房のしこりを切除する手術
(1)腫瘍核出術
乳房のしこりだけを切除する手術です。吸引細胞診や針生検で術前にがんの診断がつかないときに行われることが多く、がんの手術としては一般的ではありません。
(2)乳房部分切除術
しこりを含めた乳房の一部分を切除する方法で、「乳房温存手術」と呼ばれます。病変の部位や広がりによって、乳頭を中心にした扇形に切除、あるいはがんの周囲に2cm程度の安全域をとって円形に切除します。しこりが大きい場合、乳がんが乳腺内で広がっているとき、乳腺内にしこりが複数ある場合には、原則として温存手術の適応にはなりません。通常手術後に放射線照射を行い、残された乳房の中での再発を防ぎます。
(3)単純乳房切除術
がんのできた側の乳房を全部切除し、わきの下のリンパ節の切除は行わない場合をいいます。
(4)胸筋温存乳房切除術
乳房とわきの下のリンパ節を切除します。場合によっては、胸の筋肉の一部分を切り離すこともあります。この術式が最も一般的な乳がんの手術方法です。
(5)胸筋合併乳房切除術(ハルステッド法)
乳房とわきの下のリンパ節だけでなく、乳腺の下にある大胸筋や小胸筋を切除します。かつてはこの手術方法が標準的手術方法として実施されてきましたが、現在ではがんが胸の筋肉に達している場合だけ行われます。
わきの下のリンパ節に対する手術
(1)腋窩リンパ節郭清
通常、乳がんの切除と同時に、わきの下のリンパ節を含むわきの下の脂肪組織も切除します。これを「腋窩リンパ節郭清」と呼びます。腋窩リンパ節郭清は、乳がんの領域でのリンパ節再発を予防するだけでなく、再発の可能性を予測し、術後に薬物療法が必要かどうかを検討する意味で非常に重要です。腋窩リンパ節郭清を行うと、手術をした側の腕にリンパ浮腫(むくみ)が出たり(報告によって異なりますが、頻度は10~20%程度)、肩の痛みや運動障害が起きることがあります。
(2)センチネルリンパ節生検
センチネルリンパ節とは日本語で「見張り番リンパ節」という意味であり、乳がんからこぼれ落ちたがん細胞が最初に到達する乳腺の領域リンパ節のことを指します。がんの近傍に放射線同位元素や色素を注射することにより見つけます。多くの場合は、わきの下のリンパ節がセンチネルリンパ節になりますが、センチネルリンパ節に転移がないとき、多くの場合、わきの下のリンパ節に転移がないということがわかっています。センチネルリンパ節生検は腋窩リンパ節郭清を行わなくてもよい可能性がある患者さんを選ぶ手段として期待されていますが、現在ではまだ研究段階の治療です。
乳房再建術
がんを切除する手術で失われた乳房を自分の筋肉、または人工物を使用し形成する手術です。乳頭を形成することもできます。再建術を希望する方は担当医とよく相談してください。
2)放射線療法
放射線にはがん細胞を死滅させる効果があります。放射線治療は放射線照射を行った部分にだけ効果を発揮する局所療法です。乳がんでは外科手術でがんを切除した後に乳房やその領域の再発を予防する目的で行う場合(これを「術後放射線療法」といいます)と、骨の痛みなど転移した病巣による症状を緩和するために行う場合があります。
放射線を照射する範囲や量は放射線治療を行う目的、病巣のある場所、病変の広さなどによって選択されます。副作用は病巣周囲の正常組織にも放射線がかかることによって起こり、放射線があたった領域に含まれる臓器に特有の副作用が出現します。例えば、腰椎に放射線をあてた場合は皮膚や消化管の炎症などが予想されます。
3)薬物療法
乳がんの治療に用いられる薬は、ホルモン療法、化学療法、新しい分子標的療法の3種類に大別されます。薬物療法には薬によって重篤度は異なりますが、多かれ少なかれ副作用が予想されます。また副作用は治療を受ける人それぞれで出方に違いがあり、個人差があります。薬物療法を受ける場合には、薬物療法の目的、期待される治療効果、予想される副作用とその対策などについて十分な説明を受け、理解することが大切です。
ホルモン療法(参照:がんの薬物療法 12.ホルモン療法とは)
約7割の乳がんはホルモン受容体を持っており、ホルモン受容体を有する乳がんは女性ホルモン(エストロゲン)の刺激ががんの増殖に影響しているとされます。手術でとった乳がん組織中のホルモン受容体(エストロゲン受容体とプロゲステロン受容体)を検査することにより、女性ホルモンに影響されやすい乳がんか、そうでない乳がんかがある程度わかります。女性ホルモンに影響されやすい乳がんを「ホルモン感受性乳がん」、「ホルモン依存性乳がん」と呼び、ホルモン療法による治療効果が期待されます。
生理があって卵巣機能が活発な女性では卵巣が女性ホルモンの主な供給源になります。また、女性は通常50歳前後を境に卵巣の働きが衰えることにより、生理が止まり「閉経」を迎えます。閉経後の女性では卵巣からの女性ホルモンの分泌は停止し、副腎皮質から分泌される男性ホルモンが原料となって、「アロマターゼ」と呼ばれる酵素の働きによって女性ホルモンがわずかに産生されます。閉経後の女性では女性ホルモンのレベルは閉経前に比べ1/100程度に減少します。
ホルモン療法には抗エストロゲン剤、選択的アロマターゼ阻害剤、黄体ホルモン分泌刺激ホルモン抑制剤などがあります。乳がんの術後や転移性乳がんに用いられる「タモキシフェン」は代表的な抗エストロゲン剤であり、女性ホルモンのエストロゲン受容体への結合を阻害します。選択的アロマターゼ阻害剤の作用機序は、アロマターゼの働きを抑え、閉経後の女性において女性ホルモンの産生を抑えます。閉経前の場合では、卵巣からの女性ホルモンの分泌を抑える黄体ホルモン分泌刺激ホルモン抑制剤を使用します。その他、プロゲステロン製剤などがありますが、作用機序はよくわかっていません。
ホルモン療法の副作用は、化学療法に比べて一般的に極めて軽いのが特徴ですが、タモキシフェンの長期間使用者では子宮がんや血栓症のリスクが、選択的アロマターゼ阻害剤の場合には骨粗鬆症のリスクが高まります。
化学療法(抗がん剤)(参照:がんの薬物療法)
化学療法は細胞分裂のいろいろな段階に働きかけてがん細胞を死滅させる効果があり、乳がんは比較的化学療法に反応しやすいがんとされています。化学療法はがん細胞を死滅させる一方で、がん細胞以外の骨髄細胞、消化管の粘膜細胞、毛根細胞などの正常の細胞にも作用し、白血球、血小板の減少、吐き気や食欲低下、脱毛などの副作用が現れます。
がんに対して用いられる化学療法には注射薬や内服薬があります。使用する薬剤やその投与法によって副作用の特性やその頻度などは異なりますので、事前にそれらをよく理解し心構えをつくっておくことが大切です。
新しい分子標的療法―ハーセプチン―乳がんのうち20~30%は、乳がん細胞の表面にHER2タンパクと呼ばれるタンパク質をたくさん持っており、このHER2タンパクは乳がんの増殖に関与していると考えられています。最近このHER2をねらい撃ちした治療法(分子標的療法)が開発され、乳がん治療を大きく変えました。ハーセプチン治療はHER2タンパク、あるいはHER2遺伝子を過剰に持っている乳がんにのみ効果が期待されます。

乳がんの病期(ステージ)

乳がんという診断がついた場合、がんが乳腺の中でどの程度広がっているか、遠隔臓器に転移しているかについての検査が行われます。乳がんの広がり、すなわち乳房のしこりの大きさ、乳腺の領域にあるリンパ節転移の有無、遠隔転移の有無によって大きく5段階の臨床病期(ステージ)に分類され、この臨床病期に応じて治療法が変わってきます。
0期
乳がんが発生した乳腺の中にとどまっているもので、極めて早期の乳がんです。これを「非浸潤(ひしんじゅん)がん」といいます。
I期
しこりの大きさが2cm(1円玉の大きさ)以下で、わきの下のリンパ節には転移していない、つまり乳房の外に広がっていないと思われる段階です。
II期
IIa期とIIb期に分けられます。
IIa期: しこりの大きさが2cm以下で、わきの下のリンパ節への転移がある場合、またはしこりの大きさが2~5cmでわきの下のリンパ節への転移がない場合。
IIb期: しこりの大きさが2~5cmでわきの下のリンパ節への転移がある場合。
III期
「局所進行乳がん」と呼ばれ、IIIa、IIIb、IIIc期に分けられます。
IIIa期: しこりの大きさが2cm以下で、わきの下のリンパ節に転移があり、しかもリンパ節がお互いがっちりと癒着していたり周辺の組織に固定している状態、またはわきの下のリンパ節転移がなく胸骨の内側のリンパ節(内胸リンパ節)が腫れている場合。あるいはしこりの大きさが5cm以上でわきの下あるいは胸骨の内側のリンパ節への転移がある場合。
IIIb期: しこりの大きさやわきの下のリンパ節への転移の有無にかかわらず、しこりが胸壁にがっちりと固定しているか、皮膚にしこりが顔を出したり皮膚が崩れたり皮膚がむくんでいるような状態です。炎症性乳がんもこの病期に含まれます。
  IIIc期: しこりの大きさにかかわらず、わきの下のリンパ節と胸骨の内側のリンパ節の両方に転移のある場合。あるいは鎖骨の上下にあるリンパ節に転移がある場合。
IV期
遠隔臓器に転移している場合です。乳がんの転移しやすい臓器は骨、肺、肝臓、脳などです。
再発乳がん
乳房のしこりに対する初期治療を行った後、乳がんが再び出てくることを「再発」といいます。通常は他の臓器に出てくること(「転移」と呼びます)を指し、IV期の乳がんとあわせて「転移性乳がん」と呼びます。手術をした乳房の領域に出てくることは「局所・領域再発」と呼んで区別します。

乳がんの診断

1)レントゲン撮影(マンモグラフィー)
マンモグラフィーは乳房を装置に挟んで圧迫しX線撮影する検査です。触診では見つからないような小さながんが見つかることがあります。定期検診として45~50歳以上の女性に対して、年1回のマンモグラフィー検査を実施している市町村もあります。
2)乳腺のその他の画像検査
しこりががんであるかどうかや病変の広がりを診断するために、乳腺の超音波検査、MRI検査、CT検査なども有用です。
3)穿刺吸引細胞診と針生検しこりが見つかった場合、しこりに細い注射針を刺して細胞を吸いとって調べる「穿刺吸引細胞診」により、80~90%の場合ではがんかどうかの診断が確定します。さらに多くの情報を得るために太い針を刺してしこりの一部の組織を採取することもあります(針生検)。触診では明らかなしこりを触れず、画像検査だけで異常が指摘されるような場合には、マンモトーム生検と呼ばれる特殊な針生検を行うこともあります。
4)遠隔転移の検査
乳がんが転移しやすい遠隔臓器として肺、肝臓、骨、リンパ節などがあります。遠隔転移があるかどうかの診断のためには、胸部レントゲン撮影、肝臓のCTや超音波検査、骨のアイソトープ検査(骨シンチグラフィ)などが行われます。

乳がんの症状

1)乳房のしこり乳がんは5mmぐらいから1cmぐらいの大きさになると、自分で注意深く触るとわかるしこりになります。しかし、しこりがあるからといってすべてが乳がんであるというわけではありません。
2)乳房のえくぼなど皮膚の変化
乳がんが乳房の皮膚の近くに達すると、えくぼのようなくぼみができたり、皮膚が赤く腫(は)れたりします。乳房のしこりが明らかではなく、乳房表面の皮膚がオレンジの皮のように赤くなり、痛みや熱感を伴う場合、「炎症性乳がん」と呼びます。炎症性乳がんがこのような外観を呈するのは、乳がん細胞が皮膚のリンパ管の中に詰まっているためであり、それだけ炎症性乳がんは全身的な転移をきたしやすい病態です。
3)乳房の近傍のリンパ節の腫れ乳がんは乳房の近傍にあるリンパ節、すなわちわきの下のリンパ節(腋窩リンパ節)、胸骨のそばのリンパ節(内胸リンパ節)や鎖骨の上下のリンパ節(鎖骨上リンパ節、鎖骨下リンパ節)に転移をきたしやすく、これらのリンパ節を「領域リンパ節」と呼びます。領域リンパ節が大きくなってくるとリンパ液の流れがせき止められて腕がむくんできたり、腕に向かう神経を圧迫して腕のしびれをきたしたりすることがあります。
4)遠隔転移の症状
転移した臓器によって症状は違いますし、症状が全くないこともあります。領域リンパ節以外のリンパ節が腫れている場合は、遠隔リンパ節転移といい、他臓器への転移と同様に扱われます。腰、背中、肩の痛みなどが持続する場合は骨転移が疑われ、荷重がかかる部位にできた場合には骨折を起こす危険もあります(病的骨折)。肺転移の場合は咳が出たり、息が苦しくなることがあります。肝臓の転移は症状が出にくいですが、肝臓が大きくなると腹部が張ったり、食欲がなくなることもあり、痛みや黄疸が出ることもあります。

乳がんとは

大人の女性の乳房は、乳頭を中心に乳腺が放射状に15~20個並んでいます。それぞれの乳腺は小葉に分かれ、小葉は乳管という管(くだ)でつながっています。乳がんの約90%はこの乳管から発生し、乳管がんと呼ばれます。小葉から発生する乳がんが約5~10%あり、小葉がんと呼ばれます。乳管がん、小葉がんは、乳がん組織を顕微鏡で検査(病理学的検査)すると区別できます。この他に特殊な型の乳がんがありますが、あまり多いものではありません。
年齢別にみた女性の乳がんの罹患(りかん)率は30歳代から増加し始め、50歳前後にピークを迎え、その後は次第に減少します。女性では、乳がんにかかる数は乳がんで死亡する人の数の3倍以上です。これは、女性の乳がんの生存率が比較的高いことと関連しています。男性の乳がんは、年間の死亡数で女性の乳がんの100分の1以下のまれながんですが、女性の乳がんに比べて生存率が低い(予後が悪い)ことが知られています。
年次推移は、罹患率、死亡率ともに一貫して増加しており、出生年代別では、最近生まれた人ほど罹患率、死亡率が高い傾向があります。
罹患率の国際比較では、東アジアよりも欧米、特に米国白人が高く、アメリカの日本人移民は日本国内在住者より高い傾向があります。
乳がんの発生、増殖には、性ホルモンであるエストロゲンが重要な働きをしています。これまでに確立されたリスク要因の中には、体内のエストロゲンレベルに影響を与えるようなものがほとんどです。実際に体内のエストロゲンレベルが高いこと、また、体外からのホルモンとして、経口避妊薬の使用や閉経後のホルモン補充療法によって乳がんのリスクが高くなる可能性があるとされています。
生理・生殖要因としては、初経年齢が早い、閉経年齢が遅い、出産歴がない、初産年齢が遅い、授乳歴がないことがリスク要因とされています。また、閉経後の肥満は確立したリスク要因ですが、閉経前乳がんについては、逆に肥満者でリスクが低くなることがほぼ確実とされています。
飲酒習慣により、乳がんのリスクが高くなる可能性があるとされ、また、閉経後の女性では運動による乳がんリスク減少はほぼ確実とされています。その他の食事、栄養素に関しては、野菜、果物、イソフラボン等が注目されているものの、十分に根拠がそろっているものはまだありません。
その他、一親等の乳がんの家族歴、良性乳腺疾患の既往、マンモグラフィ上の高密度所見、乳がんの確立したリスク要因とされています。
乳がんの場合、がん細胞は比較的小さい時期から乳腺組織からこぼれ落ち、リンパや血液の流れに乗って乳腺から離れた臓器(肺、肝臓、骨など)に小さな転移巣をかたちづくると考えられています。これらの微小な転移巣が大きくなると症状が出たり、検査で検出されたりするようになり「遠隔転移」と呼ばれます。例えば、肺に転移した場合は「乳がんの肺転移」と呼び、肺にあってもその性質は乳がんであり、もともと肺から発生する「肺がん」とは異なります。このように遠隔転移を有する乳がんを総称して「転移性乳がん」と呼びます。乳房にがんが見つかった時点ですでに遠隔転移を有する場合と区別して、手術などの初期治療を行ってから発見される場合を「再発乳がん」と呼びます。再発乳がんの中でも、手術をした部分だけに再発することを「局所再発」と呼びます。また、がんが皮膚や胸壁に及んでいるためそのままでは手術ができない乳がんは「局所進行乳がん」と呼びます。
遠隔転移のない手術が可能な乳がんの場合、全身にこぼれ落ちている可能性のある微小転移に対して全身治療、すなわち薬による治療を行うことによって、再発を予防することができます。このような薬の治療を「術後薬物療法」と呼びます。最近では薬の治療を手術に先行して行う場合もあり、これを「術前薬物療法」と呼びます。薬の治療は再発のリスクの大きさや年齢によって選択されます。乳がんの再発リスクを予測する尺度にはしこりの大きさや、わきの下のリンパ節(腋窩リンパ節)への転移の個数、ホルモン受容体の有無などがあります。再発のリスクがある場合にはリスクや年齢に応じて放射線などの局所療法に加え、全身治療として薬物療法を行うことが推奨されます。

肝臓がんの末期症状と余命

治療を行っても回復の見込みがない状態を末期と呼びます。ここまで症状が進行してしまうと、治ることは期待できないものの、残された余命を延ばすことや、痛みの緩和をはじめとして生活の質を高めるための対策を講じることができます。
肝臓がんが末期症状になってしまった場合であっても、適切な治療法を選択することが重要であることに変わりはありません。ただし、余命の長さを最重視するか、体が自由に利くことや副作用が軽いことを重視するかといった点も考慮して、自分にもっとも合ったものを主治医と共に選んでいきましょう。
末期肝臓がんとは
たとえば、ステージがいくつになったら末期症状であるという定義が存在するわけではありませんが、たとえばステージ4になった場合には、これに該当することが多いと考えられるのではないでしょうか。
治療には、完治の期待ができるものと、それ以外の目的で行われるものがあります。そのため、最初から克服できないことを前提にしなくてはならないケースもあります。もはや治す術がない場合には、末期肝臓がんとされます。
たとえば、体中に転移が進んでしまい、もはや手の付けられない状態になってしまっていることがあります。こうしたケースでも、抗がん剤による化学療法を用いることによって、治らないまでも症状の進行を遅らせられることがありますので、余命を延長させることになります。
また、末期における治療の目的として、痛みを緩和させることも重要視されることがあります。命があれば申し分なしとは言えませんので、痛みがひどい場合には、それを軽くする必要があります。
初期症状はほとんど存在しないため、進行してから自覚できるようになりますが、末期の場合の一例としては、黄疸や腹水などがあります。ただし、同じ兆候でも表れる時期は癌の位置なども含めて個人差がありますので、黄疸や腹水があったら必ずしも助からないというわけではありません。
余命の実際
肝臓がんの症状が進行してしまった場合には、余命を宣告されることがあります。病名の告知と共にショックな出来事ですが、残された時間を無駄にしないためにも、気持ちを立て直すことが求められます。
人生の残りが限られたものになってしまった時に、すぐに感情を整理して何をしておくべきか考えられる人もいれば、混乱してしまう人もいます。誰しも動揺するものですが、余命が短ければ短いほど、同じ時間でも貴重なものになります。
なお、余命の期間を告げられたとしても、それは絶対に当たるわけではありません。半年と宣告されても、9ヶ月以上生きるといったこともありますので、あくまで目安として捉えておいたほうがよいでしょう。
肝臓がんは簡単に治せる病気ではありません。しかしながら、医療が進歩しているのも事実です。自分が直面している状況において何ができるのか、主治医とよく話し合って、納得できる選択をしてください。

肝臓がんの末期症状

肝臓がんの症状でも末期の場合どのような特徴が顕著にあらわれるでしょうか?
他のがんもそうですが、末期の場合患部の痛みがかなり激しくなります。
感覚としては激しい腹痛・貧血もともないます。もし、他の病気でない場合にこのような症状がある場合はかなり進行した肝臓がんだと 判断されます。
治療されているのであれば、ソレトンなどの痛み止めを処方されるでしょう。
そして肝機能の低下から全身のひどいかゆみに襲われます。
じんましんになった人ならかゆみの苦しみはわかると思いますが、さらに慢性的な我慢のできないかゆみに襲われます。 また全身のだるさも激しくなります。
転移を起こせば様々な症状が重なります。
黄疸、腹水、しこりにはじまり頻脈、呼吸困難、全身の出血傾向、腹部膨満感、消化器官障害、下痢、発熱、腎不全等々。 骨に転移すれば骨の痛みから骨折までおこります。
精神的にも不安定になりますし、幻覚幻聴がおこる場合もあります。
すべてがおこるわけではないですが、個々人での病状の進み具合・原因によって様々です。

肝臓がんの診断方法

肝臓がんの診断には血液検査と画像診断法が行われます。どちらか一方だけでは不十分です。 また、血液検査や画像診断法を駆使しても「肝臓がん」と診断がつけられないこともあり、 その場合は針生検といって、肝臓の腫瘍部分に針を刺して少量の組織片をとり、顕微鏡で調べることも行われます。
<血液検査>(肝臓癌の検査)
肝臓がんの検査に使用される血液検査と基準値を示します。基準値は施設によって基準値が異なりますので詳しくは検査機関にお問合せ下さい。
◆GOT、GPT 基準値 GOT(AST) 13-35U/l,GPT(ALT) 8-48U/l
肝機能に異常がないかを調べるために血液中の「GOT(AST)」と「GPT(ALT)」の値を調べます。 こららは肝細胞に含まれている酵素で、肝細胞が壊されると血液中に大量に流れでてくるため数値が上昇します。 肝細胞がどの程度障害を受けているのかの指標になります。
◆血小板(Plt) 基準値 12-40万/ul
血小板は血液を固めるために必要な血球成分です。肝硬変になると血液の中の血小板が減ってきてしまいます。 肝硬変の進行具合の指標になり10万/ul以下に低下すると肝臓がんの発症率が高くなります。
◆アルブミン(Alb) 基準値 4.1-5.1 g/dl
アルブミンは血液蛋白の一部で肝臓でしか作られないため肝機能が低下してくるとアルブミンの数値も低下してきます。 著しく低下してくると腹水や浮腫みがでます。
◆総ビリルビン(T-Bil) 基準値 0.3-1.2 mg/dl
肝細胞に障害があるときにあがってくる数値で、血液中の総ビリルビンが増えると黄疸であるといわれます。
◆α-フェトプロテイン(AFP) 基準値 20 ng/ml以下
肝細胞がんのおよそ90%で陽性になる腫瘍マーカーです。元来は胎児の肝臓と卵黄嚢で 産生される糖タンパクで出生後には急速に低下しますが、肝癌になるとこのタンパク質の合成が活発になるため陽性になります。
◆PIVKA-II 基準値 0.1 AU/ml以下(肝臓がんの腫瘍マーカー)
肝細胞がんに特有の腫瘍マーカーで他の疾患では上昇することは少ないのですが、 ビタミンK欠乏の時にも上昇するのでワーファリンなどの薬を服用しているときにも上昇することがあります。
<画像検査>
◆超音波検査(肝臓癌の検査)
肝臓がんを早期に発見するうえで有効な検査になります。超音波診断装置を使用する検査で、 直径が1~2cm程度の小さな肝がんでも見つける事ができる確率が高く一般にも普及している検査です。
◆CT検査(肝臓癌の検査)
CT検査(CTスキャン)はいろいろな角度から体内の詳細な画像を連続的に撮影しコンピュータを使って 非常に鮮明な画像を得ることができます。超音波検査で調べきれなかった場合でもがんを見つけることができます。
◆MRI検査(肝臓癌の検査)
MRI検査は磁場を使っていろいろな角度から体内の詳細な画像を連続的に撮影する検査です。 放射線の被曝がなく超音波検査では見分けの付きにくいがんもMRI検査で診断できる場合があります。
◆肝血管造影検査(肝臓癌の検査)
足の付け根かの動脈からカテーテルと呼ばれる細い管を肝臓まで挿入し、造影剤を注入してエックス線撮影を行う検査です。
<肝生検>
超音波検査の画像で肝臓がんの位置を確認しながら、体表から細い針をさして癌の組織の一部を採取し顕微鏡で詳しく検査する方法です。
ただし、針を刺すとがんが回りに散ってしまう危険性があるため血液検査や画像検査で診断が付かなかった場合のみ行われる検査になります。

肝臓がんの病院選び【治療・名医・評判・生存率】

北海道
北海道大   肝臓がん手術件数 62(9) 
旭川医大   肝臓がん手術件数 37(0) 
札幌厚生   肝臓がん手術件数 34(1) 
手稲渓仁会   肝臓がん手術件数 26(3) 
札幌社会保険総合   肝臓がん手術件数 14(1) 
勤医協中央   肝臓がん手術件数 13(1) 
札幌医大   肝臓がん手術件数 8(3) 
恵佑会札幌   肝臓がん手術件数 7(1) 
国立病院機構 北海道がんセンター   肝臓がん手術件数 4(1) 
吉田   肝臓がん手術件数  
青森
弘前大   肝臓がん手術件数 19(5) 
県立中央   肝臓がん手術件数  
岩手
岩手医大   肝臓がん手術件数 46(8) 
県立中央   肝臓がん手術件数 17(7) 
宮城
東北大   肝臓がん手術件数 65(13) 
仙台厚生   肝臓がん手術件数 24(1) 
県立がんセンター   肝臓がん手術件数 4(1) 
国立病院機構 仙台医療センター   肝臓がん手術件数  
秋田
秋田大   肝臓がん手術件数 33(3) 
市立秋田総合   肝臓がん手術件数 1(1) 
山形
県立中央   肝臓がん手術件数 13(1) 
山形大   肝臓がん手術件数 6(4) 
福島
県立医大   肝臓がん手術件数 28(4) 
太田西ノ内   肝臓がん手術件数 12(2) 
福島赤十字   肝臓がん手術件数 8(2) 
茨城
県立中央   肝臓がん手術件数 30(5) 
土浦協同   肝臓がん手術件数 12(1) 
国立病院機構 水戸医療センター   肝臓がん手術件数 10(4) 
筑波メディカルセンター   肝臓がん手術件数 10(3) 
日立総合   肝臓がん手術件数 9(1) 
東京医大霞ヶ浦   肝臓がん手術件数 6(1) 
筑波大   肝臓がん手術件数 5(0) 
独協医大   肝臓がん手術件数 63(4) 
栃木
自治医大   肝臓がん手術件数 31(5) 
県立がんセンター   肝臓がん手術件数 20(4) 
群馬
前橋赤十字   肝臓がん手術件数 20(6) 
県立がんセンター   肝臓がん手術件数 14(3) 
群馬大   肝臓がん手術件数 12(3) 
桐生厚生総合   肝臓がん手術件数 12(2) 
埼玉
埼玉医大総合医療センター   肝臓がん手術件数 50(10) 
さいたま赤十字   肝臓がん手術件数 45(5) 
県立がんセンター   肝臓がん手術件数 31(11) 
防衛医大   肝臓がん手術件数 27(9) 
自治医大さいたま医療センター   肝臓がん手術件数 20(0) 
上尾中央総合   肝臓がん手術件数 3(0) 
国立病院機構 西埼玉中央   肝臓がん手術件数 1(0) 
埼玉医大   肝臓がん手術件数  
千葉
国立がんセンター東   肝臓がん手術件数 72(8) 
県がんセンター   肝臓がん手術件数 36(6) 
千葉大   肝臓がん手術件数 25(10) 
県済生会習志野   肝臓がん手術件数 13(1) 
順天堂大浦安   肝臓がん手術件数 14(2) 
国立病院機構 千葉医療センター   肝臓がん手術件数 12(2) 
国保君津中央   肝臓がん手術件数 12(1) 
亀田メディカルセンター   肝臓がん手術件数 5(2) 
東京
東京大   肝臓がん手術件数 136(5) 
東京女子医大   肝臓がん手術件数 110(11) 
日大板橋   肝臓がん手術件数 83(10) 
国立がんセンター中央   肝臓がん手術件数 67(22) 
東京医科歯科大   肝臓がん手術件数 60(7) 
日本医大   肝臓がん手術件数 60(15) 
虎の門   肝臓がん手術件数 45(1) 
順天堂大   肝臓がん手術件数 44(8) 
癌研有明   肝臓がん手術件数 35(4) 
帝京大   肝臓がん手術件数 29(3) 
都立駒込   肝臓がん手術件数 28(2) 
東邦大医療センター大森   肝臓がん手術件数 28(2) 
慈恵医大   肝臓がん手術件数 24(2) 
東京医大   肝臓がん手術件数 23(6) 
慶応大   肝臓がん手術件数 20(1) 
昭和大   肝臓がん手術件数 17(4) 
公立昭和   肝臓がん手術件数 12(0) 
国立病院機構 災害医療センター   肝臓がん手術件数 9(2) 
NTT東日本関東   肝臓がん手術件数 8(4) 
慈恵医大第三   肝臓がん手術件数 6(2) 
杏林大   肝臓がん手術件数 5(0) 
北里研究所   肝臓がん手術件数 5(1) 
東芝   肝臓がん手術件数 4(0) 
東海大東京   肝臓がん手術件数 3(0) 
社会保険中央総合   肝臓がん手術件数 2(1) 
東京逓信   肝臓がん手術件数 2(0) 
武蔵野赤十字   肝臓がん手術件数  
国立国際医療センター   肝臓がん手術件数  
駿河台日大   肝臓がん手術件数  
東京警察   肝臓がん手術件数  
府中恵仁会   肝臓がん手術件数  
神奈川
東海大   肝臓がん手術件数 45(6) 
北里大   肝臓がん手術件数 45(3) 
横浜市立大   肝臓がん手術件数 35(4) 
昭和大藤が丘   肝臓がん手術件数 22(3) 
聖マリアンナ医大   肝臓がん手術件数 19(3) 
聖マリアンナ医大横浜市西部   肝臓がん手術件数 9(1) 
日本鋼管   肝臓がん手術件数 9(0) 
横浜市立大 市民総合医療センター   肝臓がん手術件数 6(0) 
県立がんセンター   肝臓がん手術件数  
関東労災   肝臓がん手術件数  
新潟
新潟大   肝臓がん手術件数 50(3) 
県立がんセンター新潟   肝臓がん手術件数 13(1) 
県立中央   肝臓がん手術件数 12(1) 
済生会新潟第二   肝臓がん手術件数 5(0) 
日本歯科大新潟   肝臓がん手術件数 4(0) 
富山
県立中央   肝臓がん手術件数 17(3) 
富山大   肝臓がん手術件数 10(1) 
厚生連高岡   肝臓がん手術件数 9(2) 
石川
金沢大   肝臓がん手術件数 47(3) 
金沢医大   肝臓がん手術件数 4(2) 
福井
福井県立   肝臓がん手術件数 30(1) 
福井大   肝臓がん手術件数 15(3) 
県済生会   肝臓がん手術件数 7(3) 
山梨
山梨大   肝臓がん手術件数 15(3) 
市立甲府   肝臓がん手術件数 15(3) 
長野
信州大   肝臓がん手術件数 67(7) 
長野市民   肝臓がん手術件数 26(4) 
岐阜
大垣市民   肝臓がん手術件数 46(6) 
岐阜大   肝臓がん手術件数 22(1) 
岐阜市民   肝臓がん手術件数 18(2) 
県総合医療センター   肝臓がん手術件数 4(0) 
高山赤十字   肝臓がん手術件数 3(1) 
岐北厚生   肝臓がん手術件数 0(0) 
静岡
県立静岡がんセンター   肝臓がん手術件数 47(8) 
県立総合   肝臓がん手術件数 43(4) 
浜松医大   肝臓がん手術件数 24(1) 
県西部浜松医療センター   肝臓がん手術件数 13(4) 
聖隷浜松   肝臓がん手術件数 10(1) 
順天堂大静岡   肝臓がん手術件数 6(1) 
愛知
愛知医大   肝臓がん手術件数 40(1) 
名古屋市立大   肝臓がん手術件数 27(5) 
県がんセンター中央   肝臓がん手術件数 23(1) 
春日井市民   肝臓がん手術件数 18(5) 
名古屋第一赤十字   肝臓がん手術件数 13(3) 
刈谷豊田総合   肝臓がん手術件数 10(1) 
社会保険中京   肝臓がん手術件数 9(0) 
名古屋第二赤十字   肝臓がん手術件数 7(2) 
加茂   肝臓がん手術件数 7(2) 
増子記念   肝臓がん手術件数 6(0) 
名古屋市立東市民   肝臓がん手術件数 2(0) 
蒲郡市民   肝臓がん手術件数 2(0) 
三重
三重大   肝臓がん手術件数 32( ) 
桑名市民   肝臓がん手術件数 9(3) 
市立四日市   肝臓がん手術件数 5(0) 
国立病院機構 三重中央医療センター   肝臓がん手術件数  
滋賀
県立成人病センター   肝臓がん手術件数 13(2) 
大津赤十字   肝臓がん手術件数 7(1) 
京都
京都大   肝臓がん手術件数 79(7) 
京都桂   肝臓がん手術件数 23(4) 
国立病院機構 京都医療センター   肝臓がん手術件数 13(3) 
山科   肝臓がん手術件数 9(3) 
京都市立   肝臓がん手術件数 8(1) 
済生会京都府   肝臓がん手術件数 1(0) 
大阪
大阪市立大   肝臓がん手術件数 73(11) 
大阪市立総合医療センター   肝臓がん手術件数 63(3) 
近畿大   肝臓がん手術件数 61(2) 
府立成人病センター   肝臓がん手術件数 60(5) 
大阪大   肝臓がん手術件数 50(9) 
大阪赤十字   肝臓がん手術件数 43(1) 
関西医大枚方   肝臓がん手術件数 42(5) 
大阪医大   肝臓がん手術件数 39(1) 
国立病院機構 大阪医療センター   肝臓がん手術件数 37(5) 
関西医大滝井   肝臓がん手術件数 34(1) 
大阪鉄道   肝臓がん手術件数 22(2) 
市立豊中   肝臓がん手術件数 21(1) 
大手前   肝臓がん手術件数 17(3) 
北野   肝臓がん手術件数 17(1) 
大阪労災   肝臓がん手術件数 14(0) 
NTT西日本大阪   肝臓がん手術件数 13(3) 
大阪警察   肝臓がん手術件数 12(4) 
国立病院機構 大阪南医療センター   肝臓がん手術件数 11(1) 
石切生喜   肝臓がん手術件数 10(2) 
住友   肝臓がん手術件数 10(4) 
大阪厚生年金   肝臓がん手術件数 10(1) 
府立急性期・総合医療センター   肝臓がん手術件数 7(2) 
市立池田   肝臓がん手術件数 4(0) 
大阪市立十三市民   肝臓がん手術件数 4(0) 
市立藤井寺市民   肝臓がん手術件数 4(0) 
東大阪市立総合   肝臓がん手術件数 2(0) 
府済生会千里   肝臓がん手術件数 2(0) 
府済生会吹田   肝臓がん手術件数 1(0) 
兵庫
神戸大   肝臓がん手術件数 67(8) 
明和   肝臓がん手術件数 59(3) 
姫路赤十字   肝臓がん手術件数 59(6) 
兵庫医大   肝臓がん手術件数 41(5) 
神戸市立医療センター中央市民   肝臓がん手術件数 32(6) 
県立がんセンター   肝臓がん手術件数 29(3) 
関西労災   肝臓がん手術件数 21(4) 
赤穂市民   肝臓がん手術件数 1(0) 
神戸朝日   肝臓がん手術件数 1(0) 
明石市立市民   肝臓がん手術件数    
奈良
近畿大奈良   肝臓がん手術件数 19(0) 
天理よろづ相談所   肝臓がん手術件数 11(1) 
市立奈良   肝臓がん手術件数 6(1) 
和歌山
県立医大   肝臓がん手術件数 55(13) 
鳥取
鳥取大   肝臓がん手術件数 17(0) 
山陰労災   肝臓がん手術件数 5(0) 
県立中央   肝臓がん手術件数 6(1) 
島根
島根大   肝臓がん手術件数 34(2) 
松江市立   肝臓がん手術件数 4(1) 
岡山
岡山済生会総合   肝臓がん手術件数 78(10) 
岡山大   肝臓がん手術件数 60(10) 
松田   肝臓がん手術件数 35(3) 
倉敷中央   肝臓がん手術件数 28(1) 
岡山市立市民   肝臓がん手術件数 4(1) 
川崎医大川崎   肝臓がん手術件数 1(0) 
広島
広島大   肝臓がん手術件数 96(4) 
広島赤十字・原爆   肝臓がん手術件数 81(2) 
市立広島市民   肝臓がん手術件数 37(4) 
県立広島   肝臓がん手術件数 31(4) 
国立病院機構 呉医療センター   肝臓がん手術件数 27(10) 
広島記念   肝臓がん手術件数 21(1) 
福山市民   肝臓がん手術件数 20(0) 
国立病院機構 福山医療センター   肝臓がん手術件数 16(2) 
JA尾道総合   肝臓がん手術件数 13(0) 
国立病院機構 東広島医療センター   肝臓がん手術件数 8(1) 
庄原赤十字   肝臓がん手術件数 3(0) 
山口
山口大   肝臓がん手術件数 38(2) 
下関厚生   肝臓がん手術件数 11(1) 
徳島
徳島大   肝臓がん手術件数 35(5) 
徳島赤十字   肝臓がん手術件数 3(2) 
香川
香川大   肝臓がん手術件数 35(4) 
県立中央   肝臓がん手術件数 21(1) 
愛媛
県立中央   肝臓がん手術件数 40(4) 
国立病院機構 四国がんセンター   肝臓がん手術件数 32(5) 
愛媛大   肝臓がん手術件数 19(0) 
高知
高知大   肝臓がん手術件数 56(3) 
高知医療センター   肝臓がん手術件数 40(4) 
福岡
久留米大   肝臓がん手術件数 115(4) 
新古賀   肝臓がん手術件数 56(2) 
麻生飯塚   肝臓がん手術件数 55(6) 
福岡市民   肝臓がん手術件数 34(0) 
産業医大   肝臓がん手術件数 33(5) 
国立病院機構 九州医療センター   肝臓がん手術件数 31(1) 
浜の町   肝臓がん手術件数 26(11) 
北九州市立医療センター   肝臓がん手術件数 23(2) 
国立病院機構 九州がんセンター   肝臓がん手術件数 22(1) 
福岡大   肝臓がん手術件数 15(2) 
公立八女総合   肝臓がん手術件数 10(2) 
福岡赤十字   肝臓がん手術件数 5(2) 
久留米大医療センター   肝臓がん手術件数 0(0) 
佐賀
佐賀大   肝臓がん手術件数 25(3) 
県立好生館   肝臓がん手術件数 13(0) 
佐賀社会保険   肝臓がん手術件数 3(0) 
長崎
長崎大   肝臓がん手術件数 58(8) 
国立病院機構 長崎医療センター   肝臓がん手術件数 43(6) 
日赤・長崎原爆   肝臓がん手術件数 10(3) 
長崎市立市民   肝臓がん手術件数 4(1) 
佐世保共済   肝臓がん手術件数  
熊本
熊本大   肝臓がん手術件数 72(9) 
熊本赤十字   肝臓がん手術件数 18(6) 
済生会熊本   肝臓がん手術件数 10(0) 
大分
大分赤十字   肝臓がん手術件数 27(4) 
大分県立   肝臓がん手術件数 25(5) 
大分大   肝臓がん手術件数 19(6) 
国立病院機構 別府医療センター   肝臓がん手術件数 7(0) 
国立病院機構 大分医療センター   肝臓がん手術件数 5(0) 
鹿児島
鹿児島厚生連   肝臓がん手術件数 55(2) 
鹿児島大   肝臓がん手術件数 37(6) 
鹿児島市医師会   肝臓がん手術件数 12(3) 
沖縄
琉球大   肝臓がん手術件数 18(6)

肝臓がんの手術方法

肝臓がんの主な治療法は、外科療法(手術。肝切除)、アルコールを入れて固める治療(経皮的エタノール注入療法:PEIT)、血管をつめる治療(肝動脈塞栓術:TAE)の3療法が良く知られています。他にマイクロ波凝固療法、ラジオ波凝固療法、凍結療法、化学療法(抗がん剤)などもありますが、絶対的な治療法はなく、癌の進行具合、肝機能の状態、患者の年齢・体力、合併症の有無などから判断して、最も有効な治療法が選択されます。
 肝切除(外科手術)は患部を癌を含めて肝臓の一部を切り取る手術で、最大のメリットは治癒する可能性が最も高いということです。逆にデメリットとしては、手術に起因する合併症を起こし、そのうち死に至るケースが1~2%ほどあることです。また入院期間が1~2ヶ月と長く、退院後の自宅療養が同じ期間に及ぶことなどがあげられます。
 基本的に肝臓は再生能力のとても高い臓器で、健康な肝臓であれば70%近くを切除しても、ほぼ元通りの大きさに戻ります。そのため切除しても機能的には問題がないと考えられています。
 肝臓はひとかたまりの臓器ですが、肝臓内を走る血管の分布によって、いくつかの区画に分けて考えられます。肝臓癌の手術は、これらの区画のどの部分を、どの程度切除するかによって行われます。
 慢性肝炎や肝硬変を患っている場合は再生能力が低下しているため、大きく切除してしまうと肝臓の機能が十分に行われず、命に関わる事態に陥ることもあります。そういう場合は、患者の安全のために小さく切り取ることを選ぶのが普通です。健康な肝臓をできるだけ残し、しかも患部を取り残さないのがよい手術ということになります。