乳がん治療の有名病院:中部・北陸・東海

新潟県 1病院
新潟県立がんセンター 新潟病院
★診療科目 外科
新潟市川岸町22-15-3 ℡025-266-5111 
2005年度の乳がん手術件数は300件以上と、新潟県ではダントツのトップ。診断から治療(乳がん検診、診断、手術、術後補助療法と術後観察、再発治療)まで均等に力を配分して診療に当たっている。
石川県 1病院
石川県立中央病院
★診療科目 一般消化器外科
石川県金沢市鞍月東2-1 ℡076-237-8211 
乳がんの外科治療に乳房温存手術を行なっており、また温存手術に鏡視下手術を取りいれることで、手術術式の更なる改良を目指している。乳房切除術を希望する患者には、乳房再建手術も行なっている。
福井県 1病院
福井県済生会病院
★診療科目 乳腺科
福井県福井市和田中町舟橋7-1 ℡0776-23-1111
2005年度のデータでは、乳がん手術件数は福井県内第1位。病気や手術の種類別に治療のプロセスを明確化する「クリニカルパス」の導入に取り組んでおり、この分野において県内最高の進展をみている。
長野県 1病院
佐久総合病院
★診療科目 外科
長野県南佐久郡臼田町大字臼田197 ℡0267-82-3131
乳がんの手術件数は県内でもトップクラス。可能なかぎり乳房を残す治療(乳房温存療法)を行い、傷をできるだけ目立たないようにするため、内視鏡手術もしている。乳がんの手術は、2004年は約90例で、乳房温存率はここ数年約70%。
静岡県 2病院
静岡県立 静岡がんセンター
★診療科目 乳腺外科
静岡県駿東郡長泉町下長窪1007 ℡055-989-5222 
年間の乳がん手術件数は287件(2005年度)と県内トップクラス。書籍でも全国の実力病院として取り上げられている。女性センターで乳がん初期から再発まで一貫した治療を提供している。
静岡県立総合病院
★診療科目 乳腺外科
静岡県静岡市葵区北安東4-27-1 ℡054-247-6111 
乳がんの手術件数では静岡がんセンターに続いて県内第2位。硬膜外麻酔単独による(全身麻酔を併用しない)乳癌手術を行っている。
聖隷三方原病院
★診療科目 乳腺外科
静岡県浜松市三方原町3453 ℡053-436-1251 
乳腺腫瘤の摘出生検および乳がんの手術は乳腺甲状腺専門外来で適応を決めている。手術方法も含め治療方針の決定に際しては、患者に十分納得してもらったうえで決めるよう心掛けている。
愛知県 2病院
小牧市民病院 
★診療科目
外科 愛知県小牧市常普請1-20 ℡0568-76-4131 
年間の乳がん手術件数は124件(2005年度)。乳がんについては術後の生活の質(QOL)も考慮した縮小手術を積極的に取り入れている。
愛知県がんセンター 中央病院
★診療科目 乳腺科外科
愛知県名古屋市千種区鹿子殿1-1 ℡052-762-6111 
年間手術件数は約350件で、愛知県内ではダントツの第1位。うち乳房温存術の割合は約50%。本人は非常に温存の希望が強いが、仕方なく乳房切除術を行った患者には、形成外科の医師を紹介して乳房再建術も可能。

食道がん治療の有名病院:中部・北陸・東海

新潟県 1病院
新潟県立がんセンター 新潟病院
★診療科目 消化器内科
新潟市川岸町22-15-3 ℡025-266-5111 
外科切除不能進行食道癌に対し根治を目指した放射線同時併用化学療法、追加化学療法(抗癌剤治療)等の治療を積極的に行う。切除不能進行食道癌症例の2年生存率は43.6%、5年生存は32.7%でありこれは全国トップレベルの治療成績。
岐阜県 2病院
岐阜県立多治見病院
★診療科目 外科
岐阜県多治見市前畑町5-161 ℡0572-22-5311 
初診の紹介率が50%超。入院は主に手術を受ける患者を対象としており、「納得の得られる、優しい説明」をモットーに患者に接している。
大垣市民病院
★診療科目 消化器科 岐阜県大垣市南頬町4-86 ℡0584-81-33411 
最先端の知識および技術を導入して常に患者様に還元できるように努力している。年間の新入院患者数は約2100人(平成14年度、消化管32%、肝臓52%、胆道・膵臓15%、その他1%) で、消化器系全般にわたる診療を行う。
静岡県 3病院
静岡県立 静岡がんセンター
★診療科目 食道外科
静岡県駿東郡長泉町下長窪1007 ℡055-989-5222 
全国でもトップクラスの実力病院。手術件数も県内で一番多く、他科・他職種チームで合併症や症状緩和に高い効果を発揮している。
静岡県立総合病院
★診療科目 消化器センター外科
静岡県静岡市葵区北安東4-27-1 ℡054-247-6111 
早期がんに対する内視鏡治療を積極的に実施。 進行度と手術の安全性を十分検討した上で 、手術後の痛みが少ない腹腔鏡あるいは胸腔鏡を用いた手術を行う。
愛知県 2病院
名古屋第一赤十字病院
★診療科目 外科
愛知県名古屋市中村区道下町3-35 ℡052-481-5111 
主に、消化器、乳腺、内分泌疾患を治療。一般外科の年間の手術件数は約1400例で、県下でも1~2位を争う症例数。内視鏡を用いた食道がん治療を積極的に行っており、また進行消化器がんに対する化学療法も、数多く手がけている。
藤田保健衛生大学病院
★診療科目 上部消化管外科
愛知県豊明市沓掛町田楽ヶ窪1-98 ℡0562-93-2111 
「がん治療における根治性の追及と低侵襲手術ならびに術後のQOLの向上」をめざし、内視鏡下がん手術を積極的に行っている。
愛知県がんセンター 中央病院
★診療科目 胸部外科
愛知県名古屋市千種区鹿子殿1-1 ℡052-762-6111 
愛知県では食道がんの手術件数はトップクラス。病気の進行度と患者の全身状態から判断して、最も妥当と思われる治療法を消化器内科医、放射線治療医、胸部外科医の総意に基づいて勧めている。

胃手術後の障害:腸閉塞

腸閉塞とは、なんらかの原因で腸の一部の内腔が狭くなり、腸の内容物が詰まってしまう病気のことです。大別して2つのタイプがあり、腸の蠕動(食物を消化するための動き)が疎外されて生じる機能的イレウス、通り道が物理的にふさがれるものを機械的イレウスといいます。
機能的イレウスは、腸が麻痺したり痙攣したりして、正しく働かなるために起こります。
一方、機械的イレウスの原因として最も多いのは腸の癒着で、腸壁がほかの腸や腹膜とくっついてしまい、そのために腸が湾曲したり引っ張られたりして通過障害が起こります。
この癒着を生じる最大の原因は手術です。腸閉塞全体のなかで、以前受けた手術が原因となり起こるものが6~7割を占めています。体質的に癒着を起こしやすい人がいて、腸閉塞の患者さんにはそのような人が多いのです。
腸閉塞の症状
腹痛、嘔吐、吐き気、腹部が張って腸がゴロゴロ鳴るなどの症状が起こります。また、腸が詰まるのでガスや便が出なくなります。ただし、閉塞部位や程度により症状とその強さは異なります。
腸の血行障害を伴う場合は激痛が起こり、緊急の手術が必要です。
一方、胆管にできた結石が詰まってしまうと胆汁が十二指腸に流れなくなり、逆流した胆汁が血液中に溢れ、体中が黄色になってしまう黄疸が現れます。
また、実際には症状のない無症候性胆石も多く、症状がないからといって安心はできません。
腸閉塞の治療
絞扼性腸閉塞でなければ、保存的治療で治療が可能です。
食事や飲水を中止し、胃腸を休め、十分な補液を行います。腸の張りが強い場合は、鼻から胃や腸まで管を入れ、嘔吐のもととなる胃や腸の内容物を体の外に汲み上げます。腸の張りが少なくなれば、腸から吸収され快方に向かいます。
ガスや便が出れば、腸の通過障害は一応治ったことになりますが、腸が詰まった原因、つまり癒着や腸がはまり込んだおなかのくぼみは治らないため、再発の危険は残ります。
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すい臓と胆道・胆嚢

すい臓は肝臓、胃、十二指腸などの臓器に囲まれ、身体の奥に位置しています。
何か異変があっても発見し辛く、治療もしにくいということです。
すい臓がんは、目立った症状がでないので、発見されないまま進行してしまいます。
すい臓と関係のある臓器になにか異常がある場合は、すい臓の働きも悪くなっていると考えます。
そしてその臓器に適切な治療をしてもよくならない場合、すい臓に異変が起こっていることが多いのです。
すい臓の病気は年々増加していますが、胆道や胆のうの病気も急増しています。
なぜなら、食生活の欧米化やアルコールの摂り過ぎが原因といわれているからです。
胆道とすい臓は密接な関係があり、片方に異常があれば、もう片方にも異常が生じます。
そして胆道・胆のう・すい臓の病気が進行すると、次は肝臓・胃・腎臓にも異常が生じます。
胆道とすい臓、肝臓と胃の病気は大変症状が似ているので、最初の治療での診断が大事になります。
ちなみに胆道と胆のうの病気には、胆道感染症・胆石症・胆のう摘出症候群・胆道イキスキネジーがあります。
すい臓がん以外のすい臓の病気には、急性すい炎・慢性すい炎・すい嚢胞があります。
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肺がんと間違えられ易い病気 :間質性肺炎

間質性肺炎は50歳代~60歳代の男性に多く、発病すると乾いた咳などが出る病気です。
間質性肺炎とは、肺が炎症を起こし、肺が硬くなってしまう病気のことです。
肺炎の一種ですが、ほかの肺炎のように肺胞腔に炎症が起きるわけではありません。
間質性肺炎は、肺胞壁を構成している間質という部分に炎症が起こります。
原因は、塵肺・薬剤性肺炎・過敏性肺炎などさまざまです。
塵肺とは、金属や鉱物の粉塵を長期間吸い込んだために起こる肺炎のことであり、薬剤性肺炎とは、薬の副作用により起きる肺炎のことであり、過敏性肺炎とは、カビに対するアレルギー反応により起きる肺炎のことです。
間質性肺炎の約50%は原因不明です。これといった治療法がなく、未解明の部分も多いため、国の特定疾患に指定されています。
原因がわからない間質性肺炎は「突発性間質性肺炎」と呼ばれています。
間質性肺炎の代表的な症状が、空咳や息切れです。
場合によっては、指の先端が広がって分厚くなる「ばち指」が表れることもあります。
肺がんと共通している症状のため、素人ではどちらなのかまず判断がつきません。
また悪化すると、肺がんを合併することも多いため、ますますどちらなのか区別がつきにくくなってしまいます。
激しい咳の連続で、肺胞が破れる気胸が起きることもよくあります。
気胸を発症すると、呼吸困難やチアノーゼなど危険な症状が表れるので注意が必要です。
肺の内部の気管支の末端には、肺胞という球状の袋がいくつも付いています。私たちが難なく呼吸するためには、この袋が正常に機能しなければいけません。
この肺胞同士を結合させているのが、毛細血管やコラーゲン線維から成る間質です。
この部分に異常が起きると、肺胞の仕事であるガス交換を行うことができなくなり、さまざまな症状が引き起こされます。
肺が線維化していくメカニズム
1.間質に炎症が起こると、間質の細胞に傷がつきます。
2.傷を修復するために、コラーゲン線維を生産する線維芽細胞が増殖します。
3.傷が治っても線維芽細胞の増殖は止まりません。どんどんコラーゲン繊維が重なっていき、肺胞壁が厚く硬くなっていきます(これが線維化という状態です)。
4.繊維化が進むと、肺胞腔と毛細血管の距離が遠くなって肺胞が崩れてしまいます。
5.ガス交換が上手くできなくなるため、呼吸が苦しくなります。
間質性肺がんを調べる方法には色々ありますが、まずは問診、打診、聴診などを行います。
聴診でマジックテープを剥がすようなパチパチという音が聞こえたら、間質性肺がんの可能性があります。
間質性肺がんが疑われた場合、胸部エックス線検査や胸部CT検査を行ってさらに詳しく調べます。間質性肺炎であったら、これらの検査で肺にすりガラス様陰影がみられます。
呼吸生理学検査で%肺活量、1秒率、一酸化炭素拡散能の低下がみられた場合も、間質性肺炎が疑われます。なおこの検査で、重症度の判定をすることもできます。
ほかにも赤沈、LDHを調べる血液検査がありますが、これは炎症や治療効果を判定するのにも有効です。
ステロイド薬や免疫抑制剤などで治療
間質が線維化してしまうと、残念ながら元の状態には戻りません。
治すことは不可能なので、治療は進行させないことを目的として行います。
治療は薬物療法が基本です。薬には炎症を抑えるための「ステロイド薬」や、「免疫抑制剤」が用いられますが、どんな人にも必ず効くとは限りません。
日本人では急激に病状が悪化する「急性増悪」がよくみられます。風邪のあとに起こりやすいので、体調を崩さないように日頃から心掛けることが大切です。
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