抗癌剤による化学療法

化学療法はすべての病期の小細胞癌に対する最も一般的な治療です。
 しかし、非小細胞癌は小細胞癌に比べて抗がん剤が効きにくく、抗がん剤のみでがんが治ってしまうことはまれです。
 非小細胞癌に対する抗がん剤による化学療法の多くは臨床試験の形で実施されています。
 化学療法は、多くの場合静脈注射や点滴静脈注射で行いますが、まれには飲み薬のこともあります。
 外科療法・放射線療法が局所治療と呼ばれているのに対し、化学療法は全身治療と呼ばれています。
 薬が血液の中に入り、血流に乗って全身をめぐり、肺のみならず、肺の外に拡がった癌細胞も殺すことができるからです。
 小細胞癌の場合、使用する抗がん剤は1種類ではなく、通常は2種類以上を使用します。
 治療期間は、通常、16~24週間かかります。非小細胞癌に対しては標準的な化学療法は確立されておらず、臨床試験の計画書に準じて行われます。
 抗癌剤による治療は単独で行われることもありますが、放射線療法や外科療法と併用することもあります。
 一般的にいくつかの抗癌剤を組み合わせる多剤併用療法が用いられていますが、抗癌剤には強い副作用もあり、熟練した病院で治療を受ける必要があります。
 非小細胞癌によく用いられる薬剤は、シスプラチン、マイトマイシン-C、ビンデシン、 イリノテカン、パクリタキセル、ドセタキセル、ビノレルビン、ゲムシタビン、カルボプラチンなどです。
 一方、小細胞癌には多種の抗癌剤が有効であり、シスプラチン、カルボプラチン、エトポシド、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、イリノテカン、イフォマイドなどが主に用いられています。
また、非小細胞癌で再発した方に新たに飲み薬でイレッサが用いられています。

肺がんの治療 放射線療法

放射線療法
 X線や他の高エネルギーの放射線を使ってがん細胞を殺すものです。非小細胞癌の場合、手術できないI期からIIIa期、胸水を認めないIII期、小細胞がんの場合は限局型が対象となります。
 肺癌の場合、通常は身体の外から患部である肺やリンパ節に放射線を照射します。一般的に1日1回週5回照射し、5~6週間の治療期間が必要です。
 最近では、1日2回週10回、あるいは1日3回週15~21回照射する多分割照射も試みられています。
 また、放射線治療は脳にがん細胞が転移するのを防ぐために使われます。これを予防的全脳照射と呼びます。予防的全脳照射は正常の脳の機能を損なう恐れがまれにあり、治療終了後数年以降に記憶力低下などの精神神経症状があらわれることがあります。
 放射線療法には、広く一般的に用いられているリニアックと、癌病巣のみを集中的に治療する陽子線治療、重粒子治療もあります。