肝臓の病気:ウィルソン病

ウィルソン病とは
体内の微量金属である銅が肝細胞などに異常に沈着する代謝疾患です。
13番染色体の遺伝子異常があり、肝細胞で銅はアポセルロプラスミンと結合して、セルロプラスミンとなって胆汁中や血液中に排泄されますが、このたんぱく質との合成障害が原因です。
肝臓以外に、脳、腎臓、角膜などにも沈着して、それぞれの器官に障害があらわれます。
発症はすべての年齢にみられますが、10~20歳と50~60歳にピークがあります。
 ウィルソン病の症状は肝障害、動作や言語の緩慢、構語障害、不随意運動、運動失調、振戦、不安定、無気力、うつ状態、カイゼル・フライシェル角膜輪など多彩ですが、症状には、肝型、神経型、混合型があります。
肝型は肝障害、神経型は中枢神経症状、混合型は肝障害と神経症状があらわれます。
肝型は子供に多くみられ、徐々に進行し、思春期すぎには肝硬変になる場合が多くみられます。
 ウィルソン病の治療にはペニシラミンなどの銅と結合する薬を服用します。
尿中に銅の排泄を促すキレート薬を内服します。
銅の含有量が多いチョコレート、貝類、レバー、海藻類などを摂ることを控えます。
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