肺がん 腫瘍マーカー

肺がんの腫瘍マーカーはある型のがんを持った患者さんの血液、尿、身体組織中に、正常より高い量にしばしば検知することができる物質です。
 腫瘍マーカーは、腫物自体によって、あるいは肺がんの存在やある良性の状態で身体によって生産されます。
 この事実表は、血液で見つかったいくつかの腫瘍マーカーについて記述します。
 レントゲン写真を撮る、あるいは他の検査を施行した時に、いくつかの型のがん(癌)の発見や診断するための、腫瘍マーカー値の測定は有用でありえます。
 しかしながら、腫瘍マーカー値の測定だけでは次の理由のためにがんを診断するのには十分ではありません:
 腫瘍マーカー値は良性の状態で上昇することがあります。
 腫瘍マーカー値は肺がんを持ったすべての人、特に病気の初期段階で上昇するとは限りません。
 多くの腫瘍マーカーは特別の型のがんに特有ではありません。腫瘍マーカーの値は、複数の型のがんで上昇することがあります。
 肺がん診断における役割に加えて、腫瘍マーカー値は医者の適切な治療計画を補助するために治療前に測定されることがあります。
 いくつかの型のがんでは、腫瘍マーカー値が、病期を反映し、病気が治療にどれくらいよく効くかを予測することに役立ちます。
 患者の治療に対する効果を監視するためにも、腫瘍マーカー値は治療中に測定されるかもしれません。
 腫瘍マーカー値が下降するか正常に戻る場合、それはがんが治療にうまく効いていることを示すかもしれません。
 腫瘍マーカー値が上昇する場合、それはがんが成長していることを示すかもしれません。最後に、治療が終わった後、、再発を調べる経過観察の一部として腫瘍マーカー値の測定は使用されるかもしれません。
 現在、腫瘍マーカーの使用は主に、がんの治療に対する効果を評価し、再発を発見することです。科学者は、がんの早期発見と診断における潜在的な役割ばかりでなく、腫瘍マーカーの前述の用途も研究を続けています。

肺がんの放射線治療とは

放射線療法は放射性物質から出るγ線や大型の加速器により人工的に作り出したX線などをがん細胞に照射することによって、がん細胞に損傷を与え、がん細胞を死滅させる治療法です。基本的に放射線が照射された範囲にだけ治療効果が及びます。
 放射線療法は局所療法であるため肺がんの大きさが小さく、腫瘍が一部分に限られている場合には有効ですが、転移が拡がっている場合などには適応となりません。
 放射線療法は手術と異なり患部を切除することがありませんので臓器の機能を温存することができたり、比較的短時間で外来でも治療ができたり、副作用も比較的少ないなどメリットがあります。
 放射線治療の副作用のうち治療後数ヶ月以上経過してから現れるものの方がより注意が必要で、同じところに二度照射すると副作用の頻度が増し、放射線治療の効果よりも副作用の方が強く現れるため、一部の例外を除いて一度放射線照射を行ったところには再照射しないのが原則です。
    肺がんの放射線治療の目的は2通りある
 肺がんの治療において放射線療法の目標とするものは大きく分けて2通りあります。
 一つは、肺がんを積極的に治療するために行うもので、手術が難しい患者さんに放射線単独で治療を行ったり、抗がん剤との併用による放射線化学療法を行ったり、あるいは手術前・手術後に放射線治療を行うなどの方法があります。
 放射線治療は一般に細胞分裂が盛んなほど効きやすい傾向があります。
 特に小細胞肺がん(小細胞肺癌)では放射線化学療法により腫瘍縮小効果が期待できます。
 一方、非小細胞肺がん(腺がん(腺癌)、扁平上皮がん(扁平上皮癌)など)は放射線治療に対する反応はあまり良いとは言えません。
 肺がん治療における放射線治療の二つ目の目的は痛みや神経症状を和らげるために行う緩和的放射線治療です。
   肺がんの放射線治療(積極的な治療)
 肺がんを積極的に治療するために行う放射線治療法には、からだの外から放射線を照射する「外部照射治療」や、からだの中から放射線をかける「密封小線源治療」、陽子線などを利用した「粒子線治療」などがあります。
 骨転移・脳転移への放射線療法-肺がんの緩和的放射線治療
肺がんの骨転移や脳転移に伴う痛みなどの症状を和らげるために放射線による症状緩和治療が行われることがあります。
 肺がんが骨転移(転移性骨腫瘍)や脳転移(転移性脳腫瘍)などをきたした際、転移巣に対する放射線治療の主な目的は痛みや神経症状のコントロールになります。
 肺がんの骨転移(転移性骨腫瘍)に対する放射線治療
肺がんが骨に転移すると激しい痛みを感じますが、放射線をかけることで痛みを和らげることが期待できます。
 またもろくなった骨を安定させ骨折対策や脊髄の圧迫による麻痺などの神経症状をコントロールすることも目的となります。
 肺がんの骨転移は頚椎や胸椎、腰椎、骨盤骨、肋骨、胸骨、手足の骨(四肢骨)、頭蓋骨などに多く発生します。とくに頚椎や胸椎、腰椎に転移した場合は脊髄ががんによって圧迫されるため強い痛みを感じたり、神経が麻痺することがあります。
 また、普通ならば骨折することのないような弱い衝撃でも骨折してしまうことがあります。
 骨転移(転移性骨腫瘍)に対して放射線をかけることで痛みが緩和されたり、もろくなった骨を安定化させ骨折が予防できたり、神経症状が改善されたりします。
  肺がんの脳転移(転移性脳腫瘍)に対する放射線治療
肺がんの脳転移に対する放射線治療では、頭痛や吐き気、嘔吐、ふらつき、歩行困難、視力の異常などの症状緩和が目的となります。
 転移は脳の中のどこにでも起こる可能性があり、大きさや数も様々ですから、治療法の選択肢もいくつかあります。
 全脳照射は脳全体に放射線をかける治療法で脳のいろいろな所に転移がある場合などに行います。手術で腫瘍を摘出した後に放射線を照射する方法もあります。また、リニアック装置やガンマナイフによって多方向から放射線を集中してかける治療法も行われています。
       放射線療法の副作用について
 正常な細胞に放射線が照射されると正常な細胞がダメージを受け副作用が出ることがあります。副作用には治療中又は治療直後にでるものと、半年~数年後にでてくるものとがあります。
 放射線治療による副作用が現れるのは照射した部分に限られますので、肺がんの場合には、頭髪が抜けたり、吐き気やめまいが起こることはほとんどありません。
 数ヶ月以内に現れる副作用としては、皮膚が日焼けしたときのように赤くなることがあります。皮膚が弱くなっているため刺激に弱くなります。他に皮膚がカサカサしたり、黒ずんだりすることもあります。また倦怠感を感じることもあります。

肺がんの検査

肺がんの検査は目的によって以下の3つに分類されます。
 肺がんの疑いがあるかを調べる検査
 肺がんを確定する検査
 肺がんの進行具合を調べる検査
 

 肺がんの疑いがあるかどうかを調べる検査
 胸部単純X線検査(レントゲン検査)、胸部CT検査(CTスキャン検査)、胸部MRI検査など<肺がん(肺癌)の画像検査>と、血液を採取して調べる<肺がん(肺癌)の腫瘍マーカー(血液検査)>があります。
 肺がんを確定する検査
肺がん(肺癌)の判定を行う方法には、細胞診と組織診の2種類があります。細胞や組織の一部を採取して調べるこれらの検査を生検(バイオプシー)といいます。
細胞診には喀痰細胞診や擦過細胞診、気管支鏡検査、経皮的肺穿刺検査などがあり、細胞の一つ一つを顕微鏡で観察してがん細胞があるかを判断します。
組織診は検査や手術で採取した組織を顕微鏡を使って調べる方法で細胞の大きさや形、並び具合などを総合的に調べる方法です。
 肺がんの進行具合を調べる検査-病期診断
 肺がんが確定した後は、どの程度進行した肺がんであるのか、リンパ節転移の有無や肺内転移、肝臓転移、副腎転移、骨転移、脳転移など転移があるのか・ないのかを調べることが重要になってきます。
 肺がんの治療方法を決定する過程で、肺がんが肺内にとどまっていて手術適応となるのか、肺の外に進行していて手術が適応とならず抗がん剤の治療や放射線の治療を行う必要があるのかを判断することはとても重要です。
 肺がんの病期(進行の程度)を調べる検査として、胸部CT検査や腹部CT検査、超音波検査(エコー検査)、骨シンチグラフィー、PET検査、脳のCT検査やMRI検査などがあります。

肺がんの特徴と発生原因

肺がんの統計
 肺がん患者数は著しく増加しています。
 日本人男性のがんによる死因の第一位は長らく胃がんでしたが、1993年に肺がんの死亡数が胃がんの死亡数を抜き第一位となりました。女性の場合は胃がん、大腸がんに続いて第3位になっています肺がん (肺癌)死亡数は増加の一途を辿っており、年間死亡者数は5万人を超えています。
 欧米先進国と比べて禁煙対策が遅れている日本では、今後も肺がんの死亡者数がますます高くなっていくことが予想されます。
       肺がんの治療成績が芳しくない理由
 死亡者数が多いのは、患者数が増えていることも一因ですが、それ以上に治療が難しい(難治がん)であることが大きな理由になっています。
     治療成績が良くない理由としては
 肺がんは自覚症状に乏しいため、早期発見が難しい
 肺がんは進行が早い
 肺がんは有効な治療法が限られている
などが挙げられます。
 肺がんになる人は年々増え続けていますが主な原因としては、喫煙になります。本人がタバコを吸わなくても周りの方が吸っているためにおこる受動喫煙も大きなリスク要因となります。
 肺がんの種類(組織分類)肺がんは小細胞肺がんと非小細胞肺がんに大きく分類される
 肺がんは、がん組織で分類すると非小細胞肺がんと小細胞肺がんの2種類に大きく分けられ、組織型の違いにより治療方法も異なってきます。発生頻度が高いのは非小細胞肺がんで、肺がん全体の80%以上を占めます。
 非小細胞がんは「肺腺がん」「肺の扁平上皮がん」「大細胞肺がん」などの組織型に分類されます。
 非小細胞肺がんはごく早期に発見して手術すれば治癒する可能性はありますが、手術後再発・転移した場合や、手術が出来なかった場合には、抗がん剤や放射線治療は効きにくい性質を持っているため一般には治すことは難しくなります。
 これに対して、「小細胞肺がん」は、小さな細胞が密集して燕麦のように見えるため燕麦細胞がんとも呼ばれています。
 非常に進行が早く脳やリンパ節、肝臓、副腎、骨などに早い段階で転移し手術ができないことがほとんどです。また、手術をしても再発率は高くなります。小細胞肺がんは肺がん全体の15%~20%程度を占め、患者さんのほとんどは喫煙者です。
 抗がん剤や放射線治療は非小細胞肺がんに比べて効きやすいのですが、一時的に進行を抑えるのがやっとで、再発・転移しやすく予後は悪いです。

肺がんの再発と肺がんの転移

肺がんは初回治療後に再発することがあります。また、肺がん(肺癌)の診断時点で既に肺内転移や肝臓転移、副腎転移、骨転移、脳転移など遠隔転移していることも珍しくありません。
 小細胞肺がん(小細胞肺癌)は極めて進行の早いタイプのがんであり、がんが見つかった時点で既に全身に転移していることが多いという特徴を持っています。
 非小細胞肺がん(腺がん(腺癌)、扁平上皮がん(扁平上皮癌)など)も進行が早く、自覚症状にも乏しいため肺がん(肺癌)が見つかったときにはリンパ節転移や他の臓器に転移していることも少なくありません。
 反対側の肺や肝臓、副腎、そして骨や脳など原発巣の肺がんから離れた臓器に転移した場合を遠隔転移といいます。
 
      遠隔転移した肺がん(肺癌)の治療
 肺がんの転移先としては、リンパ節、肺の別の場所、肝臓、副腎、骨、脳などが主になります。
 肺から離れた肝臓、副腎、骨や脳にがんが転移するのは、血液やリンパ液の流れにがん細胞が乗ってそれらの臓器に運ばれ、増殖したものになります。
 肺内転移や肝臓転移、骨転移、脳転移などの症例では手術によってがんを切除しても、全身を血液やリンパ液の流れに沿ってがん細胞が回っているため、他の部位にがんが出来てしまいます。手術は体に大きな負担を掛けますから、一部の例外を除いて遠隔転移した肺がん(肺癌)は手術をしません。
 肺転移(転移性肺腫瘍)や肝転移(転移性肝腫瘍)、副腎転移(転移性副腎腫瘍)骨転移(転移性骨腫瘍)、脳転移(転移性脳腫瘍)など遠隔転移を有するケースでは主に全身治療である化学療法(抗がん剤)が治療の中心となります。他に症状緩和を目的として放射線治療が行われることもあります。
 遠隔転移した場合でも、最初にできた肺がんと同じ性質を持っているため、肺がん治療に使用する抗がん剤を用いて治療を行うことになります。
 肺がんの予後を改善する方法遠隔転移した肺がん治療には限界があります
 肺や肝臓、副腎、骨や脳などに転移した進行肺がん(肺癌)は治癒不可能な疾患であり、治療の目的は症状の緩和にあるとがんセンターや大学病院では考えています。
 しかし、実際には遠隔転移した人でも生活の質を保ちながら、人生を楽しみながら5年、10年と生活を続けているケースも珍しくはありません。

化学療法(抗がん剤)の副作用

化学療法(抗がん剤)の副作用
 骨髄毒性-白血球減少(好中球減少)、赤血球減少、血小板減少
肺がん(肺癌)の抗がん剤治療により血液をつくる細胞がダメージを受け、白血球減少や赤血球減少、血小板減少などの副作用を高頻度で生じます。
 肺がんに対する化学療法では、患者さんが抗がん剤の副作用により死亡することが約2%程度起こると報告されています。治療関連死で最も多いのは白血球や好中球減少による重篤な肺炎や敗血症などの感染によるものですから、これらの血液検査の数値が低下した場合には注意が必要です。
 白血球減少(好中球減少)が起きると肺炎などの感染症を起こしやすくなります。また発熱が続くこともあります。白血球や好中球の減少に対しては、G-CFS(顆粒球コロニー刺激因子)などを使用することがあります。
 赤血球が減少することで貧血になったり、血小板減少により出血しやすくなったり、あざができやすくなったり、注射の跡が消えにくくなるなどの副作用が現れることがあります。
 これらの副作用を骨髄毒性といいます。骨髄毒性は目に見える副作用ではないため一般の方は軽視しがちですが、実は命にかかわることが少なくない副作用ですから抗がん剤の投与中は注意深く骨髄毒性が許容範囲内であるかをチェックする必要があります。
     吐き気・嘔吐・悪心・下痢・便秘・食欲不振
 肺がん(肺癌)治療で抗がん剤が投与されると多くの方で吐き気や嘔吐をおこします。下痢や便秘をする方もいらっしゃいます。
 使用する抗がん剤の種類により吐き気や嘔吐が起きやすい抗がん剤もあれば、あまり激しい副作用を伴わないものもあります。場合によっては極度の脱水症状により衰弱してしまう可能性もあります。
              脱毛
 肺がん治療で使用する抗がん剤によっては脱毛を起こすこともあります。治療が終われば髪の毛は再び生えてきます。
           その他の副作用
 肺がん治療で用いられる抗がん剤の副作用として、動悸や息切れ、体のむくみ、筋肉や関節の痛みなどが現れることがあります。
 手足症候群といって手のひらや足の裏に刺すような痛みがあったり、手足の感覚がまひしたり、皮膚の乾燥やかゆみ、変色などの症状が現れることがあります。
 口内炎や倦怠感(だるさ)、皮膚や爪の変色、味覚障害、肝機能障害、腎機能障害なども副作用で現れることがあります。

肺がんの治療法 肺がんの化学療法(抗がん剤治療)

肺がんの抗がん剤治療はどのような時に行われるのか
 肺がんは進行すると周囲のリンパ節に転移し、さらに血流にのって反対側の肺や副腎、肝臓、骨、脳などに転移します。
 肺がんの転移の可能性が極めて低い局所にとどまった癌である場合には手術や放射線療法による治療だけを行います。
しかし、リンパ節に転移があった場合や、転移は無くとも再発の危険が高いと判断された場合には抗がん剤療法が行われることがあります。
また、肺がんが肺内や副腎、肝臓、骨、脳など遠隔転移があり手術ができない場合にも化学療法(抗がん剤治療)が使われることがあります。
 肺がんの組織型の違いによる化学療法(抗がん剤治療)小細胞肺がん(小細胞肺癌)の化学療法
小細胞肺がんは極めて進行の早いタイプのがんであり、手術の適応となる事はまれですが、一方で放射線療法や化学療法(抗がん剤)には反応しやすいという点で他の肺がんとは異なった特徴を持っています。
 小細胞肺がんの患者さんに化学療法(抗がん剤)を行うと、大凡80%程度の方に反応が見られるため、腫瘍は一時的に縮小することが期待できますが、根治は困難であり、再発してしまうのが現状です。
     使用される抗がん剤-小細胞肺がんの化学療法
 小細胞肺がんの化学療法では、シスプラチン+エトポシド(PE療法)、イリノテカン+シスプラチン(IP療法)、シクロホスファミド+ドキソルビシン+ビンクリスチン(CAV療法)などが代表的な抗がん剤の組み合わせになります。
 病状によっては、これらの抗がん剤の代わりにエトポシドやカルボプラチン、シクロフォスファミド、ドキソルビシンなどの抗がん剤を使用することもあります。
         非小細胞肺がんの化学療法
 非小細胞肺がん(腺がん(腺癌)、扁平上皮がん(扁平上皮癌)など)は抗がん剤治療お効果があまり期待できません。
 非小細胞肺がんにおいて化学療法が適応となるのは、臨床病期IIIB期あるいはIV期の進行例になります。
 小細胞肺がんに比べると非小細胞肺がんは抗がん剤が効きにくく、腫瘍縮小効果が得られるのは20%~30%程度になります。また、一度効き目があった場合でもがんが耐性を持ってしまい次第に化学療法の効き目がなくなってしまうので、腫瘍縮小効果が認められたケースでも残念ながら根治は困難です。
 非小細胞肺がんでは体力が低下している患者さんに抗がん剤治療をすると、抗がん剤の効果よりも体力を弱めて寿命を短くしてしまうことが懸念されます。一般に非小細胞肺がんの患者さんの場合、化学療法(抗がん剤治療)の効果が期待できるのはPS(全身状態)が0~2までの患者さんです。
    使用される抗がん剤-非小細胞肺がんの化学療法
 非小細胞肺がんの化学療法では、プラチナ製剤とそれ以外の抗がん剤を組み合わせた治療が主流です。
 具体的にはイリノテカン+シスプラチン(IP療法)やシスプラチン+ビノレルビン、シスプラチン+ゲムシタビン、シスプラチン+ドセタキセル、シスプラチン+エトポシド(PE療法)、カルボプラチン+パクリタキセル、カルボプラチン+エトポシド(CE療法)などの組み合わせで治療が行われます。また、単剤ではパクリタキセル、ドセタキセル、ビノレルビン、ゲムシタビン(イレッサ)などが代表的な抗がん剤になります。
 分子標的薬イレッサ(ゲフィチニブ)-非小細胞肺がんの化学療法
 非小細胞肺がんの治療ではイレッサという分子標的薬が2002年7月から使われるようになりました。
 イレッサは手術ができない、あるいは再発した非小細胞肺がんの治療薬として承認されています。
 イレッサは吐き気や嘔吐、食欲不振や脱毛、骨髄毒性(白血球減少など)といった副作用は比較的出にくいのですが、肝機能障害や間質性肺炎などの副作用が出る傾向があります。
 特に間質性肺炎は肺が線維化して硬くなり肺活量減少や酸素不足になるため、呼吸困難や咳、発熱などの症状から、悪化すると肺線維症という予後不良の状態になることがあります。一時期、イレッサによる間質性肺炎で死亡者が多く出たため社会問題化したことがありましたが、他の抗がん剤でも死亡する可能性が2%程度あり、決してイレッサだけが怖い薬ではないといえます。