抗がん剤治療の苦痛

化学療法では、多くの抗がん剤を使いますが、投与量を増やすと、がん細胞をたたく効果が大きくなります。
その分健康な細胞への副作用も大きくなるのです。これは多くの抗がん剤で、まだがん細胞だけに作用する薬が開発されていないために、他の正常な細胞にまで作用してしまうのです。
副作用のない抗がん剤はありません。
非小細胞がんの治療に使われるシスプラチンという注射薬の場合、受けた人のほとんどに吐き気、嘔吐がみられます。
抗がん剤のなかでも、シスプラチンは、特にこの症状が出ます。
このほか、食欲不振、口内炎、下痢、便秘といったことも起きます。
また、腎臓への影響も心配されています。
非小細胞がんに対しては、1日1回注射して3週以上休薬という使い方をしますが、吐き気などは注射してから数時間で始まり、短くて1日、長ければ3、4日続きます。
この吐き気に対しては、オンダンセトロンという薬が効きますが、薬の副作用のために、さらに薬を使うことはつらいものです。
腎臓害に対しては、シスプラチンを中止せざるをえなくなります。
放置しておくと、肺炎などの重い症状が出てくることもあります。
副作用については個人差もあり、我慢の限界も人によって異なりますので、抗がん剤の継続使用については主治医とよく相談して決めるのがよいでしょう。
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