肺がん:脳転移と骨転移

肺がんは脳や骨に転移しやすい性質を持っています。これらの症状が悪化していくと、生活の質を著しく落とすことになります。
脳転移の場合には、脳のどの部分であるかによって異なるのですが、言語障害、感覚の麻痺、めまい、頭痛、吐き気や嘔吐、人格変化といった症状が現われるようになります。
骨転移の症状としては、該当する箇所の痛みや骨がもろくなって病的骨折を誘発することがあります。痛みの場合には、たとえば腰痛として感じられることになります。この場合には、ほかに原因があると考えるのが一般的ですので、整形外科に行って始めて発見されることもあります。
共通して言えるのは、肺がんが脳や骨に転移しているとステージ4期に該当することになり、相当に進行してしまっているということです。癌細胞が他の部位にまで広がってしまっている状況ですので、もはや原発巣を手術によって治療すれば完治するという段階ではありません。
残念ながら、この状況においては末期症状になってしまっていることもあります。ただし、放置すると余命の期間の生活にも支障が出ますので、症状を緩和するための治療も必要です。
治療としては、肺がんの脳転移の場合にはガンマナイフや放射線の全脳照射、手術を行うことが多く、抗がん剤は脳にはあまり届かないため効果は薄い傾向にあります。骨転移の場合には、放射線療法やビスフォスフォネートという薬の使用、鎮痛剤による痛みの緩和が中心となっています。
残された余命を少しでも快適に暮らせるように、最適な治療法を選択していく必要があります。

肺がんの骨転移

肺がんの骨転移が起きている状態になると、余命がそれほど長くないことも出てきます。必ずしも末期とは限りませんが、少なくてもステージ4期にまでは進んでいるのですから、5年生存率は10%程度になります。したがって、場合によっては余命についても真剣に考えなくてはならなくなります。
骨転移の症状としては、痛みを感じることがあります。たとえば、背中や手足、腰に痛みを感じるようになりますので、整形外科に行って調べてもらったら、実は肺がんであることが判明するということもあります。
ほかにも、転移の症状として骨が脆くなり、病的骨折を起こすことがあります。これらの症状は生活の質を著しく落とすものです。寝たきりになるのを防ぐためにも、適切な治療によって進行を食い止める必要があります。
治療としては、放射線療法や薬によるコントロールが行われます。肺がんの骨転移の部分に放射線を照射することによって、強度を回復することや、痛みの緩和に役立ちます。また、薬としては鎮痛剤で痛みを抑えるほか、ビスホスホネート製剤を用いて破骨細胞の働きを抑え、悪化を阻止することができます。
しかし、これらの対策によって完治するわけではありません。血液に乗って体中に癌細胞がばら撒かれてしまっている可能性もありますし、そうではないとしても、原発腫瘍についても治療しなくてはならないのです。
残念ながら、骨転移がある状態の肺がんで完治を目指すのは、厳しい道のりになります。多くの場合、そこまで効果的な治療法はないのです。放射線療法やビスホスホネート製剤によって進行を遅らせることはできても、根本的な解決にはなりません。
抗がん剤なら全身に効果を及ぼすことができますが、それによって癌細胞が完全に死滅することは望めません。化学療法も根治に対して有効な手立てにはなっていないのです。

胃がんの治療 内視鏡手術

内視鏡的粘膜切除術
内視鏡とは、身体の中を先端にレンズのついた管を差し入れて観察し、場合によっては処置・治療をする医療機器です。
胃がん治療による内視鏡の手術(内視鏡的療法)は、口から内視鏡をいれて、胃がんを切除します。これを内視鏡的粘膜切除術といいます。
内視鏡による胃がんの手術は、早期の胃がんにのみ行われる治療方法です。内視鏡で切除できる範囲には限界があるので、絶対にリンパ節に転移していないと判断できる非常に早期の胃がんのみが対象となる治療法です。
内視鏡による手術が適応される条件は、がん細胞が転移しにくいタイプのⅠA型で、ガンのサイズが 2cm以下、リンパ節への転移がない、という場合です。早期がんの中でも 20%ぐらいにしか内視鏡的粘膜切除術は行えません。
腹腔的手術とは?
腹腔的手術とは、お腹に数カ所の小さな穴(5mm~12mm)を開け、そこから腹腔内や胸腔内にカメラと手術器具を挿入して行う手術で、内視鏡下手術ともいいます。
開腹手術に比べて、手術による体への負担が少ない、手術後の回復が早いなどのメリットがあるので、手術件数は増加しています。
しかし開腹手術と比べて、リンパ節の郭清(かくせい)が難しいこと、消化管をつなぎ直す技術の確立が十分とはいえないことなどから、胃がんに対する腹腔鏡手術を行うことはまだ少ないです。
レーザー療法
レーザー療法とは、内視鏡を使いレーザーでがんを治療する方法です。早期がんに対して行われることがあります。
レーザー療法には、高出力レーザーでがんを焼いて、凝固・蒸散させる「腫瘍焼灼法(しゅようしょうしゃくほう)」と、低出力レーザーでがんだけを攻撃する「光線力学的療法(PDT)」があります。

胃がんの末期

胃ガンの末期は、
 ・胃の表面(外側)にがんが出ている上に、他の臓器にも
 がんが続いていて、さらに胃を養う血管に沿ったリンパ節に
 転移がある
 ・肝臓・肺・腹膜など、遠隔転移がある
などの状態で、ステージⅣに分類されます。 5年生存率は約10%前後です。
5年生存率とは、5年間の間に再発しなかった方、または 5年間の間に再発はしたものの生存している方も含まれるので、完治するという意味ではとても厳しいといえます。
緩和医療とは?
胃がんが発見されたとき、すでに末期である、また再発により末期がんになってしまった方に、抗がん剤などの治療をせずに痛みなどの苦痛を取り除く、または緩和することを「緩和医療(ベスト・サポーティブ・ケア)」といいます。
抗がん剤による治療効果と副作用などを考慮して、抗がん剤などによる治療を行うのか、緩和医療のみにするのかを決断することになりますが、大切なのは患者さん本人の意志です。
ですから、患者さんとそのご家族も含め、医師とのしっかりとした相談・コミュニケーションが重要です。

スキルス胃がんとは

スキルス胃がん(スキルス性胃がん)とは、ボールマン分類の 4型の一部のことで、他の胃がんと同じように粘膜から発生しますが、粘膜面の変化をほとんどおこさずに、胃壁の中を広く浸潤(しんじゅん)していきます。特別な進み方をする悪性度の高いガンで、再発率が高いです。
スキルス胃がんの割合
スキルス胃がんのがん全体の割合はそれほど多くはありません。約 1割(12%ぐらい)です。30代、40代の女性に最も多くみられます。
スキルス胃がんの症状
スキルス胃がんは、胃の粘膜層の下に木の根のように広がっていきます。そして最終的には、胃が正常の半分ぐらいにまで収縮してしまいます。
胃が正常な大きさのうちにスキルス性胃がんを見つけるのはとても難しいです。検査では異常がないという診断であったのに、数ヶ月後には腹水(ふくすい)がたまりはじめて、すでに手遅れの状態になってしまうという場合もあります。
この原因は、スキルス性胃がんの発育が速いということではなく、スキルス胃がんが発生してから胃の収縮が始まるまでの時間が短いからです。
スキルス胃がんの診断
通常の胃がん検査である内視鏡検査ではスキルス胃がんの初期症状をみつけることは困難です。その理由は、スキルス胃がんは胃の内側の表面の粘膜部分から起こりますが、その表面に異常が出にくいガンだからです。
スキルス胃がんは発見された時点で、約60%の人が腹膜転移や広い範囲のリンパ節転移が見られます。
スキルス胃がんの転移
スキルス胃がんの転移は、腹膜播腫への転移がよく見られます。「腹膜播種(ふくまくはしゅ)」とは、お腹の中全体にがん細胞が散らばる状態のことです。
スキルス胃がんの患者さんの約50%の人が腹膜播腫が見られるとされています。
スキルス胃がんの手術と治
スキルス胃がんは転移や浸潤(しんじゅん)を起こしやすいです。腹膜播腫(ふくまくはしゅ)や他臓器への転移がなければ手術できますが、発見時にはすでに手術ができないことが多いです。
手術した場合でも 5年生存率は約15%~20%です。

末期の食道がんの治療

末期の食道がんの治療方法には、医療機関と連携して行う在宅医療があります。この場合は、急変する可能性が高いので、前もって対処法を確認しておいて下さい。
 次に症状を和らげ、苦痛をとる事を目的とした緩和医療があります。次に治癒を目的とした根治治療があります。次に残された日々を安らかにすごしてもらう為に行うターミナルケア(終末医療)があります。
 しかし食道がんは、殆どのケースで根治治療としての外科手術が適応外になります。また化学療法も満足出来ないのが現状です。それを打開するのがNK細胞療法です。食道がんに対して有効である症例が報告されています。
 NK細胞療法には副作用が殆どないものや、免疫力を強化するものなどがあります。また抗がん剤で起こる耐性が起こらないのも特徴です。この治療は点滴で行う全身治療ですので、様々な効果を発揮する可能性があります。
 多くの癌は、早期なら治る可能性が高いですが、自覚症状があまりないので、末期の食道がんにならない為には、定期健診や癌を防ぐ事が重要になります。
 癌を防ぐ為には、毎日バランスのとれた栄養をとる事が大切です。その他にも、食生活に変化をつけたり、食べすぎに注意したり、脂肪は控えめにしたり、お酒はほどほどにしたり、ビタミンや繊維質を多くとったり、塩辛いものは少なくしたり、熱いものはさましたてから食べたり、焦げた部分は食べないようにしたり、かびの生えたものは食べないようにしたり、日光にあたりすぎないようにしたり、適度にスポーツをするようにしたり、体を清潔に保つようにして下さい。

末期の食道がん

人間の身体は約60兆個の細胞で出来ています。正常な細胞は、損傷を受けたときなどは、古くなれば死んで、新しい細胞を増やすためのスイッチが正常に働きますが、癌細胞はそのスイッチが入ったままになってしまうので、増え続けてしまいます。また、癌細胞はまわりの正常な組織に進入し、血管やリンパ管を通り身体の至る所で増殖します。
 癌の進行段階は、病巣の大きさなどや周囲の組織にどの位広がっているか、手術は出来るかどうかなどから診断します。癌の進行が進んで、他の臓器へ転移し、身体じゅうに広がった状態になり、手術などで治す事が出来なくなった状態を末期癌と呼びます。
 食道がんは、消化管や呼吸器粘膜などの臓器を作る上皮細胞から発生し、扁平上皮癌に分類され、他の臓器に転移しやすいのが特徴です。
 末期の食道がんは、激痛を伴い、肉体的にも精神的にも大きな痛みにさらされますので、治療方法と告知について考えることが重要です。
 末期の食道がんの症状は、出血や貧血、嘔吐、下痢、免疫機能の低下、激痛、食欲不振、はきけ、呼吸困難、不眠、便秘、口がかわくなどで、歩いたり話したりする事も困難になります。生還の確率も低く、闘病もつらく、本人も周りの人もとても苦しめられます。
 がんの原因は、発癌性のある化学物質や放射線、ウイルス感染などがありますが、近年、遺伝子の異常や細胞分裂の回数を決める過程の異常が関係している事がわかりました。癌に勝つには、このように進化していく医療と一緒に闘い、望みをもってあきらめない事が大切です。

肝臓がんと抗がん剤

一口に抗がん剤治療といっても、その使用方法により点滴や飲み薬による「全身化学療法」と肝動脈に直接針やカテーテルを通してがんそのものだけに抗がん剤を注入する「局所化学療法」とがあります。
現在の肝臓がんに対する抗がん剤療法の中では「全身化学療法」による治療の生存率も3年生存率で約3%前後と低く「局所化学療法」が主流となっています
「局所化学療法(動注化学療法)」についてはここ数年の間に行われ始めた治療で、一度の注入だけ行う方法と開腹手術により直接肝動脈にカテーテルを挿入または足のつけ根の動脈からカテーテルを肝動脈まで進めてカテーテルを留置し、おなかの皮膚の下に埋め込み抗がん剤を注入する方法とがあります。
しかしながら、今のところ効果の程度がはっきりしておらず、多くの場合は肝動脈塞栓術やエタノール注入などで治療ができない場合の方法として行われているのが現状です。
 よく使われる抗がん剤肝がんで使われる抗がん剤には以下のようなものがありますが、これらは他のがんでも使われるごく一般的な抗がん剤です。
•マイトマイシンC
•5・FU(ファイブ、エフ、ユー)
•シスプラチン
•アドリアマイシン
•ファルモルビシン など
 抗がん剤の副作用と症状抗がん剤とはがん細胞が分裂し増える過程に働きかけ、細胞が成長できず増殖を妨害し死滅させるようにするお薬です。
但し、体の中で細胞分裂をし成長していくのはがん細胞だけではありません。そのため正常な細胞で、分裂速度の速い細胞の血液、口腔(口の中)粘膜、胃腸粘膜、毛根の細胞などは、抗がん剤の作用が大きく影響されるのです。
そういった細胞にも影響を及ぼした結果が副作用となり様々な症状となって現れてきますが、使用する抗がん剤の種類や個人差などによりその症状は様々です。
最も頻繁に現れる副作用としては
•吐き気
•脱毛
•白血球減少
これら3つですが、他にも体の蓄積の度合いから現れる症状も違ってきます。
 抗がん剤の投与と副作用が現れる日数の目安当日:薬物アレルギー反応、吐き気・嘔吐(おうと)、発熱、血圧低下、血管の痛みなど
約2・1週間目:疲れやすさ、倦怠感、食欲不振、吐き気・嘔吐、下痢
約1~2週間目:口内炎、食欲不振、胃もたれなどの不快感、下痢、骨髄の抑制・赤血球減少による貧血・白血球減少により感染しやすくなる・血小板減少により血が止まりにくくなる など
約2~3週間目:脱毛、皮膚の角化やしみ(色素沈着)、手足のしびれなどの神経症状、膀胱炎
このように現れる副作用で予測のつくものもありますので、事前に医師と相談し現れた症状に対して処方できるお薬、環境などを整えておくことが大変重要となってきます。