乳がん最新治療法:ラジオ波焼灼治療

ラジオ波焼灼治療とは、がんのある部分に電極を挿入し、そこから電流を出し、高温の熱でがんを死滅させるというやり方です。メスを使わず大きな傷が残らないというのが特徴です。
ラジオ波焼灼を行うにはがんの数が少なく狭い範囲にあるということが条件にあります。
ラジオ波焼灼はもともと肝がん治療で行われてきたもので、乳がん手術ではそれほど経歴がなく歴史が浅い、まさに最新治療になります。
また乳がん手術でラジオ波焼灼を行っているところもまだ少ないという点があります。
ラジオ波焼灼治療の際も、がん細胞がリンパ節への転移をしていないか調べるためセンチネルリンパ生検を行います。
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乳がん最新治療法:内視鏡乳房温存療法

内視鏡温存療法は、乳房温存療法の条件に合わなくても行うことができます。
内視鏡乳房温存療法とは、わきの下と乳輪の境目部分に2センチほどの切開をし、そこに内視鏡と手術器具をいれていき、乳房の組織を皮膚や胸の筋肉からはがし、乳房の皮膚を残したまま中の組織を取り出すという方法です。
内視鏡乳房温存療法は、乳房の中身がない状態になりますが、乳首や乳輪、胸の皮膚はすべて残るので術後の見た目は術前と変わりがありません。また、乳房再建術がスムーズに行うことができ、きれいに再建することができるのです。
傷も術後はしわなどに隠れて目立たなくなります。乳房に傷が大きく残る全摘出とは術後大きな差があります。
内視鏡温存療法は大腸がんや胃がんの手術で使われることがありますが、乳がん手術にはそれほどまだ定着はしていません。
乳がんの内視鏡手術は時間もかかり、この手術の経験者や技術をもつ医師がまだ少ないため、内視鏡温存療法を行える病院は一部になります。
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肝臓の血液検査

肝臓の検査は、問診や触診の次に、血液検査を行います。肝臓にはたくさんの量の血液が出入りしているので、血液の成分を調べることで肝臓の異常を発見することができるのです。
血清ビリルビン
赤血球にあるヘモグロビンから作られる黄色い色をした色素0で、肝臓で代謝されたあとに胆汁の中に出されるものです。肝臓に障害が出るとビリルビンが増加します。
見た目で黄疸の症状がなくても、血液中に3mg/dl以上の数値がある場合、ビリルビンが増えていることになります。このビリルビンの型により、どんな肝臓病なのかが推測することができます。
GOT/GPT
これは、肝細胞が変化していないかどうかを調べるものです。肝臓に障害が出ると、血液中に肝細胞から漏れ出していきます。特徴として、アルコール性肝障害の場合はGOTが高く、慢性肝炎などではGPTが高くなります。
γ-GTP
肝細胞に異常をきたしたり、胆汁の排泄がスムーズにいっていないときに数値が上がります。アルコール性肝障害の診断には欠かせない項目です。
ALP
ほとんどの臓器に含まれているALPですが、肝臓の場合は胆汁の中に出される物質です。胆汁の排泄がうまくいかなくなると、ALPが血液中に増加します。
慢性肝炎などではALPの増加が見られません。肝臓の病気を見分ける上で重要なものの一つです。肝臓以外の骨の病気などでも数値が上がりますので見分けが必要です。
LDH
LDHは、ほとんどの臓器にあり、いくつかの種類に分かれていて、どのLDHが増加しているかで、どの臓器が悪いのかが分かります。がんの場合にもこのLDHが増加するために、肝臓がんの診断に使われる場合があります。
コリンエステラーゼ
コリンエステラーゼは、肝臓に異常が起きると数値が低下します。肥満が原因の脂肪肝では逆に数値が上がります。
血清総たんぱく
血液の中に含まれるたんぱくの総称です。その中の、血清アルブミンの数値が低いと、肝硬変、肝臓がんが疑われます。血清アルブミンが少なくなると、腹水がたまる原因にもなります。免疫グロブリンが増加したときは、慢性肝炎や肝硬変が疑われます。A/G比が低下しているときは、肝機能障害が進んでいることを示します。
膠質反応
血清に薬を加え、その反応を見る検査です。肝臓にトラブルを抱えていると、混濁したり沈殿したりします。肝炎や肝硬変の場合に出る反応ですが、肝臓の病気の影響を受けやすいのが難点です。
血清コレステロール
コレステロールは肝臓で合成されてから胆汁に排出されます。胆汁がうっ帯することでコレステロールが血中にたまり、血清コレステロール値が上がります。
急性肝炎や劇症肝炎では反対に低くなります。黄疸が出たときにこの血中コレステロール値を検査することにより、肝炎によるものか胆汁によるものなのかが分かります。
プロトロンビン時間
肝細胞で作られるプロトロンビンは、血液を固まらせるたんぱく質です。肝細胞に異常をきたすと、プロトロンビンが減少して血液が固まりにくくなります。
肝臓が悪くなると、血液が固まるまでの時間が長くなるのです。このプロトロンビンがかかわって血液が固まるのにかかる時間をプロトロンビン時間と言います。劇症肝炎や肝硬変などの診断に役立ちます。
色素排泄試験
静脈に色素を注射して、どれくらい血中にその色素が残っているのか、一定時間をおいて調べる検査です。肝細胞の働きが十分でなかったり、胆汁の流れがスムーズでなければ、血液の中に一定量以上の色素が残っています。
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肝臓がは沈黙の臓器

肝臓は悪くなっても滅多に症状が現れないことは多くの人が知っています。
肝臓が正常に働かなくなると、私たちは生命を維持していくことができません。肝臓には3000億個以上の肝細胞がありますが、この一部が機能しなくなってもすぐに再生する能力を持っています。
再生するまでは、他の肝細胞が補って働く機能も持っています。仮に、半分以上の肝細胞が死んでしまっても、他の肝細胞がフォローするという機能があるのです。脳や心臓は1本の動脈を頼りにエネルギーを受け取っていますので、その血管が詰まったり壊れたりしてしまうと、血液が送れなくなってしまうので細胞は死んでしまいます。
一方、肝臓には肝臓独自の門脈という血管があるので、酸素不足になることもありません。これらから分かるように、肝臓はダメージを受けても影響が出にくく、症状として表に現れにくいという特徴がるのです。
肝機能が低下して黄疸などの症状が表に出てくるときは、肝細胞のほとんどがダメージを受けて壊れてしまっているということです。
自覚症状がないままに少しずつ静かに症状が進み、知覚神経もなく、気づいたときには重症化していることも少なくないので、肝臓は沈黙の臓器と呼ばれているのです。
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人工透析とシャント

血液透析を行う場合、身体に蓄積された毒素を浄化する為に、1分間で200ml近い血液流量が求められます。
通常の血流では1分間で200mlもの血液を透析装置に送り込む事ができないので、シャント手術を行って血流を多くしなくてはなりません。
人工透析では、動脈に穿刺して血液を取り出す必要がありますが、透析の度に動脈に穿刺するのは困難なので、シャント手術でシャントをつくって動脈と静脈を繋ぎ合せ、静脈の血流量を増やして、透析を行います。シャントがあれば、動脈を穿刺する必要がなく、血液透析ができるようになります。
シャントには、内シャントと外シャントの2つがありますが、ほとんどの人が内シャントになっています。内シャントは、皮膚下で動脈と静脈を繋いでおり、透析を行う際にハリさす痛みがありますが、感染症を引きおこす危険が軽減されます。また、内側にシャントがある事で、見た目に分かりにくいというメリットがあります。
外シャントは、皮膚の外で動脈と静脈にチューブを入れて繋ぐ方法です。透析時の痛みが少ないとされていますが、チューブが外にある事で感染の危険が高く、見た目も良くありません。どちらのシャントであっても、シャントが詰まってしまうと血液流量が少なくなって、血液透析ができなくなってしまいます。
シャントの管理を日々おこない、血栓ができないように注意する必要があります。シャントは利き手とは反対の手につくりますが、重いものを持ったりして圧迫すると、不備の原因になるので日常生活で注意が必要です。
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人工透析の流れ

人工透析には血液透析と腹膜透析の2つの療法がありますが、透析器を使った血液透析を行う人が多いです。
血液透析は、血液を1度体の外に出して人工腎臓を通して老廃物や過剰な水分を取り除き、また体の中に戻す治療法です。
血液の「送り出し口」「戻り口」である「シャント」をつくるための手術が必要になります。シャントの手術は、体調がよいうちに事前に行っておくと、透析の開始がスムーズになります
血液透析が始まると、原則的に週に3日間通院して透析を受けることになります。1回の透析には平均4時間程度かかりますが、導入初期にはより短時間ですむ場合もあります。透析を受けている時間以外は、自由に行動することができます。夜間の透析を行っている施設利用すると、仕事をしながらでも可能です。
薬局は調剤をメインに行う調剤薬局や門前薬局のことだけを指すものでなく、調剤室を備えるなど条件を満たして薬局開設許可を受けていれば、ドラッグストアも薬局といえる。
透析を開始した後は、食事療法や日常生活上の自己管理が重要です。食事療法は、タンパク質の制限が緩和される反面、水分やカリウムの量には注意が必要になります。
透析を開始する時期に、主治医や看護師、栄養士などから説明を受けましょう。シャントとは、手術によってつくられる、十分な血液量をダイアライザに送るための、手首などの動脈と静脈を縫い合わせて、血液量が豊富な太い血管のことです。
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