食道がんの進行と転移の検査

超音波検査でがんの深さを調べる
食道の粘膜にできたがんが、どの程度の深さまで進んでいるのかを調べるためには、超音波検査を行っていきます。がんの表面だけを見ても、がんの進行具合は分からないため、超音波を使用します。
内視鏡の先端から超音波を発信して、その超音波の反射の状態を調べて、がんの深さを把握することができます。
リンパ節転移を調べるCT、MRI検査
がんが食道の壁から、まわりのリンパ節や臓器に転移しているかを調べるには、CT、MRI検査をおこないます。
最新の検査方法として注目されているのが、超音波内視鏡下穿刺吸引法(EUS-FNAB)です。内視鏡の先端から超音波を発信して、がんの場所を確認しながら、リンパ節に針を刺して、組織を採取していくという方法です。
従来の超音波内視鏡検査では、がんの進行度などから、リンパ節転移の予測をしていましたが、EUS-FNAB法では、組織を直接調べられるようになったので、正確な診断が可能になりました。
精度の高い診断ができるのがメリットですが、実施には医師の高い技術が必要なことや、検査ができる医療機関がまだまだ少ないことなどが課題となっています。
がんの悪性度を調べるPET検査
PET検査は、一度の検査で全身への転移の有無を調べることができる方法です。従来の方法では、肺、気管支など、食道から転移しやすい部位を1つずつ検査していました。
PETでは、放射線を放出するブドウ糖を静脈に注射したあと、からだから放出される放射線を画像に映していきます。がん細胞は、ふつうの細胞よりも分裂が早く、ブドウ糖を多く取り込むという性質があります。このため、放射線が多く放出された箇所は、がんである可能性も高くなります。
CTもPETも、患者さんはあお向けに寝て、機器の中を通るだけです。検査による痛みや副作用の心配は全くありません。
          img06.jpg

肺がん 鎮痛薬

徐放剤というのは、文字通り飲み込んだ後に有効成分が徐々に出てくる薬です。
血圧の薬などにも使われています。
モルヒネは、以前は1回注射すると効果の持続時間が4時間でしたから、1日に4~6回注射しなければなりませんでした。経口薬もありましたが、これも4時間おきに飲まなければなりません。
これに対して、MSコンチンは、効果が12時間持続しますから、1日に2回飲むだけでよく、夜もぐっすり眠れます。
MSコンチンは、消化管の中で水分を吸収すると、錠剤の中で硫酸モルヒネが溶け、徐々に錠剤の外に放出される仕組みになっています。
モルヒネの量には個人差があります。MSコンチン2錠程度で痛みがとれる人もいれば、15錠で痛みがとれる人もいます。
薬の量が多いから病気が重いということではなく、薬の効き具合には個人差があるということを勘違いしないでください。
薬の量が多くても、痛みを取り除くのに適度な量であれば、副作用は特に大きくなるということでもありませんので、心配はいりません。
鎮痛剤とは別のものになりますが、「神経ブロック」という方法も痛みを取り除く方法として知られています。これは、釘を刺して神経の知覚を麻酔を注入することで、痛みを感じなくするものです。
痛みが部分的に感じられる場合には有効ですが、副作用として皮膚感覚の下に痛みを訴える人もいるので、逆にこれがさらなる苦痛となる可能性もあります。
           image026.jpg

水腎症と腎不全

前立腺がんが再燃した場合、がんが直接膀胱に浸潤し、尿管から膀胱の出口(尿管口)の部分で尿が通過しにくくなることがあります。
尿管の横のリンパ節が大きくなって尿管を圧迫し、尿の通過障害を引き起こします。
尿管の両側が圧迫されると腎不全に発展する可能性もあるので注意が必要です。
腎臓から尿を膀胱に送り出せないことから、腎臓の機能が低下するのが腎不全です。
これを改善するために、尿道以外の別のルートを人工的に作ることで、尿の通路を確保する治療が行われます。
この尿の圧迫に対しては、2種類の治療法があります。
まず、尿管の中に細いチューブ(ステント)を入れる方法です。
これがうまく機能すると、体の外にチューブが出ないので、便利なのですが、たまに詰まってしまうことと、交換が大変だというデメリットもあります。
もうひとつは、超音波検査やX線造影検査を併用して、背中から直接腎臓に細いチューブを入れる(腎ろう)という方法があります。
背中からチューブが出るので、やや不自然で不快感もありますが、交換も簡単で詰まりにくく、ステントよりも楽です。
         268.jpg

胃がん治療の最高の名医

笹子三津留
国立がんセンター中央病院
第一領域外来部長 1976年東京大学医学部医学科卒。オランダ・ライデン大学外科教授等を経て現職。
数多くの症例をこなしており、確実な胃がん手術が出来る外科医と評判です。胃がんの手術数は日本でトップ、多岐な治療法と安定した技術で合併症にも対応しています。
佐野武
国立がんセンター中央病院
外科医長 1980年東京大学医学部卒。パリ市キュリー研究所フェロー等を経て現職。
確実で安定感のある手術が出来る外科医と言われています。患者に対する面倒見がよく、温かみのある胃がんの治療が受けられると評判です。
愛甲孝
鹿児島大学病院
腫瘍制御学・消化器外科学教授 1969年九州大学医学部卒。米国コーネル大学医学部留学等を経て現職。
センチネルリンパ節理論に基づく研究と臨床を行っており、これまでに約200例の早期胃がんに対して臨床応用し、きわめて良好な結果を得ています。
大谷吉秀
慶応義塾大学病院
一般・消化器外科専任講師 1981年慶應義塾大学医学部卒。浦和市立病院等を経て1999年より現職。
慶応義塾大学病院では、内視鏡専門医はもちろんのこと、放射線科診断医、化学療法や放射線治療を専門とする医師がそれぞれの分野で活躍しています。
梨本篤
新潟県立がんセンター新潟病院
外科部長 1975年新潟大学医学部卒。米国留学等を経て2004年より現職。
完全な臓器別診療体制を取っており、疾患ごとに必ず専門医が主治医となり、常に同じ熟練医チームが手術・治療を担当しています。
二宮基樹
広島市立広島市民病院
外科主任部長 1977年岡山大学医学部卒。同第一外科等を経て、2002年より現職。
早期胃がんに対し全国に先駆けて胃がん機能温存手術を行ってきました。手術のみでは対応できない高度進行、再発胃がんに対しては、外来中心の化学療法を行っています。
濱中久尚
東山会調布東山病院
消化器内科 1998年和歌山県立医科大学医学部卒。国立がんセンター中央病院等を経て現職。
内視鏡医と連携し、診断から治療までチーム医療を行っています。常勤外科医のレベルも高く、避けようが無い合併症が起こっても、早急に対応できる環境にあります。
平塚正弘
市立伊丹病院
副院長 1976年川崎医科大学卒。大阪府立成人病センター外科等を経て現職。
胃がん手術のスペシャリストで、胃がんに関する手術は縮小手術から超拡大手術まで、どのような手術も平塚医師が行うことが出来ます。
山村義孝
愛知県がんセンター中央病院
消化器外科部部長 1969年名古屋大学医学部卒。名古屋大学医学部第二外科等を経て現職。
進行した胃がんの転移や再発で最も多い「腹膜転移」の治療で定評があり、腹膜転移の初期診断とその後の抗がん剤治療で腹膜転移の治癒を目指しています。
      zu_03_02.gif