膵臓癌の検査:腫瘍マーカー

血液検査の一種として、膵臓癌の腫瘍マーカーを調べる方法があります。
腫瘍マーカーで体内に癌があることを調べます。
癌があることによって増加する物質や発現する物質の量が増えているかどうかを調べることによって、癌になっているかどうかをチェックできるのです。
血液中に含まれるため、採血を行って血液検査を行うことになります。
大きな負担がかかるものではありませんので、腫瘍マーカーで膵臓癌を見つけることができるとよいのですが、残念ながら確実に発見できるものではなく、初期症状のうちは正常値を示してしまうことが多いのです。したがって、早期発見に役立つとは言えません。
超音波検査などの画像診断ほどの精度があるわけではありませんので、補助診断や治療効果の判定、すい臓がんの再発の有無のチェックに腫瘍マーカーは使われています。
膵臓癌の腫瘍マーカーとしては、CA125やCA19-9、CEA、エラスターゼ1、SLXといったものがあります。それぞれの腫瘍マーカーには、該当する病気に傾向があります。たとえば、CA125は乳癌や肺がん、子宮内膜症、肝硬変でも数値が上昇しますし、CA19-9なら大腸癌や肝臓癌、糖尿病、胆石症にも反応します。
単独ではあまり効果的とは言えなくても、他の検査と組み合わせることによって精度を高めることはできますし、症状の経過を追っていく場面で使われるなど、限定的ながら役立っている検査です。
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抗がん剤と脱毛

がんの治療に使われる抗がん剤の副作用で、広く知られているのが脱毛です。
がんを治療している患者の髪の毛がなくなってしまうということをよく見かけます。
抗がん剤というのは、人間の細胞の中で速い速度で細胞分裂するものを滅却するようになっています。
速い速度で細胞分裂しているのはがん細胞ですが、他にも毛根の細胞も細胞分裂の速度が速いのです。
それにより、毛根細胞も抗がん剤により、滅却されてしまいます。
抗がん剤の副作用による脱毛は一時的なものです。
女性にとってはとても辛いことですが、治療が終了するまでの我慢です。
抗がん剤には、代謝拮抗剤、アルキル化剤、白金製剤、抗がん性抗生物質、植物アルカロイド、分子標的治療薬という6種類があります。
白血球は免疫力を守る役割をしているのですが、その白血球を減少させる副作用がある抗がん剤もあります。
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卵巣癌の統計

卵巣がんの罹患率は1999年で7,314人と推計され、年齢別にみた卵巣がんの罹患率は40歳代から増加し、50歳代前半でピークを迎えてほぼ横ばいになり、80歳以上でまた増加します。
罹患率の年次推移は、1975年以降緩やかな増加傾向にあります。卵巣癌による死亡数は、1970年には1,129人であったものが、2005年には4,467人となっており、35年で約4倍に増加しています。
アメリカは日本の約3倍、スウェーデンは約7倍となっており、日本でも将来欧米並みになるものと予想されます。
          
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卵巣の「できもの」

卵巣に発生する腫瘤(できもの)とは
卵巣には非常に沢山の種類の腫瘍が形成されますが、の発生由来からまず以下の3つに分けられます。
1.表層上皮性・間質性腫瘍
2.性索間質性腫瘍
3.胚細胞腫瘍

上記3つの腫瘍はそれぞれがさらに「良性」、「境界悪性」、「悪性」が存在します。
卵巣腫瘍の種類はとても多く、30種類を超えます。卵巣腫瘍の種類が多いと言っても、非常に一般的な腫瘍から、珍しい腫瘍まであり、その発生頻度は様々です。
1の上皮性腫瘍がもっとも頻度が高く、全卵巣腫瘍の60%位を占めます。卵巣癌に限定すると70~80%はこの上皮性悪性腫瘍となります。2の性索間質性腫瘍はぐっと頻度がへり5~10%位で、奇形種が含まれる3の胚細胞性腫瘍は少し頻度が高くて15~20%くらいです。
卵巣は胃癌などが高率に転移してくる場所なので転移性の卵巣癌なども卵巣腫瘍に含まれます。その頻度は全卵巣腫瘍の5%を占めるとも言われています。その他、本当の意味では腫瘍に含まれない(チョコレート嚢胞や黄体嚢胞、卵巣出血)などの「類腫瘍」も発生します。
卵巣は腹腔内に存在するため、卵巣腫瘍の適切なスクリーニング検査が存在しないのが現状です。また性器出血や痛みなどの症状を呈さないものがほとんどなので、自覚症状が出にくく、産婦人科受診も遅れ、診断や治療が遅れる傾向にあります。
卵巣癌が進行すると高率に腹水を伴うので腹部膨満、腹水の貯留から内科を受診し、内科から婦人科を診断されて始めて診断されることも日常診療ではよく遭遇します。女性の腹水の原因として卵巣の腫瘍(とくに卵巣癌)は重要です。
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卵巣がんになりやすい人

卵巣がんと妊娠や出産の統計データから妊娠・出産経験がない方が一番発生率が高いというデータがでました。
卵巣がんの発生率にもう一つのデータがあり、妊娠・出産回数が増えていくにつれ発生率が減少傾向にあるといえます。
結婚しなかった人に卵巣がんが多いというわけではありません。
結婚して妊娠・出産しなかった人のほうが卵巣がんにかかりやすいのです。このように卵巣がんには少し不思議な偏りがあらわれます。
逆に卵巣がんになりにくい方は妊娠回数の多い方です。妊娠回数が多ければ多いほど、卵巣がんになりにくいとされています。
ただし、子宮がんになるリスクが高くなります。妊娠されている方は子宮がんになりやすいというデータがでています。
そして、卵巣がんはピルを常用している方はなりにくいとされています。排卵を抑制する経口避妊薬であるピルを長期にわたって服用している人ほど、卵巣がんの発生が少なくなります。
途中で服用を中止したとしても、全く服用していない方よりも卵巣がんになるリスクは低くなっているとされています。理由として考えられることは排卵による炎症を防ぐことができることです。
炎症によって表層上皮の破れが出てくる場合があります。そして細胞ができる際になんらかの刺激でがん化する可能性があります。しかし、ピルが排卵を抑制するので、排卵によって起こる炎症を防ぐことができるのではないかと考えられています。
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卵巣がん(卵巣癌)の原因

卵巣がんの発生はいろいろな年代の女性に見られますが40歳代~50歳代がピークです。
未婚の女性、妊娠・出産の経験がないまたは少ない女性、家族に乳がんや卵巣がんにかかった人がいる場合に多く見られます。
卵巣がんの発生には女性ホルモンのエストロゲンが大きく関与していると考えられています。
現代の日本女性は、食生活の欧米化によって発育も体格もよくなりました。そのため初経が昔より早く、逆に閉経は遅くなっています。
また未婚の女性が増え出産の機会も減りました。これらはエストロゲンにさらされる期間が長くなったことを意味します。こうした背景から、卵巣がんが発病しやすくなったと考えられています。
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卵巣がんとは

卵巣は子宮の両わきに各ひとつずつある親指大の楕円形の臓器で、そのいずれかの卵巣にがんができた場合をいいます。
卵巣にできる腫瘍の80%は良性です。卵巣がんは卵巣の表層細胞から発生する悪性腫瘍で、卵巣がんの90%を占めています。
卵巣がんはわが国では毎年増加しつつあり、1999年度中に4,076人(人口10万人に対し6.4人)の女性が卵巣がんで亡くなっています。
日本人が卵巣がんにかかるリスクは、欧米人に比べると半分以下ですが、この差は縮まりつつあります。
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すい臓がん 画像検査

すい臓がんの画像検査にもいろいろあり、超音波検査・CT・MRI・MRCP・ERCPがあります。
『超音波検査』
:エコー検査とも呼ばれ、超音波を身体にあてて、その反響を映像にします。
身体を傷つけることなく体内が見られ、人体に影響もないので普通の検診に使われます。
すい癌の場合、境界が明瞭でないので、不整形の低エコー域として抽出されます。
すい頭部での癌の場合、主にすい管や胆管の拡張も見られます。
『CT』(コンピュータ断層撮影)
:放射線を使って、内部画像を構成する技術をいい、低濃度で不整形の腫瘍が映し出されます。
ただ、すい管癌の場合は血流が少なすぎなため、造影CTでは造影出来ません。
逆に、すい内分泌腫瘍の場合は、血流が多いので造影CTでの造影が可能です。
『MRI』(核磁気共鳴画像法)
:磁気共鳴現象を利用して体内を映像化する方法です。
CTと同じような結果が得られます。
『MRCP』
:胆管とすい管を映し出すので、管の狭くなっているところや、途切れているところが発見できます。
『ERCP』
:内視鏡で胆管とすい管を直接造影し、すい管癌の場合、すい管の狭くなっているところや、途切れているところが発見できます。
以上のような画像検査と、血液検査、病理学的検査を併用し、総合的に見て、癌は診断されるのです。
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子宮筋腫の症状

子宮筋腫は、無症状の場合もあります。主な症状は大きくなるにつれて月経異常、不正出血
 貧血、排尿障害、便秘、腰痛などです
一般に漿膜下、筋層内、粘膜下の順に症状が強くなっていきます。
症状は筋腫のタイプによりさまざまですが、一般にその症状が最も強いのは粘膜下、次いで筋層内、漿膜下の順で漿膜下筋腫の場合なんの症状も示さない人も少なくありません。
  
子宮筋腫の示す症状には次のようなものがあります。
 1.月経過多
   月経時の出血量が増え、レバー状の血液の塊が出ることがあります。
 2.月経痛
   月経がひどくなると下腹部痛や張り、頭痛、不安感などが起こります。
 3.頻発月経
   月経の周期が25日より短くなり、人によっては月に2~3回月経があることがあります。
 4.不正出血
   通常の月経以外のときに出血が起こります。
 5.貧血
   月経異常や不正出血などにより、鉄欠乏性貧血が起こり、息切れ、動悸めまい、つかれやすいなどの
   症状がみられます。
 6.頻尿、排尿困難、便秘、腰痛など
   子宮筋腫が大きくなると、骨盤内にある膀胱・直腸や神経などが圧迫され、これらの症状がでてきます
 7.不妊・流産
   筋層内筋腫や粘膜下筋腫では、子宮内膜に受精卵が着床するのをじゃまするために、不妊の原因
   となることがあります。
   また、筋腫の場所によっては、流産や早産の原因となることもあります。
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大腸がん入院期間と治療費

大腸がんで入院する日にちと治療費については治療方法により異なります。初期段階の大腸がんで内視鏡で全てを完了した方は総額195,000円程度の負担で済みます。
健康保険を利用し負担額が2割の方ですと390,000円になります。 一方進行がんの方ですと40日程度の入院が必要になり費用は総額200万円程度かかります。
3割負担の方ですと60万円程度になります。 仮にこの金額が自費になった場合物凄い金額になることはいうまでもありません。
入院費用をなるべく抑える為には定期的な検診を受け、大腸がんを早期発見し、早期の治療をすることが最も費用を抑える方法と言われております。
        日数   金額   保険2割   保険3割   保険5割
早期大腸がん  26日   120万   98万     85万     60万
進行大腸がん  45日   200万   160万    140万    100万
早期大腸がん  70日   200万   150万    130万    100万
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前立腺肥大症の治療:レーザー治療

尿道内に挿入した内視鏡カメラからレーザー光線を前立腺に照射して前立腺を焼き、蒸散させて肥大症を縮小させるものです。
手術とことなり出血がほとんどなく、短時間ですみますが、痛みがありますので、麻酔が必要です。レーザー光線を導く光ファイバーに数種類ありますが、効果 は同様です。
手術より手軽で、効果は手術と同等かそれ以下ですが、手術が受けられないような人(重い心臓病・肺機能低下・出血しやすい人など)にも可能です。
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急性腎炎の食事療法

食事療法は高カロリー・低蛋白・減塩・水分制限が症状に合わせて実施します。
急性腎炎の食事療法は、平成9年日本腎臓学会の「腎疾患患者の食事療法に関するガイドライン」が基準です。
1.高カロリー 標準体重×35~40kcal/日
2.蛋白質 0.5~0.8g/体重(kg) 
3.減塩  2~5g/日
4.低カリウム(血清カリウムが上昇の場合)
5.水分制限 (症状に合わせる)
ただし、これらは原則で慢性腎炎など重篤な病気も含まれていますので、症状の重い軽いに合わせて実施されます。医師や栄養士の指示に従ってください。
急性腎炎の場合
1.塩分の制限
高血圧とむくみは、塩分摂取量と密接な関係があるので、塩分は、通常1日5g以下に制限されます。
2.タンパク質の過剰摂取を避ける
高タンパク食は、腎臓病の悪化を加速するので食べ過ぎないように!
体重60kgの人で約60gを目安に。
3.エネルギーを十分にとります。
エネルギーが不足するとタンパク質を十分に利用できないので、高カロリー食に!
体重60kgで1日1,800~2,000kcal。(標準体重1kg当たり30~35kcal)
ただし、肥満の人は、カロリーコントロールのためエネルギーを減らす場合もあります。
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肝臓の数値:GOT(AST)・GPT(ALT)

GOT(AST)・GPT(ALT)はともにアミノ酸をつくり出す酵素で、GPT(ALT)のほとんどは肝臓に存在する酵素で、GOT(AST)は、肝臓の細胞以外にも、心臓の筋肉や手足の筋肉、赤血球などにも含まれている酵素。
*従来「GOT(グルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミナーゼ)」、「GPT(グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ)」といたが、近年GOTを「AST(アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ)」、GPTを「ALT(アラニンアミノトランスフェラーゼ)」に変更し、国際的な標準になりつつある。
GPT(ALT)・GOT(AST)はともに肝臓の細胞が障害を受けると、血液中に酵素が流れ出すことで、GPT(ALT)・GOT(AST)の数値が上がります。
したがって、肝臓に異常があった場合は、ほとんどの場合GPT(ALT)・GOT(AST)両方の数値が上がります。
GPT(ALT)の大部分は肝細胞に含まれるので、GPT(ALT)の数値が高い場合は、肝臓病(肝臓の病気)が疑われます。
ただし、GOT(AST)の数値だけが高く、GPT(ALT)の数値が高くない場合は、心筋梗塞や筋肉の組織が壊れたなどということを判断する材料となります。
GPT(ALT)がGOT(AST)の数値を上回っているときは、脂肪肝や慢性肝炎 などが疑われ、GOT(AST)がGPT(ALT)の数値を上回っているときは、肝硬変、肝臓がん、アルコール性肝炎、心筋梗塞などが疑われます。
診断でわかる肝機能数値の正常値は以下の通りとなっています。
GOT(AST)…40IU/L単位以下
GPT(ALT)…40IU/L単位以下
GPT(ALT)・GOT(AST)が100以下(40IU/L単位以上で)の場合には、慢性肝炎、肝硬変、脂肪肝などが考えられる。100以上になるとウイルス性肝炎の疑いがある。
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肝臓の数値:γ-GTP

γ-GTPは、肝臓、腎臓、すい臓、脾臓、小腸などに含まれている解毒作用に関係している酵素で、アルコールに反応します。
このγ-GTPは肝臓や胆管の細胞が死んだときに血液中に流れ出すため、肝臓や胆管の細胞がどれくらい壊れたかを示す一つの指標になります。
特にアルコール性肝障害や、胆石で胆道が塞がれたときに数値は上がりやすいと言われています。
血液中にγ-GTPが流れ出ること自体は、体に悪いことではなく、γ-GTPがなぜ増えているのかということが注目すべきポイントです。
γ-GTP値が高いと、肝臓の細胞などが壊されているのではないかという恐れがあります。
診断でわかる肝機能数値の正常値は以下の通りとなっています。
γ-GTP(正常値)男性…50IU/L単位以下
γ-GTP(正常値)女性…32IU/L単位以下
正常値を下回っている分には問題ありませんが、数値が上回っている場合には、肝臓に負担がかかっていると考えられます。γ-GTPの数値が高くても100以下であれば、禁酒などお酒・アルコールを控えることで正常値に戻ると考えられます。
しかし、100以上であれば、脂肪肝が進行していると考えられるため、病院で診ていただくことをおすすめします。
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乳がんと間違えやすい症状:線維腺腫

線維腺腫は20~40歳代に多く見られ、特に30歳代に多いことが特徴的です。症状はしこりだけで、痛みを伴わないことがほとんどです。
しこりは球状または卵形でゴムのような弾力を持ちます。
片方の乳房に1つできることが多いのですが、数個できたり両方の乳房にできることもあります。
大きさは2~3cmぐらいで、5cmの大きさになるのは全体の3%ぐらいです。
若い方で乳房の形が変わるぐらい大きくなることもありますが、その場合は若年性線維腺腫と呼ばれています。
線維腺腫は女性ホルモンの影響で形成されると考えられており、ホルモンの分泌状態が変わると自然に消えてしまいます。そのため70~80歳になると線維腺腫のある方はまったくいなくなります。
診断は比較的簡単に済みますが、硬くてまわりが歪んでいるものは乳がんと間違えることもあります。若い方の診察の場合は、マンモグラフィでは乳腺が濃く写るため、しこりとして見つけにくい場合が多々あります。
超音波検査では乳腺は白く写り、しこりは黒く写りますので若い方でも分かります。両方の診察を受けて精度を上げる診察が、一番望ましいと思います。
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食道がんで使用する抗がん剤

食道がんを治療する化学療法のひとつに、抗がん剤治療があります。 食道がんに最も効果があるといわれている抗がん剤は、5-フルオロウラシルとシスプラチンの2種類で、通常この2つの薬を併用して、4、5日かけて点滴で投与します。
投与後の経過をみて、効果がみられるようであれば、3、4週間あけて再度投与をし、これを数回繰り返します。 抗がん剤だけで食道がんが完治することはなく、手術や放射線治療などとあわせて治療を進めていくことになります。 食道がんの場合、抗がん剤の副作用は、ほかのがんに比べて軽いといわれています。
嘔吐、下痢、発熱、倦怠感、貧血などのさまざまな症状があらわれ、白血球や赤血球の減少によって、感染症や発熱なども起こしやすくなります。また、シスプラチン特有の副作用として、腎機能の低下が起こります。 現在、抗がん剤の副作用を防ぐための薬の開発が進んでいるので、副作用は少しずつでも軽くなっていくものと思われます。
食道がんで使用する主な抗がん剤   
 名称          考えられる副作用
シスプラチン     嘔吐、血液障害、骨髄抑制、肝機能障害
ドセタキセル     髄抑制、倦怠感、食欲不振
ブレオマイシン    嘔吐、倦怠感、肺線維症
ネダプラチン     嘔吐、血液障害、腎機能障害
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ピロリ菌除菌治療に使う薬

ピロリ菌の除菌治療は「プロトンポンプ阻害剤(PPIと略します)+抗生剤(抗生物質)」という組み合わせで行われます。
PPIは潰瘍の薬で、胃酸の分泌を強力に抑える働きがあります。
抗生剤はいわゆる抗生物質のことで、ピロリ菌をやっつける薬です。PPIを一緒に使うことで胃の酸のために抗生剤が働かなくなってしまうのを防ぎます。
抗生剤2種類を、PPIとあわせて使うことから「3剤併用療法」と呼ばれます。
現在保険で認められているのは、PPIにランソプラゾール、抗生剤にアモキシシリンとクラリスロマイシンという組み合わせで1週間、全部で50錠ほどを飲むことになります。
平成14年12月より「ピロリ菌除菌治療」に飲む3種類の薬が1日分ごとにパックされました。
平成19年8月より、1回目の除菌治療が不成功だった患者さんには、クラリスロマイシンをメトロニダゾールに替えた「3剤併用療法」による、除菌治療も保険で認められました。
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抗がん剤が効くがんと効かないがん

抗がん剤はすべてのがんに有効というわけではありません。抗がん剤のがん細胞を死滅させる効果を薬剤感受性と言いますが,この薬剤感受性はがんの種類によって大きく異なり,もっとも効果のあるものから,ほとんど効果が期待できないものまで,4段階に分けることができます。
がんの組織型,病期によっても異なることがありますし,放射線治療など他の治療法と併用することで,効果が上がる場合もあります。
抗がん剤がよく効くがん
慢性・急性骨髄性白血病
悪性リンパ腫
精巣腫瘍
子宮絨毛腫瘍
小児がん
抗がん剤が比較的よく効くがん
小細胞肺がん
乳がん
卵巣がん
膀胱がん
骨肉腫 など
抗がん剤があまり効かないがん
胃がん
大腸がん
非小細胞肺がん
子宮がん
食道がん 
前立腺がん など
抗がん剤がほとんど効かないがん
肝臓がん
膵臓がん
腎臓がん
胆嚢がん
甲状腺がん など
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ピロリ菌除菌治療の失敗

ピロリ菌の除菌治療が成功したかどうかを確認することは重要です。
一度確認しても、2回までは保険で検査ができますので、再度確認してみることをおススメします。
1回目のピロリ菌除菌で成功しなかった場合には、二次除菌を行います。
ピロリ菌除菌治療が成功しない原因のほとんどは、使用した抗菌薬(クラリスロマイシン)に対する耐性菌です。この耐性菌を持つ人が増えているため、ピロリ菌の除菌の成功率は低下しつつあります。
このため、二次除菌では、別の抗菌薬(メトロニダゾール)を使います。ピロリ菌除菌治療の一次除菌と二次除菌をあわせると全体の95%は成功するとされています。
胃のあたりが痛いからと言って、必ずしも胃の病気とは限りません。
胆のう炎や胆石(タンセキ)、膵炎(スイエン)、膵臓ガンなど、胃以外の病気が胃の痛みとして感じられることもあるので、一度きちんと医師の診察を受けましょう。
 ピロリ菌の除菌治療は、あらゆる胃の病気の胃リスクを軽減させることは明らかですが、必ずしもすべてが解決するわけではありません。リスクのひとつが取り除かれたということだけなので、普段の食事などに気をつかい、胃に負担のかからない生活をすることも大切です。
食事に関しては、規則正しく1日3食きちんと食べること、脂っこいものや香辛料の強いものを食べすぎないことです。
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がんの種類別の抗がん剤

抗がん剤は種類によって投与期間や作用が異なります。副作用は薬によってさまざまで、反応は個人差が大きく、効果は患者さんによってだいぶ差があります。
がんの種類、進行度、体調などに合わせて、できるだけ副作用が軽く効果的な抗がん剤治療を行うよう管理します。
脳腫瘍
分子量が小さく血液脳関門への透過性があるアルキル化剤のニムスチン、ラニムスチン、テモゾロミドなどが用いられる。
頭頸部がん
代表的なものにシスプラチンとフルオロウラシルの併用療法がある。この2剤に加えドセタキセルが用いる場合もある。
肺がん
シスプラチンまたはカルボプラチンに別の抗がん剤を加えた2剤併用療法が標準的な治療法である。EGFR遺伝子変異をもつ非小細胞肺がんに対して、イレッサは特に治療効果の高いことが分かっている。
乳がん
CMF療法(シクロホスファミド、メトレキサート、フルオロウラシルの組み合せ)、CAF療法(シクロホスファミド、ドキソルビシン、フルオロウラシルの組み合せ)、AC療法(アドリアマイシン、シクロフォスファミドの組み合せ)などが行われる。
食道がん
放射線療法と同時にPF療法(シスプラチンとフルオロウラシルの組合せ)を中心に、他の抗がん剤を組み合わせた多剤併用が一般的である。
胃がん
フルオロウラシルが中心に用いられる。胃がんは比較的、抗がん剤の効きが良くないといわれるが、テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム(TS-1)、アドリアマイシン、シスプラチン、イリノテカン、パクリタキセル、ドセタキセルなどの登場で抗がん剤治療が飛躍的に進歩した。
大腸がん
フルオロウラシル、イリノテカン、オキサリプラチン、テガフール・ウラシルなどの抗がん剤を組み合わせた投与が行われる。なお、ホリナートはこれらの抗がん剤の補助として併用される。これら抗がん剤と併用することによって、奏功が期待される分子標的治療薬にアバスチンがある。
胆嚢がん
標準治療が確立されていないが、ゲムシタビンが標準として使われている。
膵臓がん
ゲムシタビン、S-1が第一選択薬として推奨されるようになり、従来に比べて予後が良好であることが分かっている。ゲムシタビンにS-1を併用して良好な奏功率が示されている。
腎臓がん
インターフェロンなどの治療が行われていたが、近年、分子標的薬のソラフェニブとスニチニブが腎臓がんを適応として承認され、腎臓がん治療に新しい門戸を開いた。
膀胱がん
メトトレキサート、ビンブラスチン、ドキソルビシン、シスプラチンを組合せたM-VAC療法、ゲムシタビシンとシスプラチンを組み合わせたGC療法が標準的な化学療法として行われる。
前立腺がん
前立腺がんではホルモン療法が主に行われている。2008年にドセタキセルの適応が承認され、化学療法に新たな道が開かれた。
子宮がん
子宮体がんには、シスプラチン、アドリアマイシン、パクリタキセルの組合せが主に行われている。
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前立腺肥大症の治療:尿道カテーテル

前立腺肥大症が進行して膀胱の出口が塞がれ、いよいよ尿がでなくなった場合、狭くなった尿道を通 して膀胱の中に管(カテーテル)を挿入し、尿を出すことです。
尿道カテーテルは2-4週間で交換します。カテーテルをしたまま風呂に入ることもでき、普通 とあまり変わらない生活を送れます。 しかし、長期間の留置は結石形成しやすくなり、膀胱炎を生じることになります。
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前立腺肥大症の治療:高温度治療

患者の負担の少ない、日帰りでできる手術です。手術時間は約1時間、効果は半年から1年くらい続きます。
尿道の表面に麻酔をしてから、カテーテルを挿入し、マイクロ波をあてて、前立腺を45度~55度に加熱します。焼けた前立腺は組織破壊をおこし、縮小します。発想は電子レンジで食べ物を温めるのと同じです。
このとき尿道がやけどをするのではないかと心配になりますが、挿入したカテーテルに絶えず水を還流させて冷やしますので、やけどの心配はありません。
■メリット
①日帰りでできる
②逆行性射精が10パーセント弱の確立でしかおきない
■デメリット
①治療後症状の改善に1~2週間かかる、治療直後はかえって尿はでにくくなる
②効果が1年くらいしかもたない
治療中は前立腺を温めるため、オシッコガしたくなります。しかし、尿道にはカテーテルが入っていますので、おしっこはできません。また、麻酔をしますが痛みを訴える人もいます。
治療後は、前立腺が焼けているため刺激があり一晩中尿意を感じる人もいます。
治療後2日間は尿道にカテーテルを挿入したままなので、不快感があります。その間ペニスの先から4、5cmカテーテルがでたままです。カテーテルには蓋がついていますので尿が漏れることはありません。
カテーテルは2日後に病院で取り除きます。
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前立腺肥大症の治療(薬)

植物エキス剤:エビプロスタット、パラプロスト、 セルニルトン:
症状を緩和する作用があり、夜間頻尿・残尿感・切迫尿意などを軽減し、時には症状が消失するほどの効果 もあります。前立腺そのものを小さくするほどの効果は少ない。副作用が少なく、使いやすい薬です。
漢方薬:八味地黄丸、牛車腎気丸 :上記の薬物のように症状を緩和します。症例によっては非常に効果 があります。量が多いのが飲みにくいこともあります。
交感神経抑制剤(α-ブロッカー):ミニプレス、ハルナール、 フリバス、デアタントール :
膀胱の出口が前立腺によって塞がれて狭くなっているので尿がでにくいが、ここを広げる作用があります。排尿効率がよくなり、尿の勢いがよくなります。全身の血管も広げるので血圧が低下するため、起立性低血圧を生じ立ち上がるときふらふらすることがあります。
女性ホルモン剤:プロスタール、パーセリン:
前立腺そのものを少し小さくする作用があります。副作用があり、女性化し、勃起障害になることがあります。食欲がでてくることで太り、心臓に負担がくることもあります。
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大腸がんの治療:開腹手術

内視鏡や腹腔鏡手術もさかんに行われるようになりましたが,大腸がんではリンパ節への転移が見られることが多く,現在でも大腸がんではリンパ節廓清のしやすい開腹手術が主流です。
 
 大腸がんの根治手術は転移からの発症を防ぐため病巣から約10cmくらい離れたところまでを切除し,腸管に近い1群のリンパ節だけでなく2群,~3群までのリンパ節を廓清し,腸管を縫合する方法が一般的です。また結腸がんの場合このような方法でも,手術後の機能障害はほとんど起こりません。
 直腸がんの根治手術は進行がんの場合,多くの問題を克服しなければなりません。それは直腸の周囲には,膀胱や尿道,前立腺,子宮,膣などの泌尿器,生殖器などがあり,さらに肛門など重要な器官があるからです。
 直腸がんの根治手術は,大きくわけて2種類あります。その一つは直腸とともに肛門も切除し,S状結腸に人工肛門(ストーマ)をつくる方法であり,もう一つは肛門括約筋を残して,直腸を切除し,腸管を縫合して肛門をそのまま機能させる括約筋温存直腸切除術です。
 現在では直腸がんの手術で約70%が肛門が温存され,下部の直腸がんでも約50%が温存されるようになってきています。
 さらに最近では泌尿器や生殖器の機能に関係する自律神経を温存させる手術も確立し,術後のQOLの低下を抑えることができるようになりました。
 これはがんの進行状態に応じて,個々の神経を見分け,自律神経をできるだけ残しながら病巣だけを切除していくというもので,この日本の直腸がん手術のレベルは世界最高水準にあるといわれています。
 しかし,病期が3期以降では骨盤内臓器全摘出手術が行われることもあり,この場合,排尿機能や性機能は温存できなくなります。
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大腸がんの治療:腹腔鏡手術

早期がんでも,内視鏡的治療が困難な大きながんには腹腔鏡手術が行われます。また最近では進行がんでも腹腔鏡手術が行われるようになりました。この方法は開腹手術に比べ,患者の負担が少ないというメリットがあります。
 しかし,進行がんに対しても開腹手術と同等の安全性や治療成績が得られるかどうかは評価が定まらず,現在,国内では進行がんに対する腹腔鏡手術と開腹手術の臨床比較試験が実施されています。
 今後,患者への負担の少ない腹腔鏡手術はその適応範囲が拡大されると予想され,腹腔鏡手術を行う病院も増加しています。
 開腹手術と比較した場合,痛み止めは開腹手術が平均して3~5日に対し,腹腔鏡は2~3日ですみます。また退院までの日数は開腹手術が10日前後に対して,腹腔鏡は1週間前後といわれています。
 確かに,このように患者の負担が少ないことは事実ですが,高度なリンパ節郭清は技術が要求されるだけでなく,腹腔鏡手術は歴史が浅いため,病院や医師によっては経験が不足している点も否定できません。
 日本内視鏡外科学会の調査では,2006年からの2年間で大腸がんの腹腔鏡手術で縫合不全や出血などが原因で11人が死亡したと報告しています。
 したがって,腹腔鏡手術を受ける際には,その医療機関の実績などをよく調査しておくいことも必要でしょう。
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大腸がんの治療:内視鏡手術

がんが粘膜下層まで浸潤しておらず,リンパ節への転移がないものは早期がんに分類されこの場合約60%が内視鏡手術で治療できます。
 現在では早期がんは適切な治療を施せば100%治癒すると言われています。早期がんと診断されるのは大腸がんと診断される人の20~30%です。
 大腸早期がんで20mmまでのポリープ状のものは大腸ファイバースコープを入れ,スネアというリング状の器具でポリープを締め上げ,高周波電流で焼き切るポリペクトミーと呼ばれる治療が一般的です。
 また扁平なポリープには生理食塩水を注射し患部を浮き上がらせてスネアで締め上げ焼き切るストリップバイオプシーと呼ばれる治療法もあります。
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ピロリ菌の除菌方法

胃・十二指腸潰瘍のある人に限って、2000年11月からピロリ菌の除菌療法が保険適用になりました。
 一次除菌法
 PPI(プロトンポンプ阻害薬)+AMPC(アモキシシリン)+CAM(クラリスロマイシン)の3種類の薬を、朝夕の食後に1週間服用します。PPIはランソプラゾール、オメプラゾール、ラベプラゾールナトリウムのうち、どれか1種類を使います。
一次除菌で除菌が成功しなかった場合、使用する抗菌薬の種類を変えて二次除菌を行います。一次除菌で使ったものと同じ薬剤の量を増やして繰り返しても、成功率は極めて低いので、必ず種類を変えて行うことが必要です。
 二次除菌法
 PPI(プロトンポンプ阻害薬)+AMPC(アモキシシリン:商品名はサワシリンなど)+MNZ(メトロニダゾール:商品名はフラジールなど)の3種類の薬を、朝夕の食後に1週間服用します。
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肺がんの最新治療法:光線力学的療法(PDT)

光線力学的療法(PDT)とは、気管支鏡を挿入してレーザー光線を発射し、がんを破壊することができる肺がんの治療法です。
従来の方法では、レーザー光線を当てるだけではがんを完全に破壊できなかったり、他の正常な細胞まで傷つけるおそれがあったのですが、がんに集まりやすく、レーザー光線に反応しやすい特殊な物質を新たに使うことでピンポイントで治療ができるようになりました。施行するには諸条件がありますが、メリットも多くあります。
PDTのメリットは、体への負担が軽くてすむという点です。胸を切らないで治療が可能なため、患者さんの身体的・心理的な負担がかなり軽くなります。呼吸機能も損なう心配がありません。
また早期の肺がんならほぼ完治できます。直径1cmまでの早期肺がんならば、完治する割合は9割以上という報告があります。
PDTを受けるための条件
PDTでもすべての種類の肺がんが治療できるわけではなく、早期の中心型肺がんに限られています。PDTは気管支鏡の挿入ができる範囲内のがんでなければならないのです。他に細かい条件をあげると以下のようなものがあります。
がんの大きさが1cm以下
正常な組織との境目がはっきりと分かること
肝機能が正常なこと
外科手術が困難であること(呼吸機能が低下している)
非小細胞肺がんであること

健康保険も1996年から適用されているため、経済的な負担も軽い治療法です。
PDTでの治療後には、強い日焼けに注意が必要です。レーザー照射時に光に反応する物質を注射されますが、太陽の光などの強い紫外線にさらされると、日焼けを起こす場合があります。光線過敏症の検査に通るまでは、病室でもカーテンを閉めて直射日光を防ぐようにします。
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粘膜下筋腫とは

子宮筋腫の中でも、症例が最も少ない子宮筋腫が粘膜下筋腫です。およそ子宮筋腫の10%が粘膜下筋腫と言われています。粘膜下筋腫は、子宮の子宮内膜の下に出来る子宮筋腫で、最も重篤な子宮筋腫の部類に入ります。
粘膜下筋腫の特徴は、子宮内部に向かって大きくなることで、外に向かって大きくなるしょう膜下筋腫とは正反対です。大きさに関わらず出血を起こしやすくなり、過多月経などの傾向を示すのも、粘膜下筋腫の特徴ですが、受精卵の着床する子宮内膜の近くに出来るため、不妊や流産の原因になることが多く、粘膜下筋腫が大きくなると、筋腫分娩と言われる、腫瘍が膣からはみ出してくることも有ります。
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筋層内筋腫とは

筋層内筋腫は、子宮筋層と言われる平滑筋の内にできる子宮筋腫です。子宮筋腫の中で最も多い症例ですが、大きくならなけば、さしたる問題は起こしません。
大きくなると子宮を変形させる恐れがあり、過多月経や腹痛、腰痛などの他に、不妊などの原因となります。妊娠しても流産してしまう場合もあり、注意が必要です。
月経時や妊娠時などの女性衣ホルモンの分泌が活発になると大きくなる特徴があります。その時期を過ぎると、月経の症状とともに治まり、小さくなるりますが、毎回月経が過多月経の場合は、慢性化して子宮が変形している場合も考えられますから、不妊に悩んでいる方は、早めに婦人科の診察を受けることが不可欠です。
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しょう膜下筋腫とは

しょう膜下筋腫は、子宮の一番外側の組織であるしょう膜と子宮筋層と言われる1~2cmの厚さの筋肉層の間にできる子宮筋腫です。
しょう膜下筋腫は、子宮の外側に向かって大きくなる特徴があり、かなり大きくなる傾向にありますが、ほとんど痛みを感じることもなく、人によっては太ったと勘違いされるケースもあるほどです。
不妊などの障害を起こす事もほとんどなく、自覚症状のないまま閉経を迎えるタイプの子宮筋腫で、子宮筋腫の20%ぐらいがしょう膜下筋腫といわれています。
しょう膜下筋腫は大きくなると、下腹部のしこりや腹痛、頻尿などの症状が出る場合があります。
また症例は少ないのですが、子宮の外側に伸びたしょう膜下筋腫が捻転を起こすと、激しい腹痛に見舞われる場合があります。
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子宮筋腫とガン

子宮筋腫と診断された人は、子宮筋腫が腫瘍と聞かされるとガンと勘違いされる方も多くいらっしゃいます。しかし子宮筋腫子宮ガンとは全く別物です。
子宮筋腫は女性の30%以上がかかっている病気で、月経や妊娠の時など女性ホルモンの分泌の多いときに、お腹野の痛みや腰痛、貧血などがひどくなる事はあっても、生死に関わるような問題にはなりません。
子宮筋腫は腫瘍と言っても良性のもので、悪性腫瘍のガンのように、増殖して身体の組織を破壊するような事はありません。
子宮筋腫が不妊の原因になることも有りますから、注意が必要です。子宮筋腫が見つけられるのは、定期検診の子宮ガンの検査の場合が多いですが、ほとんどは経過観察をして、変化がなければ、治療の必要もありません。
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子宮筋腫の種類

子宮筋腫には、発生する場所によって幾つかの種類があります。子宮の構造は三角形をした子宮腔の粘膜層を、2cm程度のの子宮筋層と言われる伸縮性のある平滑筋が覆っていて、更にその表面をしょう膜と言う薄い筋肉が包んだ形になっています。
子宮の先端部分には膣があり、外性器に繋がっています。子宮筋腫は、これらの子宮の組織に出来ますが、子宮の外側を覆っているしょう膜の下に出来る子宮筋腫をしょう膜下筋腫、子宮筋に出来る子宮筋腫を筋層内筋腫、子宮腔に出来る子宮筋腫を粘膜下筋腫と言います。
通常一番多い症例は、筋層内筋で子宮筋腫全体の70%に及びます。次にしょう膜下筋腫腫ですが子宮筋腫の20%、粘膜下筋腫は最も少なく10%となっています。
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子宮筋腫の特徴

子宮筋腫の特徴は、症状が現れにくいと言う点です。女性の30%近くが子宮筋腫になっていると言われているにもかかわらず、ほとんどの人が気付かないまま閉経を迎えてしまいます。
子宮筋腫になると、月経過多、生理痛、貧血を起こす場合がありますが、妊娠中でも子宮筋腫は大きくなります。
女性ホルモンの分泌が減少した場合、子宮筋腫も小さくなり、このような症状を繰り返しながら、閉経を迎えると、子宮筋腫は小さくなっていきます。
このような経過を見せる子宮筋腫は、その発生発育に女性ホルモンの分泌が深い関わりがあるとされていて、女性ホルモンの分泌がもっとも多くなる30歳代を境に、子宮筋腫の症状が顕著に現れる傾向にあります。
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子宮の病気:子宮筋腫

子宮筋腫とは
子宮に出来る良性の腫瘍を言います。悪性の子宮がんとは別物で、30歳代の女性なら、20%から30%の確率で、子宮筋腫にかかっていると言われています。そのうち手術などの治療が必要なケースは3%ほどと言われています。
子宮筋腫に関しては、今だハッキリした原因は究明されていませんが、女性ホルモンに関しての何らかの障害によると考えられています。原因については諸説混交で、女性の出産率や環境ホルモン、食生活やストレスなど色々な仮説が立てられています。
症状は、腰痛、出血、貧血、頻尿など、個人差があって、症状だけで子宮筋腫と診断する事は、専門医でも困難と言われています。兎も角も子宮筋腫と診断されても、慌てる必要はなく、子宮筋腫と知らないまま、閉経を迎える人もいるくらいです。
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ピロリ菌の感染経路

ピロリ菌の感染率は、衛生状態のよくない地域ほど高くなっています。ハッキリとした感染経路はわかっていませんが、井戸水や湧水、食べ物などと何らかの関係があることが指摘されています。ピロリ菌は、免疫力が低い5歳以下の子どもに感染することがわかっています。
 日本での感染率は、戦前戦後の衛生状態の悪い時代に幼少期を過ごした高齢者ほど感染率が高く、60歳以上の世代では約80%となっています。しかし、衛生状態のよくなった現在では若者の感染率は低下します。
 ピロリ菌に感染した人のすべてが、胃・十二指腸潰瘍を発症するというわけではなく、ピロリ菌感染者のうち、胃・十二指腸潰瘍を発症するのは2~3%となっています。
日本での消化性潰瘍の患者数およそ80万人中、ピロリ菌感染者は胃潰瘍で約70%、十二指腸潰瘍で約90%であることがわかっており、ピロリ菌と胃・十二指腸潰瘍には深い関係があると考えられています。
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胃がん手術後の食生活

胃を切除した後にまず心配になるのが毎日の食事についてです。ただ、食事の内容自体は、それほど変更する必要はありません。
軽い注意点としては、脂肪分をとり過ぎないことです。それよりも重要なのは、「食べ方」をよく心がけることになります。
手術前と同じように早食いなどをしようとすると、さまざまな不快な症状があらわれてくるからです。胃の機能は以前と同じではなくなっているので、それに合わせた食べ方も必要になってきます。
胃切除のあとに起こりがちなこと
すぐにおなかがすく
少しずつしか食べられない
早食いすると苦しくなる
食事のあと、動悸やめまいがする
下痢をしやすい
おならがよく出る
空腹時に低血糖症状があらわれる

食後の不快な症状の多くは、ダンピング症候群と呼ばれるものです。これは、胃の幽門を切除した場合や、全部摘出した場合などに起こりやすいとされています。
食後30分以内:早期ダンピング症状
症状:めまい、動悸、発汗、眠気、下痢など
腸の消化液の分泌が増して、水分やホルモン量のバランスが崩れることから生じます。
食後2、3時間後:後期ダンピング症状
症状:倦怠感、脱力感、めまい、冷や汗、ふるえなど
食後の急激な高血糖状態に対し、血糖を下げるホルモンである「インスリン」が膵臓から大量に分泌されます。その結果、血糖が下がりすぎて症状が発生します。
ゆっくり少しずつよく噛むことが大切胃の切除後は、少しの食事でもすぐにおなかがいっぱいになります。このときに食事を取りすぎると、ダンピング症状が起こりやすくなってしまいます。
はじめは1日5食を目標にして、徐々に量を増やしていくというスタンスをとりましょう。
食事中の心がけ
1回の食事は30分の時間をかける
胃の働きが悪くなっているので、早食いは消化不良やつかえ、苦しみの原因になります。食べる量は減っていても、食事にかける時間は最低でも30分はとるようにしましょう。飲食物が流れるペースを自分で調整しましょう。
少量でとどめる術前はまだまだ食べれたかもしれませんが、控えめにしましょう。食べられる量にも個人差がありますが、さっきも述べたように、食べすぎはダンピング症状のもとにもなります。
食べていかないと体力がつかないと心配するかもしれませんが、食べすぎも体に良くありません。
一口ごとに箸をおく飲み込んだ飲食物が流れていったのを確認してから、次の一口へ手を出すには、毎回箸を置いて休憩するのがよい方法です。一気に食べるのを防ぐこともできます。
食後の過ごし方ですが、しばらくは横たわって休むようにしましょう。小腸への飲食物の流れをゆっくりにすることができます。また、飲食物がつかえて苦しいときは、思い切って吐いてしまうと、楽になることがあります。
人によっては、食後に軽い運動をしたほうがよい場合もあります。
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膵臓癌の検査:PET検査

PET(陽電子放射断層撮影)検査は、がん細胞が正常細胞よりも糖分を多く必要とする性質を活かし、陽電子を放出するブドウ糖に似た薬剤を利用し、体内での薬剤の分布を画像化する診断法です。
CT検査やMRI検査が形態を画像化するのに対し、PET検査は細胞の活動性に応じて薬剤が集まる原理を利用することで、細胞の代謝の状態を画像化する検査です。また、PET検査は1回の検査で全身において、がんの検査を行うことができることが大きな特徴です。
しかし、全てのがんをPET検査で早期に発見できるわけでありません。薬剤の集積が少ない性質のがんもありますし、消化管粘膜に発生する極早期のがんの発見は困難です。また、薬剤は炎症部にも集まる性質をもつため炎症部とがんとの区別が難しいという問題もあります。
PET検査で発見されやすいがんとしては、肺がん、食道がん、膵臓がん、大腸がん、乳がんがあげられ、さらに、いままでの検診では見つけることが困難であった甲状腺がん、悪性リンパ腫、卵巣がん、子宮体がんが発見できることが期待されています。
他胃がん、腎がん、尿道がん、膀胱がん、前立腺がん、肝細胞がん、胆道がん、白血病など場所によっては有用性が低い場合があるともいわれています。
PET検査は平成14年度に一部の疾患(※)の診断に限って保険が適応されるようになりましたが、その他の適応外の疾患や検診は全額自己負担となるため、かなり高額な検査になります。
また、薬剤の製造装置および撮影装置の設備費用が非常に高く、検査可能な医療機関は限られています。
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膵臓癌の検査:CT検査

CT検査は身体にあらゆる角度からX線照射し、得られた情報をコンピューターで解析するものです。造影剤を使う場合と使わない場合がありますが、造影剤を用いる方法では病変がより鮮明に描き出され、検査したい臓器やその周辺をミリ単位の断層写真として観察できます。
CT検査の結果はX線検査や内視鏡検査の結果と総合して病気を判定することに役立っています。また、がん治療(化学療法や放射線療法など)の効果の把握などにも用いられています。
膵臓の場合は造影剤を静脈から注射して行うダイナミックCT検査によって、鮮明な画像を映し出すことができるようになりました。膵がんの診断だけでなく、膵がんで心配な肝臓やリンパ節への転移や、周りの臓器への浸潤の確認が可能です。
また、手術の判断にも役立っています。膵頭部がんでは、腫瘍部がやや黒くなり、それより末梢の主膵管がやや拡張します。膵体がん、膵尾部がんでも同じ像が映し出されます。これにより腫瘍部より先にどのくらい正常組織が残っているか推測できます。
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抗がん剤治療の苦痛

化学療法では、多くの抗がん剤を使いますが、投与量を増やすと、がん細胞をたたく効果が大きくなります。
その分健康な細胞への副作用も大きくなるのです。これは多くの抗がん剤で、まだがん細胞だけに作用する薬が開発されていないために、他の正常な細胞にまで作用してしまうのです。
副作用のない抗がん剤はありません。
非小細胞がんの治療に使われるシスプラチンという注射薬の場合、受けた人のほとんどに吐き気、嘔吐がみられます。
抗がん剤のなかでも、シスプラチンは、特にこの症状が出ます。
このほか、食欲不振、口内炎、下痢、便秘といったことも起きます。
また、腎臓への影響も心配されています。
非小細胞がんに対しては、1日1回注射して3週以上休薬という使い方をしますが、吐き気などは注射してから数時間で始まり、短くて1日、長ければ3、4日続きます。
この吐き気に対しては、オンダンセトロンという薬が効きますが、薬の副作用のために、さらに薬を使うことはつらいものです。
腎臓害に対しては、シスプラチンを中止せざるをえなくなります。
放置しておくと、肺炎などの重い症状が出てくることもあります。
副作用については個人差もあり、我慢の限界も人によって異なりますので、抗がん剤の継続使用については主治医とよく相談して決めるのがよいでしょう。
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大腸ポリープ:治療の方法

腫瘍性ポリープである腺腫は、前がん病変と考えられるので、内視鏡を使って切除します。
有茎性(粘膜面から茎をもって発育している形態)であれば内視鏡的ポリペクトミー(ポリープ切除術)、無茎性であれば内視鏡的粘膜切除術(EMR、コラム)が行われます。
これらの方法によってポリープ全体を組織学的に検査することが可能になり、診断と治療の両方を兼ねることができます。
腺腫のなかでも、カーペット状の形態をした大きな無茎隆起は結節集簇様病変と呼ばれ、分割切除によるEMRが行われます。
このような大きな病変を一括して切除するために、内視鏡的粘膜下層剥離(はくり)術(ESD、コラム)や、腹腔鏡を用いた手術が行われることもあります。
 近年、ポリープと形が異なり、平坦なあるいは、わずかに陥凹した腺腫が数多く発見されています。
この病変はEMRによって治療されますが、ポリープの形をした腺腫よりも一般的に悪性度が高いため、これを見落とさないように注意することが大切です。
 非腫瘍性ポリープは通常がん化することはないので、積極的に切除する必要はありません。しかし、有茎性で大きなポリープは出血や腸重積を起こす可能性があるので、内視鏡的ポリペクトミーを行います。
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大腸ポリープ:検査と診断

検診の目的で受けた便潜血テストが陽性の患者に対しては、大腸内視鏡検査または注腸造影X線検査が行われます。
どちらの方法でも診断は可能ですが、最近は、ポリープ発見時ただちに組織検査(鉗子(かんし)を使った生検法あるいは高周波発生装置を使ったポリープ切除術・粘膜切除術)が可能である大腸内視鏡検査のほうが優先される傾向にあります。
 ポリープの性状診断は、顕微鏡を使った病理組織学的検査で確定されます。最近では、鉗子生検診断を待つまでもなく、70倍の拡大機能をもつ内視鏡(拡大内視鏡検査)や、特定波長の光で観察する内視鏡(NBI内視鏡検査)によって、ポリープ表面の細かい模様を観察するだけで即座に性状診断が行えるようになってきました。
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大腸ポリープ:症状の現れ方

小さなポリープは無症状のものがほとんどですが、ポリープが大きくなると血便が起こります。
ポリープの大きさや存在部位によって、便に鮮血が付着する場合と、肉眼的には異常を認めず、
便潜血テスト陽性で初めて血便に気づく場合があります。とくに、非腫瘍性の若年性ポリープは出血しやすいのが特徴です。
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大腸ポリープ:原因

がんと同様、腺腫は生活習慣などの環境要因と遺伝要因が絡み合って起こると考えられています。
 
前者では食事が最も重要であり、高脂肪・低繊維食が危険因子とされています。
高脂肪食によって腸内の発がん物質が増加する一方で、繊維成分を抑えた食事は糞便の排出を遅らせ、その結果、発がん物質が腸内に長時間たまり、大腸腺腫やがんが発生しやすくなると考えられています。
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子宮がん治療・手術:3期・4期

子宮頸がんの3期の治癒率は約36.7%、4期の治癒率は約14.8%といわれています。
3期や4期では放射線療法、化学療法、免疫療法などがあり、放射線療法がまず第一選択として行われます。
この放射線療法では遠隔からの外照射と膣からの膣内照射を組み合わせながら治療を行います。
また、治癒力を高めるために化学療法や免疫療法なども行われることがあります。
子宮頸がんの放射線療法による後遺症など治療中に出る合併症としては、皮膚炎、食欲不振、下痢、嘔吐などです。嘔吐や悪心といった放射線宿酔は治療後1週間後ぐらいで治まるといわれています。
そして放射線療法による治療後の合併症には、放射線膀胱炎、放射線腸炎などによる頻尿、血尿、下痢、血便などがあります。このような合併症は治療後2~3週間後などにあらわれやすいですが、通常は治まります。
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子宮がん治療・手術:2期

子宮頸がんの2期の治癒率は約60.3%といわれています。
2期では広汎子宮全摘出術や骨盤リンパ節郭清術などが主に行われます。広汎子宮全摘出術では子宮だけではなく子宮、卵巣、卵管、子宮を支えている靭帯などの周辺組織、膣、卵巣などを摘出します。
骨盤リンパ節郭清術ではリンパ節をきれいに切除します。
広汎子宮全摘出術の手術による影響広汎子宮全摘出術では、切除する範囲が広く、骨盤神経が切断されるため、合併症が起こる可能性が高くなります。
合併症には排尿困難などの膀胱機能障害や、直腸麻痺(便秘)、足のむくみ、膣の短小化による性交障害や内分泌障害などがあります。
膀胱機能障害や便秘などは骨盤神経叢を手術で傷つくことが原因であり、足のむくみなどはリンパ節郭清術でリンパの流れが悪くなることで、リンパ浮腫といわれるむくみが起こりやすくなります。
内分泌障害は卵巣摘出による影響で起こります。
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子宮がん治療・手術:1b期

子宮頸がんの1b期の治癒率は約76.6%といわれています。
1b期では広汎子宮全摘出術や骨盤リンパ節郭清術などが主に行われます。広汎子宮全摘出術では子宮だけではなく子宮、卵巣、卵管、子宮を支えている靭帯などを骨盤壁近くまで摘出し、膣の一部も摘出します。
骨盤リンパ節郭清術ではリンパ節をきれいに切除します。
広汎子宮全摘出術の手術による影響広汎子宮全摘出術では、切除する範囲が広くなるため、合併症が起こる可能性があります。合併症には排尿困難などの膀胱機能障害や便秘、足のむくみなどがあります。
膀胱機能障害や便秘などは骨盤神経叢を手術で傷つくことが原因であり、足のむくみなどはリンパ節郭清術でリンパの流れが悪くなることで、リンパ浮腫といわれるむくみが起こりやすくなります。
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子宮がん治療・手術:1a期

子宮頸がんの1a期の治癒率は約92.5%といわれています。
治療方法は手術が基本で円錐切除術や単純子宮全摘出術、準広汎子宮全摘出術などが行われます。また、1a期の場合はレーザを照射してがん細胞を死滅させる光線力学療法などもあります。
1a期と単純子宮全摘出術について単純子宮全摘出術とは子宮だけを切除する方法で、1a期で子宮頸がんで妊娠を望んでいない方などに行われます。
単純子宮全摘出術には腹式と膣式があり、腹式はおなかを切りますが、膣式では膣から行う手術です。患者さんの負担としては膣式の方が負担が軽い上に、腹膜炎や腸閉塞などの合併症の可能性も低いです。
1a期の子宮頸がんの場合はリンパ節転移の可能性も低いため、単純子宮全摘出術によって終わります。
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子宮がん治療・手術:0期

子宮頸がんの0期の治療の場合は、5年生存率はほぼ100%といわれています。
治療方法は手術が基本で円錐切除術や単純子宮全摘出術が行われます。また、0期の場合はレーザを照射してがん細胞を死滅させる光線力学療法などもあります。
O期の子宮頸がんと円錐切除術
円錐切除術は主に0期の患者さんが対象で、子宮頸部を膣の方からくりぬく手術法で、高周波電流を流すことで患部を切除します。
がんが子宮頸部にとどまっているときに可能な手術法ですが、術後に妊娠・出産できる可能性がありますし、入院期間や手術時間が短いという、患者さんの負担が軽くなる特徴があります。
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肺がんの痛みの原因

肺がんは痛いというイメージが定着しています。
最近ではきちんと対処すれば痛みは、かなりの確率で抑えることができることがわかっています。
進行したがんの場合でも、痛みが出るのは、7割で、約4割の人は痛みを完全に取り除くことができると言われています。
進行したがんのうち、半分の人はまったく痛みのない生活を送ることができます。また、完全に痛みをとることはできなくても、モルヒネなどの鎮痛剤を使用すれば、かなり抑えることができます。
進行したがんならば、どのような種類のがんでも痛みが出てくるというわけでもありません。
血液のがん、肝臓がんなどは痛みが出ることは少ないのですが、肺がんは、痛みが出る可能性が、他のがんに比べるとかなり高くなっています。
特に骨に転移した場合には、激痛が出てくるようです。がんが骨や内臓に転移することに伴って肋骨、背骨、お腹などで痛みが生じたり、尿管を閉塞することで痛みが生じたりします。
がんそのものが痛みを生むのではありません。肺がんの塊が大きくなり、神経を圧迫することによって痛みが起こります。
神経が分布している場所にがん細胞が入り込むと痛みが出てきます。
特に脊髄を圧迫する場合は激痛に襲われるようです。
がんが神経に入り込むと、しびれや「熱い」ような感じがする灼熱痛が起こります。
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