胃がん 免疫力を上げる

がんの予防の1つとして、がんに対する抵抗力をつけるために、免疫力を高める方法があります。
免疫力を高めるためには、どのような食事を心がければよいのでしょうか。
おすすめの食材として玄米があります。
玄米には、糖質をはじめ、たんぱく質、脂質が含まれ、ビタミンバランスも整っています。
また、ミネラルも豊富で、健康な細胞をつくるのに、非常に良い構造をしています。
玄米に少しおかずを加えるだけで、必要な栄養分が十分摂取することができます。
玄米は、体を冷やさない効果があります。近年、低体温、低血圧、冷え性の方が多く、これらの要素を持ち合わせている人は、血液の循環が悪いため、汗もかきにくくなっています。
このような体質になると、免疫細胞が活発に動かなくなるため、免疫力も低下してしまいます。
このような事態を避けるためにも、玄米は役立ちます。
ポリフェノールも積極的に摂りたい成分です。人の体では、活性酸素が常に発生しています。この活性酸素は、脂肪と結び付くと、がんの原因になる成分です。
ポリフェノールには、この活性酸素を取り除くことができる抗酸化作用があります。ポリフェノールを豊富に含む黒豆や黒ゴマ、プルーンなどを食べることをお勧めします。
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肺がんと遺伝との関係

がんの遺伝については、現在はまだ研究段階で、明確なことはまだ解明されていません。
 しかし、大腸がんについては遺伝性があることが認められていて、その他のがんについては遺伝性については断言できません。
 肺がんについては遺伝性は、がん遺伝子的素因との関連が深いと考えられる事で、直接関与するものではないようです。
 しかし、がんは一部を除いて遺伝はしないと考えられています。
 また、遠回しな言い方になりますが、肺がんにかかりやすい体質が遺伝するともいわれます。
これは、肺がんは遺伝性があると解釈すればよいのでしょうか。
 肺がんは、そもそも肺の正常な細胞ががん化することで発症します。
 これは、正常な細胞の遺伝子情報が狂い、正常な細胞にならず悪性のがん化した細胞に変異することで始まり、徐々にがん腫瘍を形成するものです。
 肺がんの遺伝性は統計から見ると、家族にがんの発症歴がある家族とそうでない家族とでは、明らかに発症歴のある家族の方が、がんの発症の確立が高いことがわかります。
 その確立は3倍にもなります。
 いかし全く関係ない場合もあることから、確立はどの程度まで数値が上がれば、遺伝性が認められるかの判断になります。
 また、肺がんの発症には日常の生活習慣や食生活、喫煙歴があることも関係します。
 肺がんの発症リスクに遺伝子が関係しているとすれば、がん抑制遺伝子の一つである「p53がん抑制遺伝子」が関わっていると考えられます。
 この「p53がん抑制遺伝子」を利用した遺伝子療法が、現在臨床の段階で研究されています。
 肺がんと遺伝の関係は明確ではありませんが、遺伝子を利用して治療法は、有効な治療法として確立しようとしています。
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卵巣がんの病期(ステージ)

卵巣がんのステージは下記の通りです。
・I期
がんが片側、もしくは両側の卵巣にだけに留まっている状態。
卵巣表面にがんが認められる場合、腹水の細胞診断で悪性と判断された場合、被膜破綻、いずれかの場合がI期となります。
・II期
がんが卵巣の周囲(骨盤内の卵管、子宮、直腸、膀胱など)の腹膜に転移している状態。
腹膜とは、内蔵の表面を包んでいる膜のことで、腹膜と腹壁の内側の膜がひとつながりになり、腹腔と呼ばれる大きな袋を作っています。
IIa期: がんは子宮・卵管の両方もしくは片側へ広がっています。
IIb期: 骨盤内のその他の膀胱・直腸など骨盤内組織に広がっています。
IIc期: がんが骨盤にある組織に進展し、腹水や腹腔洗浄液が悪性細胞陽性のもの。
・III期
がんが卵巣の周囲(骨盤内)の腹膜だけではなく、骨盤外の上腹部や後腹膜リンパ節に転移している状態。
後腹膜とは、大動脈、下大静脈、腎臓、尿管などがある場所です。
IIIa期: がん細胞が腹膜の表面に広がっている状態。
IIIb期: 腹膜に広がっているがんが直径2cm以下の状態。
IIIc期: がんがリンパ節に転移し、腹膜に広がっているがんが直径2cm以上の状態。
・IV期
卵巣がんが腹腔外に転移しているか、あるいは肝臓に転移している状態。
I、II期は手術で完全に切除できます。
しかし、III、IV期は手術だけでは完全に取り除くことができません。
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肺がんの緩和治療

肺がんの症状を和らげるためのものが、緩和治療です。呼吸困難に対して行うステント治療やレーザーによる焼灼療法も緩和療法です。
痛みを和らげる緩和治療というと、末期がん患者のためのものと思われがちですが、実はがんと診断されたら、すぐに緩和治療が考慮されるようになってきています。
現在では、放射線治療や新しい抗がん剤が次々に開発されていますが、これに伴って治療に伴う痛みは実は増加しているのです。
抗がん剤を使う場合、効果はあるのに痛みのせいで治療を中断せざるをえないという状況もあります。だから、がんと診断された初期の段階から苦痛にどう対処するのかどいうことも医師には求められているのです。
ステント治療は、肺がんが大きくなって太い気道に狭窄が生じると、空気がうまく通らなくなって、少し動くだけで息切れを起こしたりします。
こういう場合に、ステントという細い筒状の器具を気道に入れてやることで解決しようという治療方法です。
ステントは、シリコン製と金属製があります。シリコン製のものは、形が決まっていて、あらかじめレーザーなどで気道を広げておいて挿入します。
金属製のものは開閉できますから、閉じた状態で挿入したあとに開いて固定するのです。ステントを入れると、呼吸困難のほか、激しい咳や息切れなどの症状の改善が期待されます。
焼灼療法というのは、気道をふさいでいるがんをレーザー光線で焼くのです。光線力学的治療に使うレーザーよりも出力の大きな高出力レーザーを用います。
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C型肝炎治療法

C型肝炎の治療法には、C型肝炎ウイルスを体の中から排除して感染からの治癒を目指す原因療法と、肝機能を改善して肝炎の悪化、進展予防のための対症療法があります。
原因療法(インターフェロン療法)
主役はウイルスの増殖を抑える働きを持つインターフェロンです。C型肝炎ウイルスを体内から排除することを目指します。ウイルスを排除できると、肝炎から肝硬変や肝がんに、あるいは代償性肝硬変から非代償性肝硬変や肝がんへと進む危険性を大幅に少なくすることができます。いくつかの種類がありますが、いずれも注射剤です。抗ウイルス薬(飲み薬)と組み合わせて使う場合もあります。
対症療法(肝庇護(かんひご)療法)
ウイルスを体内から排除する効果はありません。進展の予防、肝炎の沈静化を目的として肝機能〔AST(GOT)とALT(GPT)〕を改善します。
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食道がん(食道癌)の治療:腹部食道がんの外科手術

腹部食道がんの場合には、左側を開胸して腹部食道と食道とつながる胃の噴門部という部分を切除して、残った食道と胃をつなぎ合わせる手術が行われます。
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胃の病気:胃ポリープ

胃ポリープとは、胃の粘膜上皮に局所的に隆起した病気です。
ポリープには最も多い過形成性ポリープをはじめ、胃底腺ポリープ、特殊なポリープとして腺腫、家族性大腸腺腫症などがあります。
過形成性ポリープ
過形成性ポリープの発生は30歳以上で年代と共に増加する傾向にあり、腸上皮化生との関連はあまりなく、がん化することはまれです。
高さが高くなり、大きさが増したりして進行していきます。普通、直径2~3センチどまりです。非常に赤く、表面にイチゴのような顆粒状の凹凸があります。出血やびらんも多くみうけられます。
胃底腺ポリープ
胃底腺ポリープは、胃底腺の粘膜に発生し、数個以上発生します。女性に多く、胃底腺の粘膜は萎縮せず、状態が良好なことが特徴です。
粘膜の変化は、胃の大彎曲を中心とした胃壁に多く見られます。数ミリ程度の半球状のポリープで、表面は滑らかで、特に色の変化はなく、多発します。
腺腫
腺腫は、高齢者で腸上皮化生をもつ、かなり萎縮した粘膜にみられます。男性に多く男女比は4:1です。
高齢者の萎縮性粘膜にみられ、形はドーム型、平たいもの、花壇状など様々です。灰白色で整った凹凸があります。
症状
胃もたれや不快感、食欲不振などの症状がみられることがありますが、多くは同時に発症している慢性胃炎によるものです。過形成性ポリープの場合は、出血により貧血をおこすことがあります。
検査
X線検査
粘膜の状態やポリープ表面の凹凸の状態を観察します。
内視鏡検査
ポリープの観察だけでなく、場合により生検(せいけん)(組織を採取して病理(びょうり)検査をする)をして、ポリープの詳細な情報を得ます。
治療
過形成性ポリープの場合、小さなものは放置可能で年1回の経過観察をし、2センチ以上の大きいものは内視鏡的治療により切除します。
胃底腺ポリープは一般的に放置して心配ないといわれています。
腺腫の小さなものは、半年~1年に1回の検査で経過観察します。大きなもの(2センチ以上)や、がんとの識別がはっきりしないものは、内視鏡的治療により、粘膜の切除をします。
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腎臓の病気:腎硬化症

良性腎硬化症
高血圧は身体中の動脈硬化の原因となりますが、腎臓は身体中で最も血管の多い臓器の1つですから、動脈硬化によって血液の流れが悪くなり、徐々に腎の傷害が進行し、慢性腎不全の原因となります。
腎硬化症で慢性腎不全になった患者は、同時に腎臓以外の動脈硬化も進行しているため、生命にかかわる心筋梗塞や脳卒中などの危険が高い重篤な病状と考えられます。
悪性腎硬化症
比較的若年者で、最低血圧が130mmHg以上の状態が続くと、身体の中の動脈で唯一外から見える眼底網膜の細動脈の病変が進行し、うっ血乳頭(網膜の乳頭部の浮腫)が見られる緊急病態です。
効果的な降圧薬が無い時期には、ほとんどの患者さんが脳卒中や心不全で死亡したため、悪性高血圧と言う名前が付けられていますが、癌のような病気ではなく、最近では強力な降圧療法により、悪性ではなくなったと言えます。
しかし、早急に血圧を下げなければ、死を招く病気であり、死亡しなくても腎不全の原因となります。重篤な高血圧により、頭痛、むかつき、視力低下、全身倦怠などの症状で受診される患者さんが多いようです。
重症の高血圧が発症する原因には腎臓が関与しています。血圧が著明に上昇すると、腎臓はみずからの臓器を保護するために血管が収縮し、中を流れる血圧を下げようと反応します。
腎臓の血流が減少すると腎臓から、血圧を上げるホルモンであるレニンが分泌され、全身の血圧はさらに上昇し悪循環となるわけです。
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胃の病気:悪性リンパ腫

悪性リンパ腫は、リンパ球ががん化した悪性腫瘍でまれな病気です。
人間の体には血管と同じようにリンパ管が全身にありますが、リンパ管の中には細菌やウイルスと戦うリンパ球を含んだリンパ液が流れています。
リンパ節はリンパ管に沿って、全身、特にわきの下、首、足の付け根などに存在し、リンパ液を貯蔵したり濾過したりしています。悪性リンパ腫では、全身のリンパ節が腫れたり、臓器に腫瘤ができます。
胃に発生するリンパ腫にはB細胞リンパ腫、MALT(マルト)リンパ腫があります。
B細胞リンパ腫:
エイズや臓器移植後など免疫の働きが著しく低下した状態で発生します。リンパ球にはT細胞、B細胞、ナチュラルキラー細胞(NK細胞)があり、それぞれT細胞リンパ腫、B細胞リンパ腫、NK細胞リンパ腫があります。B細胞リンパ腫は低悪性度リンパ腫です。
MALTリンパ腫:
B細胞リンパ腫の1つで低悪性度です。唾液腺、甲状腺、消化管などの粘膜に関連するリンパ組織に発生します。ヘリコバクター・ピロリ菌という細菌と関連しているといわれています。
びまん性大細胞型B細胞リンパ腫
日本人に多い中悪性度のリンパ腫です。小腸、大腸に発生するリンパ腫の中で最も多いリンパ腫です。
バーキットリンパ腫
小腸や大腸に発生し、若年者に多く発生する高悪性度リンパ腫です。バーキットリンパ腫は卵巣や乳腺で発症することもあり、多くの患者さんで腹部に巨大腫瘤を伴います。
わきの下、首、足の付け根などのリンパ節が腫れます。一般に痛みはありません。全身に拡がった場合は体重減少、寝汗、発熱、全身の倦怠感などの症状がでます。
生検
腫れたリンパ節など病巣の組織の一部をとりだし、病理組織検査によって顕微鏡で悪性リンパ腫であるかどうか、また、悪性度を調べます。
X線検査、CT検査、超音波検査、MRI検査:
病巣部位がどこまで拡がっているかを調べます。
血液検査:
白血球、赤血球、血小板の数値の変動および腎臓、肝臓の機能を調べて治療に耐えられるかどうか判断します。
化学療法:
抗がん剤を用いてリンパ腫細胞を殺す治療法です。通常個々のリンパ腫に対して感受性の高い薬を数種類組み合わせて2~3週間単位で投与します。
放射線療法:
悪性リンパ腫は放射線に感受性が高いといわれています。放射線療法のみの治療、または、化学療法と組み合わせた治療を行います。
造血幹細胞移植:
正常な血液を回復させる移植法です。全身に放射線を照射した後、赤血球、白血球、血小板などのもとである「造血幹細胞」を移植します。移植された造血幹細胞からは新しい健康な血球ができます。事前に自分の幹細胞を凍結保存しておき移植する方法と、兄弟や他人から骨髄移植する方法があります。標準的な治療法で効果がなかったり、再発した場合に、造血幹細胞移植を併用して化学療法の効果をあげる方法などが試みられています。
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大腸がんの予防:乳酸菌

腸の中にはおよそ100種類で100兆個の細菌が住んでいます。
体に健康効果を促す善玉菌がおよそ40種類、悪玉菌が30種類、悪玉菌が増えると害を及ぼすようになる日和見菌が30種類が含まれます。
善玉菌が多い状態が健康的ということですが、そのためにはヨーグルトなどに含まれる乳酸菌を摂ることが最も手軽な方法です。
乳酸菌を摂ると大腸がんの発生にどのような結果が見られたかというと、乳酸菌を摂る人はわずかですが腺腫が減少しましたが、大腸腺腫の発生率や大きさにはほとんど影響が見られませんでした。
大腸がんの発生を抑制することはできないが、細胞ががん化する進行を抑制する可能性があるということです。
乳酸菌が腸内の発がん物質を吸着させて排泄することや、免疫機能を活性化することが指摘されています。
もう1つの酪酸の増加も大きな原因といわれています。
酪酸とはアポトーシスを促進する物質なのですが、アポトーシスは細胞に悪い変化が起こった場合に働くもので、遺伝子異常を起こした細胞も攻撃することで、これががんの抑制になっているのではと考えられているのです。
大腸がんの場合にも乳酸菌の摂取により増加した酪酸がアポトーシスの作用を促進し、大腸がんの発生を予防する可能性があるとも捉えられます。
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C型肝炎の原因

C型肝炎だけではなく、A型肝炎も、B型肝炎も原因となるもののほとんどはウイルス感染です。
ウイルスに感染したからといって、全ての人が肝炎を発症するわけではありません。
特に普段から飲酒の習慣などがある人の方が発症や進行が早いといわれています。
ウイルスの感染に加え、生活習慣も肝炎の原因になりうると考えられます。
C型肝炎の原因となるC型肝炎ウイルスは血液を媒介として感染するといわれています。
感染する人の中で、発症するのは6割から7割程度であると言われていて、そのうちの3割程度の人は、そのまま肝炎にならずに治癒してしまいます。
C型肝炎ウイルスに感染して、慢性的な肝炎の状態になると、肝硬変や肝がんを発症する可能性も高くなります。
C型肝炎ウイルスに感染している人は、日本では200万人程度存在するといわれていますが、実際にはその4分の1程度の人しか医療にかかっていないといわれています。
これは、C型肝炎ウイルスに感染しているということが、自覚がないからです。
C型肝炎を発症していたとしても、自覚症状がほとんどないため、実際に血液検査を受けないとわからないという状況です。
最近では、C型肝炎の原因である、血液感染を防ぐ処置がとられていますから、これからC型肝炎ウイルスに感染する人は減っていくかもしれませんが、年齢の高い人は、C型肝炎ウイルスに感染している人がいる可能性があります。
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前立腺がん治療の名医:北海道・東北

塚本泰司
札幌医科大学付属病院
北海道札幌市中央区南1条西16-291  ℡011-611-2111 
羽渕友則
秋田大学医学部付属病院
秋田県秋田市本道1-1-1 ℡018-834-1111
荒井陽一
東北大学医学部付属病院
宮城県仙台市青葉区星陵町1-1 ℡022-717-7000
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食道がん(食道癌)の治療:胸部食道がんの外科手術

胸部食道がんの場合には、胸を大きく開いて胸部の食道全てを切除すると同時に胸部リンパ節郭清を行います。
ほかに頸部と腹部を切開して食道を引き抜く方法もありますが、食道周囲のリンパ節郭清ができないというデメリットがあります。
最近では胸腔鏡を使って開胸せずに胸の中のリンパ節を切除する方法も試みられています。
胸部食道がんでは、腹部や頸部のリンパ節にも転移をおこすことが多いので、腹部や頸部のリンパ節も郭清します。
食道を切除した後、胃を管状に成形して持ち上げ残った頸部食道とつなぎあわせます。
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胃切除後の食事の注意ポイント:要注意の食品

コーヒー
一日に1杯~2杯程度なら心配ありませんが、味の濃いコーヒーを何杯も飲むと、おなかの調子を崩す原因になります。ブラックコーヒーを飲む方もいますが、空腹時にはできるだけ避けるようにしたほうがよいでしょう。
食物繊維の多い野菜
食物繊維が多い野菜には、キノコ類、海藻類、タケノコ、コンニャクなどがあります。食物繊維はもともと消化しにくく、よく噛まないまま飲み込んでしまうと、お腹をくだしたり、詰まってしまうことがよくあります。
便秘予防のためにも、食物繊維はできるだけ不足したくない食品ですので、よく噛んで食べるか、調理の段階で細かくしておきましょう。
大豆
食物繊維も多いので、一部の調理法によっては、消化がよくない場合もあります。豆腐や納豆などは消化も良いので安心して食べることができます。
いか、たこ、貝類
噛みにくいので、そのまま流し込むとよく消化不良を起こします。無理に飲みこむのはよくないので、あまり摂らないのも1つの方法です。
香辛料
香辛料には辛いものもありますが、塩分の摂り過ぎよりは心配ありません。大量に摂取すると、健康な人と同じように、胃の粘膜が傷つきます。
アルコール
すぐに禁酒する必要はありませんが、胃の機能が低下しているので、アルコールがすばやく吸収されるようになります。その結果、酔いが早くなるのでやや注意しましょう。ビールも、炭酸ガスによっておなかが膨れることがありますが、個人差があります。
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食道がん(食道癌)の治療:頸部食道がんの外科手術

食道がんが、頸部に留まっていて周囲への拡がりが無い場合には頸部食道のみを切除すると同時に頸部リンパ節の切除も行います。手術は小腸の一部を移植して食道を再建します。
がんが喉頭の近くまで拡がっている場合には頸部食道とともに喉頭も切除し、小腸の一部を移植します。
喉頭を切除してしまうため声帯が失われ声が出せなくなりますので、代用音声を用いることになります。
また呼吸機能も失われるため気管の入り口を首の皮膚につなげて気管孔をあけることになります。
胸部にまで食道がんが拡がっている場合には胸部食道も切除する必要がでてきます。
胃を食道の代わりとして用いる再建術が行われます。
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胃切除後の食事の注意ポイント:食べ方

胃を切除した後の毎日の食事についてですが、食事の内容自体は、それほど変更する必要はありません。
注意点としては、脂肪分をとり過ぎないことです。重要なのは食べ方です。
胃切除のあとの症状
すぐにおなかがすく
少しずつしか食べられない
早食いすると苦しくなる
食事のあと、動悸やめまいがする
下痢をしやすい
おならがよく出る
空腹時に低血糖症状があらわれる
食後の不快な症状の多くは、ダンピング症候群と呼ばれるものです。これは、胃の幽門を切除した場合や、全部摘出した場合などに起こりやすいとされています。
食後30分以内:早期ダンピング症状
症状:めまい、動悸、発汗、眠気、下痢など
腸の消化液の分泌が増して、水分やホルモン量のバランスが崩れることから生じます。
食後2、3時間後:後期ダンピング症状
症状:倦怠感、脱力感、めまい、冷や汗、ふるえなど
食後の急激な高血糖状態に対し、血糖を下げるホルモンである「インスリン」が膵臓から大量に分泌されます。その結果、血糖が下がりすぎて症状が発生します。
ゆっくり少しずつよく噛むことが大切
胃の切除後は、少しの食事でもすぐにおなかがいっぱいになります。このときに食事を取りすぎると、ダンピング症状が起こりやすくなってしまいます。
はじめは1日5食を目標にして、徐々に量を増やしていけばいいでしょう。
食事中の心がけ
1回の食事は30分の時間をかける
胃の働きが悪くなっているので、早食いは消化不良やつかえ、苦しみの原因になります。食べる量は減っていても、食事にかける時間は最低でも30分はとるようにしましょう。飲食物が流れるペースを自分で調整しましょう。
少量でとどめる
術前はまだまだ食べれたかもしれませんが、控えめにしましょう。食べられる量にも個人差がありますが、さっきも述べたように、食べすぎはダンピング症状のもとにもなります。
食べていかないと体力がつかないと心配するかもしれませんが、食べすぎも体に良くありません。
一口ごとに箸をおく
飲み込んだ飲食物が流れていったのを確認してから、毎回箸を置いて休憩するのがよい方法です。一気に食べるのを防ぐこともできます。
          
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すい臓がん(膵臓癌)の抗がん剤と副作用

すい臓がん(膵臓癌)の治療方法は、抗がん剤治療や放射線治療が主に行われます。
抗がん剤は、がん細胞が分裂しDNAと合成することを妨げる役目をします。
がん細胞は、通常の細胞よりも多く細胞分裂を繰り返すため、それを妨げることで細胞の増殖を抑えます。
抗がん剤が作用するのはがん細胞だけでなく、通常の細胞にまで作用してしまうため、そこには副作用が発生してしまうのです。
すい臓がんは抗がん剤があまり効かないがんです。
それでも、生存率が伸ばせることもあり、副作用との兼ね合いをみながら使用します。
副作用には、主に吐き気、嘔吐、脱毛などが現れます。
他には免疫力の低下や貧血、出血などもみられます。これは、骨髄にある造血細胞から赤血球や白血球、血小板などが骨髄で作らますが、この造血細胞が破壊されてしまうために起こるのです。
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食道がん(食道癌)の治療:外科手術療法

食道がんの標準的な治療で、がんを含めて食道を手術で切除します。
適応となるのはI期~III期までの食道がんで、IV期の場合には外科手術は行われません。
高齢で体力的に手術に耐えられないと判断された場合や、心臓や肺などに合併症があり手術が困難な場合にも適応とならない場合があります。
食道がん(食道癌)の場合、がんの発生部位により手術の方法が異なってきます。
手術の結果起こる合併症が少なからずあります。肺炎は20%程度、縫合不全20%程度、胃・肝臓・心臓などの障害が5%以下で、さらに死亡に繋がる確率は全体で2%程度あります。
手術前から合併症がある場合にリスクが高くなります。
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胃切除後の食事の注意ポイント:後遺症

開腹手術によって胃を切除した後は、いろいろな後遺症があらわれます。
この後遺症を「胃切除後症候群」と呼びます。後遺症は食生活と大きく関係しており、日常生活において見過ごせないものとなります。
手術後の後遺症
ダンピング症候群
ダンピングとは「墜落」という意味で、食べ物が腸に墜落して急に流れ込む様子を表しています。もっとも多くみられる後遺症です。
不快な症状
冷や汗が出る
脈拍が速くなる
動悸がする
倦怠感が出る
頭痛、めまいが出る
まれに意識障害が起こる
貧血
胃の切除により、鉄分とビタミンの吸収が障害されて、欠乏することが原因で起こります。不足している分を補うことが必要です。
骨粗鬆症
胃の切除でカルシウムの吸収が悪くなり、骨がもろくなります。カルシウムやビタミンDを投与して対処していきます。
腹壁瘢痕(ふくへきはんこん)
ヘルニア腹壁の筋肉が閉じずに、皮膚の下に腸が飛び出している状態です。
流性食道炎
胃の手術後には、胸焼けを起こすことがあります。粘膜保護剤や酵素阻害薬などを使用していきます。
胆石
手術後は胆のうの収縮が悪くなって、胆石ができやすくなることがあります。胆嚢炎で症状が強くなったときは手術が必要になります。
胃を切除した後は、体重が減少します。これは、食べられる量が少なくなるのに加えて、吸収効率が悪くなるためです。
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前立腺がんの骨転移:メカニズム

血液の流れを介して前立腺がんの癌細胞が運ばれ、本来は古くなった骨を壊す役目を負っている破骨細胞の助けを得て居場所を得て増殖します。
癌細胞が破骨細胞を使って増殖するスペースを確保し、増殖すると破骨細胞をさらに働かせ、転移が進むのです。
前立腺がんの骨転移が起こりやすい場所としては、骨盤骨・肋骨・大腿骨があります。
骨は全身の様々な場所に配置されているものの、リスクは均等に分散されているわけではなく、一部に偏っています。
骨転移によって痛みを感じやすい場所としては腰や背中、太ももといった場所です。
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腎臓の病気:痛風腎

尿酸結晶が腎臓に沈着すると痛風腎となります。
尿酸はプリン体が代謝されてできる老廃物です。
体内のプリン体からの産生が多い、プリン体を多く含む食品(魚、肉類)の取りすぎ、あるいは尿中の排泄が低下する、あるいはこれらが重なって、血中濃度が上昇します(高尿酸血症)。
血液に溶けることのできる尿酸の量は非常に少なく、濃度が上がると結晶として、特に関節に沈着し、我慢できないくらい痛むのが痛風発作で、遺伝的な要因が大きいとされています。
痛風腎を発症すると、慢性間質性腎炎を呈し慢性腎不全の原因となります。
糸球体には病変が少ないため尿蛋白はあまり出ません。
尿酸結石が尿路につまると血尿や痛みを呈します。
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B型肝炎の治療法

急性B型肝炎では、まず安静が第一です。
急性肝炎の場合では劇症肝炎への悪化を防ぐため入院が必要になります。
黄疸が消え、肝機能がある程度回復してくると自宅療養用も可能になってきます。
薬物療法では、抗ウイルス剤と細胞自体が自己防衛のため産生する物質の生成促進剤や、一旦免疫を薬剤で抑制しそのリバウンドで免疫力アップを図る方法もあります。
B型の慢性肝炎は、C型慢性肝炎とは異なりウイルス除去が困難といわれています。
治療目的は患部位の炎症つまり肝炎を抑える事とされています。
B型肝炎のウイルスは「HBs」「HBe」「HBc」の3種類の抗原を持ちそれぞれの抗原と抗体の関係で、治療法も変わります。
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乳がん治療の有名・おすすめ病院:九州・沖縄

福岡県 1病院
国立病院機構 九州がんセンター
★診療科目 婦人科 福岡県福岡市南区野多目3-1-1 ℡092-541-3231 
九州における子宮がん診療拠点病院。がんの治療については、手術、放射線療法、化学療法(抗癌剤による治療)という3つの柱を各患者によって適切に組み合わせて治療を行っている。チーム医療を基盤に、新薬の開発治験にも取り組む。
熊本県 1病院
国立病院機構 熊本医療センター
★診療科目 産婦人外科 熊本県熊本市二の丸1-5 ℡096-353-6501
特に悪性腫瘍に関しては、1974年より約3400例の治療経験を有し、手術、放射線治療、化学療法を専門的に行っている。また、産婦人科救急症例に関しては24時間受入体制をとっている。
大分県 1病院
大分県立病院
★診療科目 婦人科 大分県大分市大字豊饒476 ℡097-546-7111 
年間の新規婦人科悪性腫瘍患者数は大分県随一。2005年に総合周産期母子医療センタ-が開設されたことに関連し、大分県内の妊娠に合併した悪性腫瘍患者の多くが当科に集中し、特に妊娠に合併した子宮頚がん患者数はこれまでに100例を越え、国内ではトップの症例数を誇る。
宮崎県 1病院
県立宮崎病院
★診療科目 産婦人科 宮崎県宮崎市北高松町5-30 ℡0985-24-4181
子宮頸がんは年間60~80例、子宮体がんは20~30例、卵巣がんは20~30例の新規患者を毎年治療している。子宮頸がんは前がん病変を入れると150例近くの治療を行っている。
鹿児島県 1病院
鹿児島市立病院
★診療科目 産婦人科 鹿児島県鹿児島市加治屋町20-17 ℡099-224-2101 
鹿児島県内の婦人科疾患、特に悪性疾患(がん)を中心とした婦人科疾患の患者の管理を行っている。年間の患者は約120例の子宮頸がん、約35例の子宮体がん、約35例の卵巣がんの患者を治療している。
沖縄県 1病院
琉球大学病院
★診療科目 産婦人科 沖縄県中頭郡西原町字上原207 ℡098-895-3331
子宮がん・卵巣がん、子宮頸がんの手術件数(2005年度)では、沖縄県では第一位。また九州・沖縄エリアにおいては、症例数の比較的多い病院。2005年4月現在、日本産婦人科学会の認定の専門医が16名所属している。

食道がん(食道癌)の治療:内視鏡的治療

リンパ節転移の可能性がないと考えられる早期食道がん(0期)は手術をせずに内視鏡的による切除が可能です。
がんが粘膜内に留まっていても大きく拡がっている場合には内視鏡的治療が難しいときもあります。
内視鏡的粘膜切除術後は、切除した癌組織を顕微鏡で詳しく調べ、がんが粘膜固有層までに留まっていればリンパ節転移の可能性がほとんどないためここで治療は終了します。
しかし、粘膜下層までがんが浸潤している場合にはリンパ節に転移している可能性があるため放射線療法が行われる事になります。
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すい臓がん(膵臓癌)のがん性疼痛

がん(癌)性疼痛とは、癌による強烈な痛みのことをいいます。
原因は、癌腫が神経や内臓を侵したり圧迫したりする痛み、血管を侵したり圧迫したしする血行障害の痛み、組織の壊死による痛み、炎症の為の痛み、などさまざまです。
痛みを和らげる方法として、治療と看護計画を合わせたターミナルケアが行われます。
ターミナルケアとは、治る見込みが望めないと判断され、半年以内に死を迎えるであろうことが予想される患者さんに対して行われる治療や看護をいいます。
すい臓がんの場合、早期発見が困難なうえ、手術が可能なのは30%くらいなため、肉体的な苦痛を和らげることはとても重要になります。
激しい痛みにには、鎮痛薬や麻薬の一種であるモルヒネの注射などが行われます。
しかし、麻薬は、量が増えていくと急激に体力が奪われてしまいます。
最近では、効果があると報告された抗鬱薬も使われるようになりました。
手術も出来ず、薬も効かない場合、痛みを抑えるために神経ブロックという方法もあります。
癌性疼痛の中でも、痛みが限定されている場合や、内臓からくる痛みの場合に効果があるといわれています。
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肺がんのさまざまな症状への対応:呼吸困難

呼吸困難とは「呼吸がしづらい」「息が詰まる感じ」「空気を吸い込めない感じ」などの自覚的な症状です。
呼吸困難がおこる原因
呼吸困難がおこる原因として、大きく分けて3つの原因があります。
1)肺及び気管支などに原因があるもの
•肺のがんが大きくなり呼吸容積が減少
•気管や太い気管支のがんによる気道の狭窄(きょうさく)
•気管や気管支に痰が詰まることによる気道の狭窄
•胸水
•がん性リンパ管症
•肺炎・気管支炎
•薬物・放射線治療による肺炎
•肺切除術による肺容積の減少
•持病である慢性気管支炎、肺気腫、気管支喘息などの悪化
2)肺・気管支以外に原因があるもの
•大量の腹水による横隔膜の圧迫
•心不全
•心嚢水(しんのうすい)
•頸部原発のがん、頸部へのがんの転移、がんに伴う浮腫などによる上気道狭窄
•強度の貧血
•便や腸内ガスの貯留による横隔膜の圧迫
3) 心理的な原因があるもの
•病名や予後についての不安や精神的ストレス
呼吸困難に対する治療
呼吸困難に対する治療として、呼吸困難の原因に対する治療と呼吸困難の症状を緩和させる治療があります。
1)呼吸困難の原因に対する治療
呼吸困難の原因となっている病状の解決を目指す治療です。例えば、肺炎に対する抗生物質の投与、胸水貯留に対する胸水の穿刺排液、貧血に対する赤血球輸血などがあります。
2)呼吸困難の症状を緩和させる治療
呼吸困難の原因の解決が難しい場合には、呼吸困難の症状を緩和させる治療を行います。
(1) 酸素療法
酸素吸入を行うことにより、低酸素状態になった組織の機能を改善し、自覚症状を軽くすることができます。呼吸困難があって自宅で過ごしたい場合、簡単な酸素吸入の器械を自宅に設置して日常生活を過ごすことができます(在宅酸素療法)。酸素を吸いながら、食事や入浴・排泄・散歩など、状態に応じて身のまわりのことを自力で行うことも可能です。あなたの病状に在宅酸素療法が適しているかは、担当医にご相談下さい。
(2) 薬物療法
呼吸困難を緩和させる薬物療法には、モルヒネが使われます。モルヒネには息苦しいと感じる中枢の感受性の低下、呼吸数を少なくすることによる酸素消費量の減少、鎮咳作用があるとされます。
気道狭窄、がん性リンパ管症などにはステロイドホルモンも用いられます
呼吸困難の症状を軽減する工夫
呼吸困難の症状を軽減するためには、ふだんからどのような動作により呼吸困難が軽減するか、あるいはどのような動作で呼吸困難が増強するかを知っておくことが大切です。また、咳や痰の有無、腹部が膨らんでいないか、発熱、便秘、不安、不眠などがないか注意しておくことも大切です。
1)環境の調整
呼吸困難を増強させる原因として、不適当な温度、湿度、塵埃などがあげられます。室内の換気に配慮したり、たばこを吸われている方は禁煙をするなどして生活環境を整えましょう。室温を少し低くしたり、窓をあけて風を入れる、扇風機をまわす、顔をうちわであおぐなどして涼風を感じるようにすることも効果的です。
また、生活する部屋を1階にしたり、トイレに近い場所にするなど、生活しやすくするための工夫も重要です。吸い飲み、ティッシュ、リモコンなど日用品を手の届くところに置き、あまり身体を動かさなくても済むようにします。
2)楽な姿勢の工夫
衣類や寝具などによる緊張や圧迫を避け、起こせるベッドや枕・マットレスなどを利用し、上半身を起こした無理のない姿勢にします。これは、横隔膜を下げて呼吸面積を広げ、さらに下半身を下げることによって静脈血液の心臓への戻りを少なくし、肺の負担を軽くします。しかし、がんの場合、骨転移・むくみ・全身衰弱による苦痛の強さは個人差があるので、一番楽だと感じる姿勢にするのがよいでしょう。ただし、長時間同じ姿勢のままだと床ずれの原因になりますので、計画的に姿勢をかえることが大切です。その際は、ゆっくりと姿勢をかえるように心がけましょう。
3)痰を出す工夫
痰がたまると呼吸困難の原因となるので、痰の出し方を工夫する必要があります。水分が不足すると、痰が粘りを増して出しにくくなるので、水分の補給やうがいを行いましょう。
また、長時間同じ姿勢でいることで痰がたまります。それを防ぐために、姿勢をかえたり、胸の上に置いた介護者の手を細かく振動させることで痰を気道から離れやすくします(振動法)。また、息を吐く時に下部胸郭を両手で圧迫する咳そう介助は、胸腔内膜を高めて有効な咳をするのを助けます。 痰を出しやすくする薬の服用や吸入について担当医と相談してみましょう。
4)食事について
呼吸困難時は食欲が低下するため、呼吸が楽な時に食べられるよう配慮しましょう。高カロリーで、食べやすい食事を準備します。 乾燥したものより、水分の多いもののほうが食べやすいようです。一度に多く食べられない場合は、食事回数を増やしたり、時間をかけてゆっくり食べられるように工夫します。食べるとむせやすい方には、みそ汁やスープなどの汁物にはとろみをつける工夫をしたり、食べやすいヨーグルトやプリンを取り入れるなどの工夫をしてみましょう。薬局でとろみをつける増粘食品やゼリーを購入する方法もあります。
また、呼吸や汗などにより口の中が乾きやすくなるので、手の届く位置に好みの飲み物を置いておくなどの配慮をします。頻回のうがいを行い、乾きを和らげるよう心がけましょう。
5)排便の調節
呼吸困難による体動制限、食事量の低下、咳止めや痛み止め・麻薬などの使用により、便秘になりやすくなります。さらに、排便時に力む間は規則正しい呼吸ができないために、呼吸困難を増強させます。排便を容易にするために、繊維分を多く含んだ食品をとり、水分を多めにとるよう心がけましょう。
また、便秘薬を適宜使用したり、腹部マッサージを行うなどの便秘対策が必要です。排便習慣にもよりますが、3日以上の便秘には排便用坐薬・浣腸などを使用し、なるべく早く解消するようにしましょう。
6)衛生面
頻回の呼吸や痰により口の中が乾燥しやすくなり、感染をおこしやすくなります。感染は全身の代謝を亢進させ、酸素消費量を増します。特に気道感染(風邪)は、呼吸困難を急激に悪化させるため、うがいや歯みがきなど、口腔内を清潔に保つことが重要です。
また、入浴により疲労し、呼吸困難が増強する場合があります。呼吸困難の程度に合わせ、入浴時間を短くしたり、シャワーだけにしましょう。また、症状が強い場合は暖かい日を選んだり、室内の温度を調節したりして熱いタオルで身体をふくとよいでしょう。水で絞ったタオルを電子レンジで加熱すると、簡単に蒸しタオルがつくれます。
7)睡眠
十分な睡眠がとれないと呼吸困難を増強させます。一般に、夜間は精神的な不安が増すので、不眠を招きやすく体力を消耗してしまいます。短時間でも熟睡感が得られると、気分が好転して闘病への意欲につながります。
熟睡できるように遮光したり、騒音防止の工夫をするとともに、眠ってしまうまでだれかがそばについているなどの配慮も必要です。
睡眠中に痰がたまったり、咳が出たり痛みがあったりすると睡眠不足になります。眠る前に十分に痰を出すように心がけましょう。加湿器を利用すると、比較的痰は出しやすくなります。咳がひどい場合、痛みがある場合は、担当医に相談して咳止め・痛み止めを処方してもらうとよいでしょう。
不眠が続くようであれば、睡眠剤について担当医と相談して下さい。
8)不安の軽減
不安や恐怖は、呼吸困難をいっそう強くします。訴えをよく聞くなど、コミュニケーションを十分にとって、できるだけ安心してリラックスできるようにすることが大切です。
また、呼吸困難が強くなった場合には、担当医と相談し、早めに受診するなどの対応をして下さい。
9)コミュニケーションの工夫
不必要な会話は酸素消費量が増え、呼吸困難を増強します。また、コミュニケーションの障害は精神的ストレスを引きおこします。意思疎通の合図を決めたり、ゆっくり話すようにしましょう。常に、ゆったりした気持ちで過ごせるように心がけましょう。
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胃がん治療後の生活:日常生活、定期検査

まずは、毎日の暮らしを充実させて、不安を取り除くことが、再発防止への手がかりになります。
【がんを防ぐための12か条】
1.バランスのとれた栄養をとる
2.毎日、変化のある食生活を
3.食べすぎをさけ、脂肪はひかえめに
4.お酒はほどほどに
5.たばこは吸わないように
6.食べものから適量のビタミンと繊維質のものを多くとる
7.塩辛いものは少なめに、あまり熱いものはさましてから
8.焦げた部分はさける
9.かびの生えたものに注意
10.日光に当たりすぎない
11.適度にスポーツをする
12.体を清潔に
定期検査で早期発見・早期治療
胃がんに対して有効な抗がん剤も開発されているので、早期に発見すれば治療できる可能性が高まっています。そのためには定期的に通院・検査をして、再発への備えをし、早期発見すれば、それだけ治療法の選択の範囲も広がり、負担も軽減されます。
一般的には、手術後2~3年間は3~6ヶ月ごとに、そのあとは5年を過ぎるまでは半年ごとに診察と検査を続けます。
身体所見
視診で貧血や黄疸の有無を調べます。触診では腹部の張り、しこりの有無、鎖骨のリンパ節の腫れを調べていきます。
腹部CT検査・超音波検査
肝転移やリンパ節転移がないかを調べていきます。
血液生化学検査
血液検査では、栄養状態と貧血について調べます。
また、腫瘍マーカー(がん細胞が作り出した特徴的な物質)を測定することで、体内のがんの状態を推定することができます。
腫瘍マーカーが異常値を示していても、必ずしも再発が起きているとは限りません。
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子宮内膜症の薬物治療:漢方

子宮内膜症は静脈血のうっ血した症状で、漢方ではお血といいます。
代表的な漢方の薬は、桃核承気湯、通導散、きゅう帰調血飲第一加減、桂枝茯苓丸、温経湯、折衝飲等です。                                                 病変の程度によって西洋薬と漢方を使い分ける考え方もありますが、漢方を長期間服用することで、うっ血の除去、月経痛、腰痛などの痛みを改善し、再発の予防に有効です。
 (加減1)
 きゅう帰調血飲第一加減の代わりに当帰芍薬散+桂枝茯苓丸でもいいでしょう。
 (加減2)
 便秘傾向の場合は、当帰芍薬散+大黄牡丹皮湯。
 (加減3)
 主な症状が下腹部痛の場合は、折衝飲。
 (加減4)
 月経過多の場合は、きゅう帰膠艾湯を併用します。

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大腸がんの予防:漢方

漢方というのは、中国から伝わった医学を日本人が発展させて独自のものにさせていった医学です。
漢方は身体全体のバランスが崩れると病気にかかってしまうと考え、治療も身体を本来のバランスのとれたあるべき姿に戻して健康にするという考え方をします。
「気」「血」「水」の状態を把握することが大事とされています。気力が充実して血液の流れや栄養に問題なく、汗など血液以外の水分についても問題がなければ健康な状態になると考え、これらのバランスを整えることで健康にするのが漢方治療ということになります。
漢方薬の重要な働きは身体の免疫力を高めることです。
疲れなどが溜まった気力が低下しているときや、栄養不足などで血液中の栄養不足があると免疫が低下し、細菌やウィルスなどの感染症にもかかりやすくなりますし、ガン細胞の発生を食い止める力も弱まりますので発症しやすい状態となります。
漢方薬は薬ですので健康なときに摂るものではありませんが、身体の不調を感じたときには、深刻な不調に陥る前に身体の状態にあった漢方薬を使用することで、本来の免疫力を取り戻すことができます。
ラクトフェリンは自分の免疫力の限界点を高めることが期待できますが、漢方は不調になって低下した免疫力を元の正常な状態に戻すと考えればよいでしょう。
         
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前立腺がんの骨転移:生存率と余命

前立腺がんが骨転移を起こしていると、治療後の経過は悪くなります。
5年生存率は30%程度となり、平均余命が2年から3年となっています。
症状の進行が遅いため、他の癌と比べると期待余命が長い傾向にあります。
その間の生活を症状が邪魔しないようにしておく必要があります。
治療は余命を延ばすだけではなく、生活の質を維持するためにも大切です。
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腎臓の病気:水腎症

腎臓でつくられた尿は、腎盂から尿管を通って膀胱にたまり、尿道から排泄されます。尿路の途中に障害が起きて尿が流れにくくなると、尿が腎臓の中にたまってります。
すると、腎盂や腎杯の拡張が生じますが、この症状が水腎症です。。
子供の水腎症は先天的なものが多く、中高年の水腎症は後天的な原因が主になります。
水腎症の原因
水腎症の原因となる尿路閉塞症には、先天性疾患と後天性疾患のものに分けられます。また、特殊な例では、子宮内膜症が尿管で発症したケースや、外傷や手術の後遺症なども原因となります。
先天性疾患
生まれつき尿管が細い
膀胱尿管逆流症
膀胱憩室
先天性神経障害
大動脈後尿管
線維上皮性ポリープ など

後天性疾患
尿路結石による尿の通過障害
腫瘍
悪性腫瘍の転移
前立腺肥大
動脈瘤による圧迫
尿管炎、結核などの尿管の炎症 など

水腎症の症状
水腎症の進行はゆるやかなため、早期に症状が現れることはあまりありません。
症状は原疾患によって異なりますが、急性の尿管結石の場合は、腰や側腹部に激しい痛みが現れます。吐き気などの消化器症状もみられることがあります。
尿の停滞により尿路感染を合併します。発熱がみられ、痛みも大きくなります。膿腎症に発展するケースもあります。
水腎症の治療
水腎症の原因はさまざまなので、治療はそれぞれの症状を解消することが基本となります。原則としては、尿路の閉塞を早めに解除して、腎機能が障害されるのを防がなければなりません。
手術療法では、カテーテルを挿入するなどして、尿流の改善を行います。腎機能が失われているときには、腎摘出手術が行われる場合もあります。
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B型肝炎の治療法

B型肝炎の治療法
主に次の4種類の方法があります。
ラミブジン(Lamivudine:ゼフィックスTM)
ヌクレオチドアナログであるラミブジンは内服の抗ウイルス剤で、副作用も少ないため各国で広く使用されています。ALTが正常値の2倍以上の高値で経過する場合には、本剤を使用する適応がありますが、肝臓専門医による投与が理想的です。e抗原陰性例やe抗原陽性でもHBV-DNAが108copy/ml以下であれば効果も良好ですが、e抗原でHBV-DNAが108copy/ml以上の場合には治療効果に限界があり、6ヶ月目前後より耐性株の出現が高頻度で注意が必要となります。耐性株が出現することによる肝炎急性増悪が起こった場合は、インターフェロンの他、同様な抗ウイルス薬であるアデフォビルAdefovirが有効です。
いずれの場合においても1年以上の長期投与が原則となります。
ラミブジン1日100mg内服を1年間行った場合のe抗原e抗体系のセロコンバージョン率は、治療前のALT値に比例します。ALT値が正常の5倍以上であれば65%、2~5倍であれば25%、2倍以下では5%以下です。ラミブジンにインターフェロンを併用するとセロコンバージョン率が高くなり、また、長期投与を行うとセロコンバージョン率が高くなると報告されています。
インターフェロン
抗ウイルス剤として以前より使用されており、ラミブジンと同様の治療目標で、同様の治療適応の薬剤です。インターフェロンは注射剤で、発熱・全身倦怠感・うつ病などの副作用もありますが、ラミブジンにみられるような耐性株の出現はありません。両薬剤は、投与期間・薬剤費用・通院の手間・副作用出現などについて、患者への十分な説明が必要となります。
インターフェロン治療は、通常週2~3回で6ヶ月またはそれ以上の間歇長期投与で行われますが、多くの場合、治療開始初期のみ4週間程度の連日投与が行われます。
ALTが正常の2倍以上のe抗原陽性慢性肝炎に対して、週2回のインターフェロン治療を6~12ヶ月間行うと、e抗原陰性化率は30~40%で、無治療の10~15%より高率となります。インターフェロン投与方法による治療効果の違いは大きく、4週間連日投与のみを行ったわれわれの治療症例ではe抗原陰性化率は19.5%となりました。また、インターフェロン治療例を長期に観察した51例のわれわれの集計では、7年後のe抗原陰性化率は49.0%でした。
ステロイド離脱療法
e抗原陽性のB型慢性活動性肝炎に対して、宿主の免疫能の高まったALT上昇時期にステロイド剤を3~4週間投与する治療法です。投与終了後に特徴的なALTの反跳現象がみられ、この時期の経過観察後にe抗原陰性化・ALT正常化を期待する治療です。ALT反跳時期に肝炎重症化を引き起こす危険性が指摘されているので、肝臓専門医以外での治療はできません。肝硬変に近い進行慢性肝炎症例やAFP高値の慢性肝炎症例においては行えません。
e抗原陰性化率は1年後約50%、3年後は約70%です。
その他の治療薬
漢方製剤である小柴胡湯、グリチルリチン、グリチルリチン注射剤(強力ネオミノファーゲンCTM)、ウルソデオキシコール酸などは免疫調節剤・肝庇護剤として主としてトランスアミナーゼを低下させる目的で使用されますが、ウイルス学的な効果は小さいです。プロパゲルマニウムは免疫調節作用があり、トランスアミナーゼの反跳現象を経てウイルス学的な改善をもたらしますが、一時的な肝炎重症化の危険性も指摘されています。
グリチルリチン注射製剤を1日40mlで週5回以上静脈注射すると16%の症例でALTの正常値が得られました。1日100mlとすると32%の症例でALT正常値が維持できています。ウルソデオキシコール酸内服は、これらグリチルリチン製剤と相加的ないし相乗的作用を示して、ALT低下をもたらします。
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乳がん治療の有名・おすすめ病院:中国・四国

岡山県 2病院
倉敷中央病院
★診療科目 外科  岡山県倉敷市美和1-1-1 ℡086-422-0210 
年間の乳がん手術件数は122件(2005年度)と岡山県では上位。乳房温存手術を希望すれば、乳癌学会のガイドラインを超えていても極力対応。
川崎医科大学病院
★診療科目 乳腺甲状腺外科  岡山県倉敷市松島577 ℡086-462-1111 
乳腺甲状腺疾患の研究・診療における中国地区の拠点となっており、多数の患者を診察・治療。乳房温存手術については、日本で最も早い時期、1987年から行っており、現在までに370例に及ぶ。
広島県 3病院
広島市民病院
★診療科目 外科  広島県広島市中区基町7-33 ℡06-6929-1221 
県内では最も乳がん手術の多い病院。早期の乳がんの場合は多くの場合、乳房温存手術(腫瘍を周囲を含めて広めに切除します)およびセンチネルリンパ節生検が可能。現在の乳がん手術の約7割は乳房温存手術。
国立病院機構 呉医療センター 中国がんセンター
★診療科目 外科  広島県呉市青山町3-1 ℡0823-22-3111 
乳がんにおける治療の中心は乳房温存術であり、手術患者の約半数に行っている。また、腫瘍が大きく温存術が困難な場合には術前化学療法を行い、腫瘍の縮小を計り温存術を行っている。やむを得ず乳房切除術になった場合には同時乳房再建を行う。
広島大学病院
 
★診療科目 第2外科  広島県広島市南区霞1-2-3 ℡082-257-5555 
現在では定型あるいは拡大乳房切除術はほとんど行わず、非定乳切または乳房温存術が合わせて全手術件数の約90%を占めるに至っている。
徳島県 1病院
とくしまブレストケアクリニック
★診療科目 外科  徳島県徳島市中島田町4-7-7 ℡088-633-8484
年間の乳がん手術件数(2005年度)は162件と、県内2位の徳島大学(52件)を大きく引き離してのトップ。乳房温存率も71%と高い。
香川県 1病院
香川労災病院
★診療科目 外科  香川県丸亀市城東町3-3-1 ℡0877-23-3111 
日本乳癌学会研修施設に認定されており、年間の乳がん手術件数は102件と、香川県ではトップクラス。術前および術後の化学療法を積極的に行っている。
愛媛県 1病院
国立病院機構 四国がんセンター
★診療科目 乳腺・内分泌外科  愛媛県松山市堀之内13 ℡089-932-1111
愛媛県の全てのがん患者の60%以上にあたる年間260例以上の手術を行っている。手術方法としては、乳房温存療法を主として行っており、さらに形成外科の協力のもときれいな乳房を残すべく努力している。

食道がんの手術後の後遺症

食道がんの手術後の後遺症
反回神経麻痺
声帯の働きに関わる反回神経が麻痺してしまうことがあります。付近のリンパ節を取るために起こるもので、術後に声が嗄れることがあるほか、誤飲を引き起こすことがあります。時間が経つと回復していくことがあります。
縫合不全
食道と胃や腸を縫い合わせる際に、縫い目の部分から唾液や飲食物が漏れるのが縫合不全です。手術の5%ほどの頻度で起こり、時間の経過によって治ることが大多数です。
肺合併症
食道がんの手術後の傷の痛みや肺の付近の神経のまわりにあるリンパ節を取ることによって、咳をして痰を出すことが十分にできなくなった場合、肺炎を起こすケースがあります。また唾液や食べ物が気管に入ってしまうことも肺炎の原因となります。
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すい臓がん(膵臓癌)は再発・転移しやすい

すい臓がん(膵臓癌)を手術で全部切除できても、その時点ですでにがん細胞がリンパ液や他の臓器に転移していることがあり、時間の経過とともに転移が明らかになることがあります。
目に見える大きさの癌がなくなったあとに、再びがんが現れることをがあります。
すい臓がん(膵臓癌)が再発した場合、再度手術できることは稀で化学療法(抗がん剤治療)が行われることが一般的です。
すい臓がん(膵臓癌)はたとえ早期に見つかって根治手術が行われたとしてもほとんどのケースで再発が認められてしまいます。
すい臓がん(膵臓癌)は極めて進行が速いため診断を受けた時点ですでに周りに浸潤していたり、転移してしまっていることが多く治療を困難にしています。
すい臓がん(膵臓癌)はがんが小さなうちから周囲に浸潤したり、肝臓転移や肺転移、腹膜播種、骨転移など転移しやすい性質が強い傾向があります。早い段階で転移してしまうことが膵臓がん治療をさらに困難にしているといえます。
肝臓や肺そして骨などにがんが転移するのは、血液やリンパ液の流れにがん細胞が乗ってそれらの臓器に運ばれ、増殖するためです。
肺転移や肝臓転移、腹膜播種、骨転移などの症例では手術によってがんを切除しても、全身を血液やリンパ液の流れに沿ってがん細胞が回っているため、すぐに他の部位にがんが出来てしまいます。手術は体に大きな負担を掛けますから、一部の例外を除いて遠隔転移したすい臓がん(膵臓癌)は手術をしません。
肺転移や肝転移、骨転移など遠隔転移を有するケースでは主に化学療法(抗がん剤)など全身治療が中心となります。他に症状緩和を目的として放射線治療が行われることもあります。
遠隔転移した場合でも、最初にできたすい臓がん(膵臓癌)と同じ性質を持っているため、すい臓がん(膵臓癌)治療に使用する抗がん剤などを用いて治療を行うことになります。
遠隔転移したすい臓がん(膵臓癌)治療には限界があります。
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肺や肝臓、腹膜や骨などに転移した進行すい臓がん(膵臓癌)は治癒不可能な疾患です。
遠隔転移をきたした患者さんでも生活の質を保ち、通常の生活を続けている方もいらっしゃいます。。

肺がんの予防につながる栄養素:ビタミンC

タバコを吸うとビタミンCが壊れます。
タバコを吸う人は、体内で発生した活性酸素を処理するために、ビタミンCを大量に消費しています。
活性酸素とは、食べ物が酸素によって燃やされた時にできる燃えカスのことですが、物質には遺伝子を酸化させる作用があるため、増えれば増えるほど体が老化し肺がんなどの病気に罹りやすくなってしまいます。
この活性酸素を打ち消してくれる大栄養素がビタミンCですので、喫煙者は意識してたくさん摂取するようにしましょう。
ビタミンCが多く含まれている食べ物には、パセリやピーマンなどの緑黄色野菜や、レモン・アセロラ・キウイフルーツ・イチゴなどの果物があります。
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胃がん治療後の生活:再発

胃がん手術後の患者さんの約30%に再発が起こるとされています。再発を予防するために、治療時にはがん細胞があると考えられるリンパ節を郭清したり、化学療法などで消滅させたりしていきます。
再発の時期
胃がんの再発については、はっきりと予測することはできません。手術後数ヶ月でみられる場合や、数年後になってやっとあらわれるものもあります。
再発のほとんどは手術後5年以内ということがわかってきました。5年を過ぎてから発見される再発は10%以下ということもわかっています。
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手術を受けてから5年間は、定期検査を受けて再発がないかをチェックする必要があります。
再発が起きやすい部位
胃がんの再発が起きやすい部位は、腹膜と肝臓です。その他には、リンパ節、肺、骨、胸膜、脳、髄膜などにもみられます。
腹膜再発は、全体の約半数を占めています。なかでもスキルス胃がんで頻度が高いとされています

前立腺がんの骨転移:症状

前立腺がんの症状が進行していくと、癌細胞は他の臓器にも広がっていきます。
前立腺がんにおいて骨は転移しやすい場所の一つであります。しかも体中の色々な場所が候補となるだけに、生じる可能性のある部位も広範に渡ります。
骨転移が生じると、その部分に痛みを感じるようになるため、腰痛や背中の痛みとして認識され、整形外科で調べてもらったところ、前立腺がんの症状であったことが判明する例もあります。
前立腺がんの骨転移が原因で骨がもろくなり、病的骨折を起こすことがあり、これがきっかけになって運動量が減少し、筋力や体力の衰えにつながってしまうこともあります。
さらに骨がもろくなって脊椎が押しつぶされてしまい、神経を圧迫して麻痺を起こすこともあります。このように、前立腺がんが骨転移を起こすと、様々な問題を起こすことになります。
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胃がん治療後の生活:胃切除後の胆石

胆石とは、胆嚢にたまった胆汁の成分が固まってできた結石です。胆嚢には、胆汁をためておき、必要に応じて圧縮したり放出したりする働きがあります。
【胆汁ができる流れ】
・肝臓で胆汁がつくられる。
 ↓ 
・食事により、胆汁の分泌を促すホルモンが出る。肝臓から大量の胆汁が放出される。
 ↓
・胆汁が脂肪分の消化吸収を助ける働きをする。
 ↓
・胆汁のほとんどは腸から再吸収されて、再び肝臓に運ばれる。
 ↓
・胆汁の一部は、便として排出される。

【手術による影響】
胃がんの手術をした影響で、胆嚢の動きにかかわる神経が切断されて、胆嚢の働きが鈍くなります。すると、飲食物が十二指腸を早く通り過ぎてしまうため、ホルモンの分泌が不十分になります。
その結果、胆嚢の収縮力が低下し、胆汁がたまったままになります。このまま濃縮がすすむと、胆石ができてしまいます。
広い範囲のリンパ節郭清をおこなって、胆嚢の神経を完全に切った場合には、胆石ができる可能性も高くなります。そのような場合に備えて、あらかじめ胆嚢を摘出してしまうこともあります。
胆石があると、激しい腹痛の他に、胆嚢炎、黄疸、急性膵炎などを起こす場合があります。症状がなければ、治療をする必要はありません。
腹痛や発熱、黄疸などの症状がみられる場合は、胆嚢の摘出手術を考えることになります。再度、開腹手術となることもあります。なお、胆嚢がなくなっても、生活にはとくに支障はきたしません。
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食道がん治療の有名病院:九州

福岡県 4病院
国立病院機構 九州医療センター
★診療科目 外科 福岡県福岡市中央区地行浜1-8-1 ℡092-852-0700 
食道がんの症例数は著しく増えており、年間20例前後の手術をこなしている。手術は定型的な開胸・開腹術が大部分を占めるが、耳鼻科・形成外科と共同で遊離空腸移植を伴う頚部食道癌・下咽頭癌手術も積極的に行い、良好な結果を得ている。
国立病院機構 九州がんセンター
★診療科目 消化器外科 福岡県福岡市南区野多目3-1-1 ℡092-541-3231 
九州の食道がん実力病院として有名。できる限り機能を温存しつつ、根治性も追求した手術術式を取り入れている。食道がんでは気管支や心臓、肺の神経を温存してリンパ節の廓清を行い、術後の肺や心臓の合併症の防止に努めている。
済生会福岡総合病院
★診療科目 外科 福岡県福岡市中央区天神1-3-46 ℡092-771-8151 
食道切除再建術から虫垂切除術、痔核手術まで消化管全般にわたり、あらゆる疾患に対応。また消化器癌(胃癌、大腸癌)に対する集学的治療、特に化学療法を充実させ、外来化学療法をおこなっている。
久留米大学病院
★診療科目 消化器病センター 福岡県久留米市旭町67 ℡0942-35-3311
九州内では食道がんの手術件数は第2位。早期食道癌、胃癌および大腸癌の内視鏡的粘膜切除術およびレーザー治療等、常に最先端の治療法を導入し、他県や他大学からの紹介も多数ある。
佐賀県 1病院
佐賀県立病院好生館 
★診療科目 外科 佐賀県佐賀市水ヶ江1-12-9 ℡0952-24-2171 
食道がんの手術件数では、佐賀大学病院と並び県内トップクラス。腹腔鏡手術、内視鏡下手術などの新しい技術に積極的に取り組み、患者により低侵襲な方法で治療を行えるよう心掛けている。
大分県 1病院
大分大学病院
★診療科目 外科 大分県由布市挟間町医大ヶ丘1-1 ℡097-549-4411 
食道がんの手術件数は年間約40件と、大分県はもとより九州ではトップクラス。食道がん切除例のうちの70%の患者は胸腔鏡による胸部食道切除を受けている。
鹿児島県 1病院
鹿児島大学病院
★診療科 外科 鹿児島県鹿児島市桜ヶ丘8-35-1 ℡099-275-5111 
鹿児島県内では食道がんの手術件数は第1位。同じ食道癌でもその進行具合によって治療は異なり、治療は大きく手術、放射線治療、化学療法の組み合わせが行われている。

胃がん治療後の生活:腹痛・便秘、腸閉塞の対処法

手術後、傷が治るまでの過程で、腸の癒着が生じることがあります。癒着とは、炎症などにより、本来離れているべき組織同士がくっついてしまうことをさします。
腸の場合、腸管が曲がりくねっているので、隣接している腸管や腹膜などにくっついてしまうことがよくあります。すると、腸管が折れ曲がったり、ねじれたり、締め付けられるようになります。
癒着した部分は、詰まりやすいことも挙げられます。繊維質のものを多く食べたときは、消化しきれずに残ったものが、狭くなった部分にひっかかって、流れを止めてしまうこともあります。
たまった内容物の圧力と、流そうとする腸の運動によって、腹痛をもたらします。腹痛にも感じ方はいろいろありますが、きりきりとしたような痛みがあるのが特徴です。また、流れが止まってしまっているため、腸の内容物が戻ってきて、吐き気や嘔吐をするようになります。
腸の癒着は、便通にも影響を与えます。そして、腸閉塞も引き起こすことがあります。
腸閉塞への対処法
手術後の腸閉塞の原因は、ほとんどが腸の癒着です。まれに、再発したがんが大きくなって、腸を圧迫する場合もありますが、まずは腸の流れを滞らせないように心がけましょう。
食べたものが腸にひっかかりやすくなっているので、よく噛んで食べるようにしましょう。便秘がちな人は、薬などを使って、便通をよくしましょう。体を適度に動かすことも大切です。
無理に食事を摂るのも控えましょう。お腹の調子が悪いときは、水分をとって様子を見ます。
腹痛とともに吐き気があり、嘔吐したような場合は、血行障害とともに腸閉塞が起きていると考えられます。その際は、すぐに病院で手当を受ける必要があります。
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肺がんと間違えられ易い病気:気管支拡張症

血痰が出たり口から血を吐いたりしたら、肺がんではなく気管支拡張症かもしれません。
気管支拡張症は、肺がんなど他の気道の病気によく似た症状が表れる病気です。
気管支拡張症の原因や症状
気管支が拡張し元に戻らなくなる!
口や鼻から吸い込んだ空気が、肺へ届くまでの通り道となるのが気管支です。
この気管支が風船のように拡張し、元に戻らなくなってしまう病気が気管支拡張症です。
気管支の拡張は、肺の一部に起きる場合と、肺全体に起きてしまう場合とがあります。
気管支拡張症は人間だけがかかる病気ではありません。
犬や猫などの動物にもみられることがあり、特に牛に多いと言われています。
つまりあなたが今飼っているペットも、この病気を発症する可能性があるということです。
感染症や免疫異常など原因はいろいろ
気管支が拡張する原因には、感染症、免疫異常、気道閉塞など色々あります。
先天病が原因疾患となっている場合もあり、例としてはインモータイル・シリア症候群やカルタゲナー症候群などが挙げられます。
インモータイル・シリア症候群は、菌などの異物から気道を守る役目のある気道粘膜の線毛が正常に働かないため、しばしば肺感染症を引き起こす病気です。
後者のカルタゲナー症候群は、たいへん珍しい遺伝性疾患であり、気管支拡張症のほかにも副鼻腔炎や、すべての内臓が左右逆に配置される内臓逆転症などの原因となる病気です。
1日に100mlの血痰が出る
気管支が拡張すると、血管が増えて浄化作用が弱くなり、血痰や喀血が起こります。
慢性の咳が表れるのもこの病の特徴であり、スムーズに呼吸をすることができません。
病状がひどい場合は、1日に100mlもの痰が出ることもあります。
合併症として最もよく併発するのは慢性副鼻腔炎ですが、慢性副鼻腔炎のほかにも肺炎、気管支炎、膿胸、肺膿瘍といった病気を発症しやすい状態になります。
画像検査や呼吸機能検査などで診断
診断のためには、胸部エックス線検査や、胸部CT検査などの画像検査を行います。
気管支の壁が厚くなっている様子や、拡張した気管支に水がたまっている様子などが映し出された場合は、気管支拡張症の可能性が強いです。
もし気道閉塞が原因となっていた場合は、呼吸機能検査で異常がみつかります。
他にも気管支鏡検査などがありますが、この検査は出血している場所を特定したり、組織の採取により細菌の種類を調べたりするのに役立ちます。
治療にはさまざまな薬が使われます
治療は主に薬物療法ですが、病状に合わせてさまざまな処置を行います。
使用される薬には、痰を排出するための喀痰調整薬や、気管支拡張薬、マクロライド薬などさまざまなものがあります。抗菌剤を投与することもありますが、これは感染症を合併している場合です。
また薬以外にも、薬剤を肺に届きやすくするための吸入療法や、体を傾けて痰を出しやすくする体位ドレナージが行われることもあります。
血痰や喀血があまりにも長く続くようであれば、内視鏡的止血法や気管支動脈塞栓術、外科手術などを検討しなければなりません。
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B B B型肝炎の感染経路:垂直感染(母子感染)

現在、日本のHBV感染者は120万~150万人いるとされていますが、その多くは母子感染防止策がとられる以前の母子感染によるものです。
母親がHBVに感染していると、出産のときに産道において血液を介して赤ちゃんに感染することがあります。乳幼児は免疫機能が未熟なため、HBVに感染してもウイルスを異物と認識することが難しく、また認識できても排除する能力が弱いためウイルスは肝細胞にすみつき、感染した子供は無症候性キャリア。
思春期~30歳ごろになると免疫機能が発達し、ウイルスを体内から排除しようと肝細胞を攻撃し始めるため、肝炎を発症します。しかし、多くの人は肝炎の症状も軽く、肝障害が進行することは少ないのですが、HBV感染者の約10%の人が慢性肝炎に移行します。また、HBV感染者の約1~2%の人が、肝硬変、肝がんを発症します。
現在では、母子感染防止策がとられており、新たな母子感染はほとんど起きていません。
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腎臓の病気:糖尿病性腎症

糖尿病性腎症とは
糖尿病といえば、生活習慣病の代表的な病気ですが、その合併症の代表的なものとして網膜症・神経障害・腎症がいわれます。
その腎症に当たるもので、糖尿病によって毛細血管・細小血管に異状がおき、多数の毛細血管・細小血管が集まった、糸球体もおかされ、硬くなり支障をきたすとかんがえられています。
糖尿病性腎症の特徴やその症状
初期は、たんぱく尿が出始め、症状が進むと恒常的なたんぱく尿とわずかなアルブミン尿が出始めます。
さらにネフローゼ症候群、腎不全へとすすみ、最終的には人工透析がひつようになります。
糖尿病性腎症の治療
糖尿病性腎症の治療は、腎症を発症する前に糖尿病の進行が進まないようにすることが肝心です。
血糖値のコントロール、低カロリー食、運動を基本に、薬物療法などで治療をして下さい。
ネフローゼ症候群、腎不全に進行した場合は、その程度に応じて、血糖値のコントロール、食事療法、薬物療法、透析療法などが行われます。
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乳がん治療の有名病院:関西

滋賀県 1病院
加藤乳腺クリニック
★診療科目 乳腺科・外科 滋賀県草津市西大路8-12  ℡077-566-7808 
滋賀県内では乳がんの手術が125件と最も多い(2005年度)病院。滋賀県初の乳腺専門クリニックとして、乳がんに関するあらゆる診断と治療を提供している。これまで各種書籍にて数多く取り上げられている病院。
京都府 1病院
乳腺クリニック 児玉外科
★診療科目 外科 京都府京都市北区北野上白梅町35 ℡075-463-9050 
京都では年間の乳がん手術件数第1位(2005年度)。日本乳癌学会で認定され、WEBサイトで公表されている乳腺専門医が在籍している施設。
大阪府 8病院
国立病院機構 大阪医療センター
★診療科目 外科 大阪府大阪市中央区法円坂2-1-14 ℡06-6942-1331 
全国的にも高い評価を得ている乳がんの実力病院。早期発見と適切な治療の2本柱をキーワードとし、早期発見においては、マンモグラフィ(精度管理された画像と読影診断)、高精度乳腺エコー機器といったハードの整備と診断精度の維持をめざしている。
淀川キリスト教病院
★診療科目 外科 大阪府大阪市東淀川区淡路2-9-26 ℡06-6322-2250 
2003年度は年間93例の手術のうち77例で乳房温存手術を行った。乳腺外科、形成外科、病理・細胞診、放射線、外来・病棟看護師、理学療法士、薬剤師など多職種からなるブレストケアチームも結成されている。
大阪厚生年金病院
★診療科目 乳腺・内分泌外科 大阪府大阪市福島区福島4-2-78 ℡06-6441-5451 
乳腺・甲状腺内分泌外科は、患者数の増加にともない2004年4月に外科から独立し、新設された。乳腺・甲状腺疾患の専門医が4名おり(2006年1月現在)、毎日専門医の診察が受けられる。乳がん手術件数は大阪府で第2位(2005年度)。
大阪警察病院
★診療科目 外科 大阪府大阪市天王寺区北山町10-31 ℡06-6771-6051
定型手術、縮小手術は言うに及ばず、進行がんでもQOLの改善が期待できる時は、拡大手術やあらゆる集学的治療を積極的に行っている。
近畿大学病院
★診療科目 外科 大阪府大阪狭山市大野東377-2 ℡072-366-0221
2005年度の乳がん手術件数は178件。乳がんに対するセンチネルリンパ節検索を併用した乳房温存手術、自己血充填による乳腺切除後の乳房整形手術が特色。
関西医科大学病院
★診療科目乳腺外科 大阪府守口市文園町10-15 ℡06-6992-1001
手術のできない高度の進行がん患者や手術後に再発したがん患者の治療にも積極的に取り組み、がんと闘う患者の支援をできる限り行っている。
大阪府立 成人病センター
★診療科目 乳腺・内分泌外科 大阪府大阪市東成区中道1-3-3 ℡06-6972-1181 
国内有数のがんと循環器疾患などの成人病の診療・予防・研究をしている専門施設。乳がんの手術件数は272件と大阪府で第1位(2005年度)。乳がんに対する乳房温存療法については、わが国におけるパイオニア的役割を果たしてきた。
大阪大学病院
★診療科目 乳腺内分泌外科 大阪府吹田市山田丘2-15 ℡06-6879-5111
乳がんの手術では、内視鏡下乳房温存術、センチネルリンパ節生検、形成外科による乳房同時再建術などを取り入れ、術後合併症の少ない、整容性(美容的)にすぐれた手術を実施している。
兵庫県 2病院
兵庫県立 成人病センター
★診療科目 乳腺科 兵庫県明石市北王子町13-70 ℡078-929-1151 
2003年6月1日より乳腺科が新設され,年間約250例の乳がん手術を施行。診断機器、乳房温存手術には欠かせない病理部・細胞診部の充実がなされ、乳癌手術症例に対し精度の高い医療を提供。
関西労災病院
★診療科目 外科 兵庫県尼崎市稲葉荘3-1-69 ℡06-6416-1221 
県内では成人病センターと並んで乳がん手術件数が多い。乳がん専門病院として、新しい治療法の開発を行うため、関西や日本における乳がん治療を専門とする病院により構成される組織や、世界的な規模で行われている臨床試験などに積極的に参加。
和歌山県 1病院
和歌山県立 医科大学病院
★診療科目 乳腺外科 和歌山県和歌山市紀三井寺811-1 ℡073-447-2300
和歌山県では最も乳がん手術の多い(2005年度)病院。呼吸器・乳腺合わせて200例以上の手術を行っている。和歌山県という地域性もあってか、他施設に比べて緊急手術の割合が多いことが特徴。

すい臓がん 慢性すい炎との識別

すい臓がんは慢性すい炎と似た症状があります。
すい臓がんと診断する場合、それが慢性すい炎ではなこと、逆に慢性すい炎と診断する場合、それがすい臓がんではないことを明らかにする必要があります。
慢性すい炎の場合、発病後に禁酒など食生活をしっかり守れば、予後はそう悪くはなりません。。
わずか5%ではありますが、慢性すい炎からすい臓がんへと移行する場合があります。
慢性すい炎は初期症状のうちにきちんとした治療を受けることがとても大切です。
急性すい炎は、突然、上腹部のみぞおちあたりに激痛が走ります。
慢性すい炎は、常に症状がある場合と、年に数回程度、急性すい炎のような激痛があり、その後は普通通りに過ごせるという2種類の症状があります。
慢性すい炎の初期と後期とでは、その症状はずいぶんと違います。
初期に起こる主な症状は、急性すい炎と似た腹部の激痛です。
これは病気が進行していくにしたがい、逆に痛みが治まってきます。
その代わり、新たに問題が出てくるのが消化吸収障害や抑うつなどの症状で、体重の減少などが起こります。
これらの症状が、すい臓がんととてもよく似ているため、症状だけでの診断は難しいものです。
確かな診断には、超音波検査、X線CTなどの画像診断が必要になり、その中でも内視鏡的すい管造影法とすい管造影法が特に有効といわれています。
 
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胃がん治療後の生活:胸やけなど不快な症状

胸やけがする
食道が痛む
苦い水が上がってくる
このような不快な症状の原因は逆流です。
胃の出入り口の機能が低下しているために、胆汁などの十二指腸の内容物が、胃の中に逆流してしまいます。
逆流の2つのタイプ
1.幽門を残した形式の手術後に生じる、胃酸などの内容物の逆流です。症状は軽めですが、就寝中に起こると飛び起きてしまう場合があります。9割以上は2~3年で胃の機能がほとんど回復します。
2.胃の幽門を切除した場合や胃の全摘で生じるもので、主に胆汁が逆流してきます。こちらはアルカリ性で、症状がかなり強烈になります。
肺に吸い込んだ場合、誤嚥性肺炎を引き起こす可能性もあり、高熱が出ることがあります。新たにがんが発生する危険性もあります。
逆流への対処法逆流は、主に寝るときに起こるので、就寝中の姿勢などに気をつけましょう。
●飲み物を用意しておく
逆流が起こったときのために、そばに水やお茶などの飲み物を用意しておきます。内容物を洗い流しましょう。
●上体を高くして寝る
上半身を少し高くして寝れば、重力に逆らって逆流してくる心配はありません。高さの調整には、布団の下に毛布や座布団などをはさんでおけばよいでしょう。
また、ギャッチベッドも効果的です。ギャッチベッドとは、福祉用具の特殊ベッドの事で、背上げ・膝上げ・高さ調整等が可能になります。
●就寝直前には食べない
食べてすぐ寝ると、就寝中に消化が進み、分泌液が増加します。そして、逆流が起こりやすい状態になってしまいます。油分の多い食事も、胆汁の分泌を増加させます。食後は少なくとも2時間は起きていましょう
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肺がんと間違えられ易い病気:慢性気管支炎

慢性気管支炎とは、咳や痰の症状が2年以上も長引く気管支炎のことをいい、女性よりも男性に多く、冬に発症するケースが多くみられます。
進行はゆっくりですが、治療を受けずに放っておくと、肺性心という心臓の働きが悪くなる病気へと発展することがあります。
原因はタバコ
慢性気管支炎を発病する大きな原因はタバコです。
また、子供の頃から副鼻腔炎がある人も発症しやすいといわれています。ほかにも大気汚染や有毒ガスなどが挙げられますが、これらが原因のことはまれです。
代表的な症状は「痰」
慢性気管支炎の代表的な症状は痰です。朝、顔を洗っている時や朝食の後に出ることが多く、病状が進むと白い痰から黄色っぽいドロッとした痰に変化していきます。
他にも呼吸困難が起きたり、運動中に息が切れやすくなったりするほか、頚動脈が腫れる、指先が膨れるばち指などの症状が表れることもあります。
画像検査など検査方法はいろいろ
慢性気管支炎を診断するには、胸部エックス線検査やCT検査などの画像検査、聴診、喀痰検査、血液検査、心電図検査、スパイロメトリーといった色々な検査が必要です。
痰にインフルエンザ桿菌が混じっていたり、心電図で右心室への電気の流れが悪い右脚ブロックが確認できたりした場合は、慢性気管支炎の疑いがあります。
治療は原因の除去からはじまる
慢性気管支炎の治療は、原因を除去することからはじめます。空気の悪い職場にいる人であれば転職を検討したり、喫煙者であれば禁煙したりしなければいけません。
次に呼吸不全などの症状を改善するために、気管支の浄化や拡張を行います。
これらの処置には、抗コリン薬やβ刺激薬、メチルキサンチンといった薬が使用されます。
感染状態がひどい場合には、抗生物質の投与が行われることもあります。
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食道がん治療の有名病院:中国・四国

島根県 1病院
島根大学病院
★診療科目 消化器外科 島根県出雲市塩治町89-1 ℡0853-21-2111
術後の合併症が多い食道癌に対しては、内視鏡を用いた切除で、合併症の減少と入院期間の大幅な短縮を達成している。さらに、切除できない症例や再発例に対しても、化学療法や放射線療法を含めた治療を積極的に行っている。
岡山県 3病院
倉敷中央病院
★診療科目外科  岡山県倉敷市美和1-1-1 ℡086-422-0210 
消化器癌(食道・胃・大腸・肝・胆道・膵の悪性疾患)、胆石症をはじめとする消化器疾患の外科治療、乳癌治療、また小児疾患に対する外科的治療を主として診療を行なっている。
岡山済生会総合病院
★診療科目 内科・外科 岡山県岡山市伊福町1-17-18 ℡086-252-2211 
消化器がんの手術症例が多いのが特徴。とくに、胃、大腸、肝がんの手術症例数は多く、近年新聞や週刊紙で掲載された手術症例数に基づく全国病院ランキングでは、いずれも20位以内の上位にランクされている。
岡山大学病院
★診療科目 消化管外科 岡山県岡山市鹿田町2-5-1 ℡086-223-7151
岡山県下では食道がんの手術件数は圧倒的な1位。侵襲が大きくなりやすい食道がんの手術では、胸腔鏡を用いた低侵襲手術を開発。年々症例数は増加し、現在EMRを含め年間60例(うち外科的切除:40~45例)の切除が行われている。
広島県 3病院
広島市民病院
★診療科目 外科 広島県広島市中区基町7-33 ℡06-6929-1221 
病気の進行度、患者の体力や基礎疾患の有無、術後のQOL(生活の質)などを考慮して手術療法、放射線治療、化学療法(抗癌剤治療)を単独で行ったり組み合わせたりしている。
国立病院機構 呉医療センター 中国がんセンター
★診療科目 外科 広島県呉市青山町3-1 ℡0823-22-3111 
患者の年齢、体力、併存症の有無により術後の回復度を考え、手術、化学療法、放射線を併用した治療を行う。最近では胸腔鏡を併用したより低侵襲の手術も行っている。
広島大学病院
★診療科目 第2外科 広島県広島市南区霞1-2-3 ℡082-257-5555 
中国地方では2番目に食道がんの手術件数(2005年度)が多い病院。進行癌への根治的拡大手術と同時に,内視鏡下手術による早期癌の低侵襲手術を行っている。
山口県 1病院
国立病院機構 関門医療センター
★診療科目 外科 山口県下関市後田町1-1-1 ℡0832-22-6216
食道がんの治療に関しては西日本の中心的存在となっており、県内のみならず中国・九州各地より患者の紹介がある。手術はもとより、放射線治療や化学療法においても最新かつ最適な治療が行える体制をとっている。
徳島県 1病院
徳島赤十字病院
★診療科目 消化器外科 徳島県小松島市中田町新開28-1 ℡08853-2-2555 
徳島県下では食道がんの手術件数(2005年度)は第1位。進行度に応じたリンパ節郭清範囲の縮小や胸腔鏡・腹腔鏡を用いた手術侵襲の縮小をめざしている。

胃がん治療後の生活:貧血と骨粗鬆症の対処法

手術後、数年経ってからあらわれる後遺症に、貧血や骨粗鬆症などがあります。食事のとり方は自分で改善することができますが、これらの症状にいたっては、病院で適切な治療を受けなければならない場合もあります。
貧血への対処法
貧血の症状
貧血とは、血液中の赤血球の数やヘモグロビンが減っている状態をさします。軽い貧血の場合は自覚症状はほとんどありませんが、症状が重くなると、動悸、息切れ、頭痛、めまい、食欲不振、吐き気、呼吸困難などがみられるようになります。
必要な栄養素
赤血球の生産には、鉄やビタミンB12などの栄養素が必要になりますが、胃を切除(全摘出)したことにより、吸収効率が悪くなり不足しがちになってしまいます。
貧血と分かったらビタミンB12を年に数回注射します。また鉄分の多い食品をとりましょう。レバー、海藻類、緑黄色野菜などがあります。造血剤を使用して、血液をつくるための成分を服用する方法もあります。
骨粗鬆症への対処法
骨粗鬆症の症状
骨の密度が低下して、もろくなった状態が骨粗鬆症です。胃を切除した影響で、カルシウムの吸収効率が低下していることも要因となっています。そのため骨の変形、痛み、骨折などが起こりやすくなります。
骨粗鬆症の対処法
・適度な運動をして、筋力を保つようにします。
・カルシウムの多い食品を活用していきます。(乳製品など)
・カルシウム剤や吸収を助けるビタミンDなどを服用・注射します。
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肺がんと間違えられ易い病気 :急性気管支炎

気管支炎は大きく2つに区別されますが、そのうち症状が90日以内で治まるもののことを急性気管支炎と言います。
原因は細菌やウイルス感染
発症の主な原因は、細菌やインフルエンザウイルスの感染です。
他にも、ホコリや塩素ガスなどの刺激物を吸い込むことでも引き起こされますが、このようなケースはあまり多くありません。
なお塩素ガスとは、異種の洗剤を混ぜ合わせることで発生する有毒ガスのことです。
咳の症状からはじまります
急性気管支炎は、まず咳の症状からはじまります。
次に水っぽい痰が出るようになり、だんだん白っぽい膿のような痰に変わっていきます。
痰が出にくくなると、胸がゼーゼーしたり、咳をした後にヒューヒューという音が聞こえるようになります。また、これらに伴って発熱や全身の倦怠感が起こる場合も多いです。
血液検査やCRP試験で診断する
急性気管支炎かどうかを診断するための検査には、血液検査(血沈や白血球数)やCRP試験などがあります。白血球の数が正常値を大きく上回っていたり、CRP試験の結果が陽性だった場合は、急性気管支炎の可能性が高いです。
症状に応じた薬で治療します
急性気管支炎の治療には、症状に応じてさまざまな薬が使われます。
痰が多い時は去痰剤が、咳がひどい時は鎮咳剤やうがい薬が使用されます。
抗生物質を用いることもありますが、これは発症の原因が細菌の感染であった場合です。
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