肺がんの検査方法 2(喀痰細胞診)

剥がれ落ちて痰に混じったがん細胞を検出しようとする方法です。機械で痰を分析しようという喀痰細胞診の自動化は残念ながら実用化されておらず、人間の目でチェックします。専門のスクリーナーという技師がおり、熟練したスクリーナーの判断は相当正確です。
 検査の手順は、できるだけ早朝の喀痰を容器に入れて乾かないようにして提出するだけです。苦痛のない簡単な検査なのですが、肺がんがあれば必ず痰にがん細胞が混じっているとは限りません。
 気管支鏡で見える範囲に肺がんがあった人(おそらく確実に痰にがん細胞が出てくるであろうと予測される人)でも1回だけの検査では55%の人の痰にしかがん細胞は検出されませんでした。
 この数字は2回繰り返すことにより70%、3回で84%となり、喀痰細胞診は3回必要ということが言われています。
 医療施設から遠方の人、忙しい人などに自宅で3日間痰をためてもらう方法もありますが、どうしても細胞が変性してしまうため、少し見にくい標本になってしまうようです。
 繰り返しになるかもしれませんが、喀痰細胞診が正常であったからといって肺がんがないという証拠にはなりません。
 検体(この場合痰のことです)をスライドグラスに伸ばしてアルコールで固定し、染色して顕微鏡で見る。怪しければもう一度医師が確認するという手順を踏みますので結果が出るまで数日かかります。