子宮内膜症と経血量

経血量は過多月経の目安になりますが、子宮内膜症になった場合は、月経時でなくとも経血が起こり、明らかに異常であると判断されます。
月経時の経血量が異常に多い場合、例えば昼夜を分かたず、タンポンとナフキンの併用を余儀なくさせられる程経血の量が多くなったり、おりもや血の塊が出てきたりする場合は、子宮内膜症を疑うべきでしょう。経血量が多くなることで貧血になったりもしますが、総じて経血量が月経を重ねる度に増えていきます。
子宮筋腫は症状が軽減する事は、生理のサイクルで増減はあったとしても、生理の同じ時期にくると同じような症状が出てきて、悪化していきます。経血量についても同じで、経血量が多いというよりも、多くなる傾向になって継続する場合に注意が必要と言う事です。
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大腸がんと似た症状:大腸憩室症

大腸や小腸の内壁の粘膜が、腸管の外側に袋状になって出っ張ってしまう病気で、後天性と先天性の場合に分けられます。
一般的にはどちらも無症状である場合は多いので心配ありませんが、袋状の部分に便が詰まり炎症を起こす場合もあります。その炎症がひどくなると潰瘍になり出血を伴うこともあるので、大腸がんのときの血便も見られることがあります。
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前立腺肥大症の治療薬

前立腺肥大症の治療薬には、α-遮断薬、植物製剤、ホルモン療法剤、漢方薬などがあります。また、前立腺肥大症の治療法は薬物療法と外科的療法があり、症状が軽いと薬物療法が行われ症状が重い場合は外科的療法が行われます。
前立腺肥大症の治療薬~α-遮断薬
α-遮断薬は前立腺の緊張を抑え尿道を広げる作用があります。前立腺の組織には交感神経が分布しており、この交感神経が興奮すると前立腺の筋肉が緊張した状態になるため尿道が狭くなり排尿が困難になります。
エブランチル、フリバス、アビショット、ハルナール、ミニプレス
前立腺肥大症の治療薬~植物製剤
前立腺の炎症を抑え浮腫を取る作用があります。
セルにトン、エビプロスタット
前立腺肥大症の治療薬~ホルモン療法剤
前立腺を小さくする働きを持った抗男性ホルモン剤が使われます。
プロスタール、プロステチン
前立腺肥大症の治療薬~漢方薬
排尿困難を改善するとされています。
八味地黄丸、桂枝茯苓丸、猪苓湯
前立腺と同じような症状でも違う病気の場合もありますので、泌尿器科できちんと診断を受けることが大切です。
前立腺肥大と診断された場合は、尿意を我慢しない、体を冷やさない、便秘に注意する、アルコールを控える、長時間座らない、かぜ薬や胃腸薬の中に尿の出方を悪くする成分があるので勝手に服用しないなど注意した生活を心がけます。
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在宅透析のメリット・デメリット

在宅血液透析
在宅血液透析ならば通院する必要がなく、自分の予定に合わせて透析が可能となります。4,5時間もの長い間、病院に縛られることがなくなります。
ただし、病院のように監視装置が付いているわけではなく、医療従事者が治療中にいないため、何かトラブルが起こった際の不安が残ります。
透析に対する知識や訓練も必要となるため、スムーズに行えない場合も出てきます。
在宅腹膜透析
腹膜透析は大掛かりな機器が必要なく、血液透析ほど医療費がかからないため、欧米では移植前の治療としてよく普及しています。
腹膜透析は、病院でへその下に局部麻酔により穴をあけて、腹膜カテーテルをおなかの中に挿入します。そして、約2リットル入った透析液のバッグとカテーテルをつないで透析液を注入していき、時間をかけて腹膜から老廃物や水分を濾過させていきます。
最近ではCAPD(持続外来腹膜透析)という方法も開発されています。これは患者自身が透析液を取り換えて、毎日透析が行えるというものです。
取り扱いが簡単で、透析バッグを持参すればどこでも透析をすることができます。通院しなくてもよいので、会社で仕事をしながら透析を行うこともできます。
ただし、腹膜に感染症を起こしやすいという短所があり、腹膜炎をくり返すおそれがあります。また、透析液の衛生管理には十分に気をつけなければなりません。
CAPDは日本では減少傾向にあり、全透析患者の4%以下ほどしか行われていません。
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肝臓病予防に良い食べ物:しじみの味噌汁

しじみは肝臓に良い食べ物として有名ですが、やはりしじみにも良質のたんぱく質が含まれ、胆汁の分泌をよくし、肝機能をあげてくれます。肝臓の物質代謝のかなめとなるビタミンB2やB12、カルシウムや鉄、リンが含まれていて、脂肪分も少ないので肝臓に負担もかかりません。
しじみのエキスを余すところなく摂ることができる味噌汁がおすすめです。
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乳がん最新治療法:乳房部分照射

乳房部分照射は、乳房温存療法とセットである放射線療法に使われるものです。
乳房温存療法での放射線治療の目的は、全身に広がる微細ながん細胞の死滅と、がんが取りきれなかった可能性を考慮して行われるものです。
乳房温存療法でがんを切除し、切除した組織の端にがん細胞があればがんがわずかに残っていることがあるので放射線を照射します。本来は乳房全体に照射するのですが、この場合、切除部分だけに照射する方法があり、それが乳房部分照射です。
乳房部分照射は少し強めに照射し集中的に治療するので、治療日数が短くなったり、経済的という特徴があります。
副作用として多少出血することがありますが、照射跡は1か月程度で目立たないようになり、全照射よりも見た目が気にならないといいます。
治療の効果とさらなる安全性が確保されれば乳がん治療においてさらに普及されるでしょう。
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食道がんの外科手術:食道がんの手術

一般的な手術
食道がんの手術(外科手術)は、食道がんのステージによる分類では、Ⅰ期からⅢ期に対しておこなわれています。まず、がんが広がっている食道を取り除いてから、新しい食べ物の通り道をつくっていくという手術になります。
手術の範囲は、頚部、胸部、腹部の3ヶ所を切り開く場合もあります。手術に要する時間も長時間となるので、患者さんの体力に大きな負担もかかってしまいます。
負担を少しでも軽減するために、手術療法と、抗がん剤治療、放射線療法などを併用することもあります。
リンパ節の切除
手術療法では、がんに侵されている食道だけでなく、転移している可能性が高いリンパ節も切除していきます。これは、リンパ節の郭清(かくせい)といい、リンパ節を含んでいる周囲の組織をすべて切除することをさします。
リンパ節郭清では、縦隔リンパ節と腹部リンパ節の切除頚部リンパ節の切除をおこなっていきます。
頚部の切開
首を切り開いて、左右にあるリンパ節を取り除いて、食道を切除していきます。のど(咽頭)にがんがある場合には、のども切除していきます。→頚部食道がんの手術
胸部の切開
胸を切り開いて、肋骨を広げていきます。縦隔リンパ節や腹部リンパ節を切除していきます。→胸部食道がんの手術
腹部の切開
腹を切り開いて、腹部リンパ節を取り除いていきます。そして、胃を少し持ち上げて、新たな食道を再建していきます。場合によっては、小腸や大腸の一部を、食道の変わりに使うこともあります
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慢性胃炎の治療方法

根本的な治療法はないため、対症療法を行います。胃のもたれ感、不快感などには、胃の運動を改善する薬剤や胃の粘膜を保護する薬剤が処方されます。吐き気、上腹部痛などが強い場合は、制酸薬やH2ブロッカーなどが投与されます。
 ピロリ菌の除菌によって、胃粘膜の萎縮が改善されるかどうかが注目されています。萎縮性胃炎があって、自覚症状もある場合にピロリ菌の除菌を行うと改善する場合があります。
この場合は保険の適用外となります。
H2ブロッカーとは消化性潰瘍の治療薬です。ヒスタミンのひとつに第2(H2)受容体がありますが、H2ブロッカーは胃粘膜の壁細胞のH2受容体に作用して刺激を遮断することにより、胃酸の分泌(ブンピツ)を抑えます。
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慢性胃炎の検査方法

慢性胃炎は、自覚症状がほとんどありません。
このため、健診で受けた内視鏡や胃透視(バリウム造影)検査などで指摘される場合がほとんどです。自覚症状がある場合には、胃の不快感、胃もたれ、食欲不振などがあります。
 胃粘膜の状態を正しく調べるには、内視鏡検査が不可欠です。胃粘膜の状態は、①表層性胃炎(粘膜に発赤がみられる胃炎)、②萎縮性胃炎(胃の粘膜が萎縮して薄くなってくるために、粘膜が赤白まだらに見えたり、粘膜の下にある血管が透けて枝状に見えたりする胃炎)、③肥厚性胃炎(胃粘膜が厚くなる胃炎)、④びらん性胃炎(粘膜上皮にただれが起こり、びらんがみられる胃炎)の大きく4つに分けられます。いくつかの胃炎が重複していることも多くあります。
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慢性胃炎の症状

慢性胃炎には、大きく分けて、ピロリ菌感染が原因で起こる組織学的胃炎、内視鏡検査で見たときに胃の粘膜がただれている内視鏡的胃炎、患者が自覚症状を訴える臨床的胃炎の3つがあります。
日本では、これら3つを区別せずに慢性胃炎をひとくくりにして診断しているため、ひと口に慢性胃炎と言っても、その中身はかなり異なるといったことが起こっています。
 慢性胃炎とは胃の粘膜に継続的に炎症が起こっている状態で、内視鏡生検による胃の組織検査で炎症が確認された場合につけられる病名ですが、実際は胃の痛みやもたれ、吐き気などの自覚症状が長く続いている時に慢性胃炎と診断されることが多いのです。
症状だけから診断された場合には、昔から胃酸過多、神経性胃炎、胃アトニーなどと呼ばれていた病気が含まれている機能性胃腸症の可能性があります。
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すい臓がんの抗がん剤治療

抗がん剤治療法の一般的な方法は、点滴、静脈注射、筋肉注射、錠剤の抗がん剤を服用、などにより抗がん剤を体内へ入れます。
抗がん剤の使用方法は、1つの抗がん剤を使う場合と、2つ以上の抗がん剤を使う場合があります。
すい臓がん(膵臓癌)は特に抗がん剤に抵抗性が強い癌(ガン)です。ですから、すい臓がんの化学療法は抗がん剤での効果がほとんど期待できないので、抗がん剤での治療はしないことが普通でした。
しかし、「フルオロウラシル」という抗がん剤と放射線を併用することで、がんを手術で切除できない方の延命効果があることがわかっています。
そして、2001年に認可された「ゲムシタビン」という抗がん剤は、すい臓がんの治療に標準的に広く使われています。
ゲムシタビンとは、抗がん剤として使われる含フッ素ヌクレオシドの一種で、すい臓がんの痛み(疼痛など)を和らげる働きがあります。そのため、生存期間の延長効果も期待できます。しかし、癌を完全に消し去るには至らないといわれています。
さらに、TS-1(ティーエスワン)という抗がん剤が2006年8月10日から新しく膵臓ガンに対しての保険適応が認められて使用できるようになりました。
TS-1(ティーエスワン)は内服タイプ(飲み薬)の抗がん剤です。治療効果のほどはは、まだ評価段階ですが、膵臓がん治療の新たな選択肢となりました。
その他、膵臓がんで使用する抗がん剤は、「シスプラチン」、「マイトマイシンC」、などの薬剤です。
補助化学療法として、手術後に抗がん剤を利用することもあります。
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職業性肺がんとは

職業性肺がんとは、アスベスト、砒素、クロム、ニッケル、クロロメチルエーテル、マスタードガス、ウラニウムなどを扱う職業の人が、その物質が原因で発症した肺がんをいいます。
代表的なのはアスベストによるものです。
アスベストとは、蛇紋石や角閃石といった天然の石が繊維状に変化したもので、耐久性に優れ、熱に強く、電気絶縁性もあることから、建材などの用途に用いられてきました。
断熱材としても大量に使われていましたが、アスベストを吸入してから15~40年後に肺がんや中皮腫が発症する事がわかりました。
アスべストのほかで、職業性肺がんの発症リスクが高いもののひとつである砒素は、農薬などに使われる猛毒物質で、クロムはサビ止めなどに使われる金属元素、ニッケルはステンレス鋼などの合金として使われる金属、クロロメチルエーテルは染料などに使われる揮発性の液体、マスタードガスは化学兵器の一種、ウラニウムは放射性物質の一種です。
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卵巣異常時の変化

卵巣に異常があると 体調はもちろんですが 体型にも変化が出始めます。
卵巣は左右2つあり 子宮の両側にのびた卵管にぶら下がっている臓器で 親指ほどの大きさしかありません。
その小さな中に膨大な数の原始卵胞があり 周期的に発育や変化を繰り返しながら 女性ホルモンを作っているという 体の中でも大変多忙で重要でデリケートな臓器です。
極度のストレスや 無理なダイエットをすることで 女性ホルモンが正常に分泌されなくなると 生理不順や無排卵・不妊症などにつながる恐れもあります。
また 卵巣に腫瘍ができても 初期の段階で自覚症状はほとんどありません。
特にも卵巣は2つあるため 片方に異常があっても 片方が正常に機能していると 毎月生理も来るため なかなか異常を発見できないのも事実です。
以下をチェックしてください。
  ・閉経前に生理が止まった
  ・生理不順になった
  ・不正出血がある
  ・胸やおしりが小さくなった
  ・急に経血の量が異常に減った
  ・おなかを触るとしこりのうようなものがある
  ・おなかが張ってガス(おなら)が溜まる
  ・便秘になった 残便感がある
  ・下腹部が異常に出ている(妊娠していないのに妊婦のよう)
  ・腰が痛い
  ・トイレが近くなった
この中であてはまる症状があったら 一度 婦人科での受診をおすすめします。
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子宮内膜症の過多月経・レバー状のかたまり

子宮内膜症に似た病気で、子宮の壁が厚くなっていく「子宮腺筋症」の場合、子宮全体が大きくなって経血量が増え、夜用ナプキンでも短時間で不安という状態になります。
通常は特別な酵素の働きでサラサラの形で排出される経血が、量が多いため酵素の働きが追いつかず、レバー状のかたまりとなって排出されます。
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大腸がんと似た症状:薬剤性大腸炎

病気の治療のために投与された抗生物質が原因で大腸炎をおこすことがあります。
大腸の中には「腸内細菌」というたくさんの細菌がすんでいます。「腸内細菌」のなかには「悪玉菌」と「善玉菌」がいて通常は両者は冷戦時代の米ソのようにバランスをたもっています。
そこに抗生物質が投与され、たまたま抗生物質が「善玉菌」のみを殺菌し「悪玉菌」が優勢になると薬剤性大腸炎になります
治療は最初の抗生物質を中止して、「悪玉菌」に有効な抗生物質を投与することです
医師が診断に気づかずに最初の抗生物質を続けていると重症になります。
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前立腺肥大の治療:薬物療法

前立腺肥大症の薬による治療である「薬物療法」では、内服薬などを使って尿の通りをよくします。
α1受容体遮断薬
 この薬は、交換神経の緊張によって起こる前立腺・膀胱(ぼうこう)の平滑筋(へいかつきん)の緊張を解いて、尿道の内圧を減らして尿の通りをよくします。広く使われている薬です。
 効果は 1週間程度で現れて、長くつづきます。
 副作用はとても少ないです。下痢、鼻づまり、立ちくらみ、めまい、精液量の減少などが起こります。
 肥大した前立腺を小さくする効果はないので、薬の服用をやめると、また排尿障害の症状が戻ってしまいます。
・薬の名前[選択的]
 塩酸タムスロシン(商品名:ハルナール)、シロドロン(商品名:ユリーフ)、ナフトピジル(商品名:アビショット・フリバス)
・薬の名前[非選択的]
 ウラピジル(商品名:エブランチル)、塩酸テラゾシン(商品名:ハイトラシン・バソメット)
抗男性ホルモン薬
 男性ホルモンの作用を抑制(よくせい)して、肥大した前立腺を小さくすることで、尿の通りをよくします。
 効果は、服用から 2週間から 2ヶ月で現れます。
 副作用は、性欲が減る、勃起不全(ぼっきふぜん)、女性化乳房(じょせいかにゅうぼう)、肝機能障害、胃腸障害など。
・薬の名前
 酢酸クロルマジノン(商品名:プロスタール・プレニバール・ルトラール・他)、アリルエストレノール(商品名:パーセリン・サルミコール、アランダール、他)
漢方薬
(かんぽうやく)
 排尿障害の治療として、漢方薬や生薬を使う場合もあります。
・薬の名前
 漢方薬(牛車腎気丸・八味地黄丸、他)、生薬(セルニルトン・エビプロスタット、他)

人口透析で起こりやすい合併症/感染症

人工透析を受けるようになって寿命が増えてきました。
しかし、透析療法を行っても、失った腎機能を完全に補うことはできません。
血液透析や腹膜透析が体の負担となって、さまざまな病気を合併しやすくなってしまいます。
知っておきたい合併症や感染症を紹介しています。
不均衡症候群
血液透析による代表的な合併症が不均衡症候群です。透析を始めたことで血液中の老廃物が急激に除去され、脳の細胞液の濃度バランスが崩れることが原因と考えられています。
主な症状には、頭痛、吐き気、不安感、けいれん、血圧降下などがあります。
不均衡症候群を予防するには、血液透析の導入期は短時間で済ませて、その後、緩やかに時間を増やしていきます。また、食事療法で血液中の窒素化合物が多くならないようにしたり、塩分・水分の制限を行うことが有効です。
ゆっくりと透析が進行する腹膜透析では、不均衡症候群はみられません。
低血圧(透析困難症)
透析困難症とは、人工透析が長期間つづくと、血圧が降下して低血圧になり、透析が行いにくくなる合併症をいいます。
心不全
慢性腎不全の患者の死亡原因の多くが心不全です。腎機能が低下すると心臓にも多くの負担がかかり、息切れや呼吸困難などの症状があらわれるようになります。
心臓に栄養を送る血管の流れも悪くなり、狭心症や心筋梗塞を合併することもあります。
予防には、血圧のコントロールや体液のバランスの管理などが重要となります。
脳血管障害
高血圧の患者は、脳出血、くも膜下出血、脳血栓などの脳血管障害を起こしやすくなります。
血圧のコントロールや食事療法による管理が大切です。
骨や関節の異常
腎不全によりビタミンDの産生が低下するため、カルシウムの骨への吸着が減少し、骨の異常が起こりやすくなります。二次性副甲状腺機能亢進症や高リン血症などが原因となります。
予防や治療には、カルシウムの濃度調整、活性型ビタミンD製剤の使用、食事療法によるリンの制限があります。
神経障害
手足を動かす末梢神経に異常が起こり、手足がだるくなります。知覚の異常も起こります。
発育障害、性腺の異常
腎臓病を患っている幼児は、腎機能の低下により成長ホルモンの分泌が損なわれるため、発育に障害が発生します。
成人の場合、インポテンツ、月経異常、性欲の低下などの症状があらわれます。
感染症
感染症は、血液透析による重大な合併症のひとつです。
透析の際に針を皮膚に刺しますが、この傷から細菌感染をすることがあります。
感染症を予防するには、皮膚を清潔に保ったり、免疫力を高めることが必要です。
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肝臓病予防に良い食べ物

脂肪肝を防ぐ大豆
 大豆にはコリンという成分が含まれています。これは、アルコールによって作られた中性脂肪が肝臓に沈着しておこる脂肪肝の脂肪を取り除いてくれる作用があります。
肝臓病予防になる豆乳 豆乳に含まれているダイズの物質に サポニン、コリンが含まれています。サポニンは、これまで溶血作用をもつ植物性要素として知られていましたが、逆に溶血を阻止するもの、血圧低下作用のあるものといろいろある事がわかってきました。
 また、コリンは、肝臓から余分な脂肪を取り除くリポトロピック・ファクター(抗脂肪肝因子)の一つで、ビタミンB群に属しています。ダイズに含まれるこれらの成分は豆乳にも受けつがれています。
肝硬変の予防に酵母 フェニルアラニンは糖分の代謝に関与するので、糖分をつくる機能や肝臓によい影響を与え、メチオニンはリン脂肪の合成を促進するので、肝臓にある余分な脂肪分をリンと合成させ正常に働くようにし、脂肪肝や肝硬変などの予防に役立ちます。
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乳がんのしこり

乳がんにかかっている場合、初期症状としてあらわれるのがしこりです。乳房の周辺にしこりがあれば要注意です。しかし、しこりができたからといって、必ずしも、そのすべてが乳がんと決まったわけではありません。乳房のしこりには、乳がん以外の病気には、乳腺繊維線種や乳腺症などがあります。
乳腺繊維線種は、比較的若い年齢の女性によくみられる症状で、良性のしこりなので、とくに心配はいりません。しこりが良性である場合は、大きくなっても2センチ程度の大きさで、それ以上大きくなることはまずありません。自然にしこりが小さくなることもあります。
専門医の診察を受けると、乳がんの場合は、乳房を触る触診断で、触ったかんじである程度良性か悪性かの違いがわかることもあります。悪性のしこりは、触ったときのかんじが石のように硬いのが特徴です。良性の場合は、比較的やわらかく、しこりがある部分を押しても、しこりが逃げるような感じです。
乳がんにかかって、しこりができても、ほとんどの人は痛みを感じることがありません。つまり、自覚症状が感じられないので、しこりに気づくのが遅れると、がんが進行していることがあります。しこりに気づいたら、まずはマンモグラフィー検診を受けて、専門医の診察を早めに受けましょう。
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食道がんにならないために

食道がんになる危険性が高い項目は次のとおりです。
55歳以上の男性。
喫煙者…とくにたばこ1日20本以上。
飲酒者…とくに飲酒1日3合以上。あるいは強い酒をそのまま飲む。アルコールを飲む機会の多い接客業の女性など。
熱い食べものや辛い食べものが好きな人。
咽喉頭がん、胃がん、肺がん、大腸がんなどにかかったことがある。
がんの家系…両親と兄弟のなかに2人以上のがん患者がいる。
食道に病変がある…逆流性食道炎、腐食性食道炎、食道アカラシア、バレット食道など。
 7項目をあげましたが、とくに注意すべきことは、たばことアルコールです。したがって、食道がんを予防するためにしていただきたいことは以下の3点です。
禁煙。
過量の飲酒をしないこと。1日2合以下で、毎日は飲まないこと。アルコール濃度の高い種類のお酒を避けること。
食道の粘膜が荒れるような熱いもの、辛いもの、硬いものは避けること。
早めにみつけるためには
 以上のような点に注意しても、食道がんの発生を100%防ぐことは不可能です。したがって早期発見がきわめて重要となります。 
 地域での検診やかかりつけの病院での定期検査で、胃カメラ検査を受けることが肝要です。
自覚症状に気づいたら、我慢せず早めに病院を受診し、検査を受けてください。
 もし、ルゴール散布による色素内視鏡検査を行ない、ルゴールに不染な白色の粘膜が5?以下であれば、がんの可能性は低いのですが、1?以上だとがんの可能性が高くなります。
 微小な不染粘膜が発見された場合は、少なくとも6カ月後の再検査が必要となります。
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胃がんになりやすい食事

胃がんは、日本において、発症率の高いがんの1つです。
その理由として、高塩分の食事が考えられます。
とくに、塩魚や漬物といった塩分の高い食事は、胃の粘膜に負担をかけてしまいます。
少し前の北陸や東北では、胃がんの患者さんが、非常にたくさんいらっしゃいました。
それは、この地方特有の食生活にありました。
この地域は、冬が長く、雪におおわれているため、食物を塩漬けにする習慣がありました。
現在は、新鮮な野菜や果物が年中食べられるので、そのようなことはありませんが、以前は、塩分をたくさん使用した食品が、テーブルに並ぶことが多くあったため、このような状況でした。
胃がんは、食生活との関わりが大きく、食生活を見直すことで、予防も可能です。
最近の研究では、野菜や果物の摂取が、胃がん予防に有効であるというデータもあります。
これらの野菜や果物に含まれるβカロチンやビタミンC、ビタミンEなどが、細胞に傷がつくのを防いでくれます。
そして、冷蔵庫の普及が、食べ物を塩漬けにしなくても良くなり、新鮮な野菜や果物が、年中手に入るようにもなりました。
このように、高塩分の食事は、とくに胃がんに関しては、ハイリスクになっています。
少しでも、塩分を控える食事に切り替え、さまざまな種類の野菜や果物を食べることが、胃がん予防につながります。
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慢性膵炎になる原因

アルコールの過剰摂取
慢性すい炎になる原因として、飲酒や食生活などが関わってくる他、胆石症の人に多く見られるともいわれています。
そんな原因の中でも、慢性すい炎の半分以上がアルコール性であるといわれています。
アルコールの過剰摂取の他にも脂肪の多い食事の摂り過ぎ(欧米食化)や長期間にわたる継続した疲労やストレスなどもあげられます。
また、約3割の患者は原因が不明なケースもあるようで、「特発性慢性膵炎」と呼ばれているそうです。
慢性膵炎の男女での原因差
慢性すい炎は以前、男性に非常に多い病気だったらしいのですが、近年は女性の患者さんの増加が目立ってきているとのことです。
慢性すい炎の原因を男女別でみてみると、男性の方がアルコール性で6割強を占めるのに対し、女性では特発性が約6割と最も多く、男女での原因差が明らかです。
男性に多く見られる多量のアルコール摂取が原因となっている慢性すい炎に対しては、まずは何より禁酒を心がけるなどの生活習慣を見直すことが最低限の改善策といえるようです。
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肺がん治療手術の最高の名医9人

肺がん治療・手術の最高の名医9人
            呉屋朝幸
           杏林大学病院
 外科教授 1974年鹿児島大学医学部卒。国立がんセンター等を経て現職。
「患者に最大の利益を還元する」をモットーに治療に取組んでいます。近い将来肺がん外科分野の中心になる人物と評されています。
            土屋了介
        国立がんセンター中央病院
 副院長 1970年慶應義塾大学医学部卒。防衛医科大学校等を経て現職。
 肺がんの手術件数で日本一の症例数を誇る国立がんセンター中央病院の中心的人物です。人当たりのよさに定評があり、話しやすい良い先生と評判です。
             西脇裕
         国立がんセンター東病院
 臨床検査部長 1971年京都大学医学部卒。国立療養所松戸病院勤務等を経て現職。
肺がんの化学療法の治療にいち早く取組み、着実に研鑽を重ねてきたドクターです。肺がん治療の分野において、国立がんセンター東病院の中心人物の一人です。
           淺村尚生
        国立がんセンター中央病院
 呼吸器外科医長 1983年慶應義塾大学医学部卒。米国留学等を経て1999年より現職。
年間700件の肺がん手術を三人の医師で行っている同病院の中でも、中心的な役割を果たしているドクターで、外科医としてトップレベルの技術を持っています。
           一瀬幸人
      国立病院機構九州がんセンター
 呼吸器科部長 1978年長崎大学医学部卒。テキサス大学MDアンダーソン病院等を経て現職。
患者とのスキンシップを大切にしており、実際の肺がん診療の際には患者に直に接し、スキンシップをはかる診療を心がけています。
            岡田守人
         兵庫県立成人病センター
 呼吸器外科長 1995年神戸大学大学院医学研究科修了。2002年より現職。
 肺機能温存術式である難易度の高い気管支形成術や血管形成術によって、出来る限り肺摘除を回避する治療を行っています。
            川原克信
         大分大学医学部附属病院
 腫瘍病態制御講座外科第二教授 1971年長崎大学医学部卒。福岡大学第二外科助教授を経て現職。
肺がん、食道がんの外科的治療を専門としており、腹腔鏡を用いた手術を積極的に取り入れ、低侵襲で根治的な縮小手術を行うことを目指しています。
            佐々木康綱
          埼玉医科大学病院
 
 臨床腫瘍科教授 1980年昭和大学医学部卒。国立がんセンター病院等を経て現職。
大学病院としてはまだ珍しい腫瘍内科(臨床腫瘍科)があり、また専門病院とは違って様々な合併症を有する肺がん患者に対する治療が可能です。
             中川健
         癌研究会癌研有明病院
 副院長 呼吸器外科部長 1966年東京大学医学部医学科卒。結核予防会結核研究所附属療養所等を経て現職。
治療する科の主体性で治療方針が決まるのではなく、「キャンサーボード」と呼ばれる臓器別診療グループで患者の病状を詳細に検討し、最適な治療を提供しています。
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