肺がん手術後の腹式呼吸と酸素吸入

肺の手術後には、息苦しさなどの症状がでることがあります。
肺を切除することや呼吸筋という筋肉を切り離すことで肺の機能が一時的に低下すること、術後の痛みのため呼吸が制限されることなどが原因です。
これは呼吸にかかわる筋肉を鍛えることで緩和できます。
呼吸をするときには、胸の筋肉だけでなく、おなかや太ももなど全身の筋肉も使います。これらの筋肉を鍛えるためには、口をすぼめて腹式呼吸を行うとよいと言われています。
また、呼吸を助けるために酸素吸入という手段もあります。もともと慢性閉塞性肺疾患など肺の病気がある人は、肺がんの治療によって、さらに呼吸機能が低下してしまうことがあります。
息切れがひどい場合でも酸素吸入用の機械を使えば酸素不足が解消され、自宅で楽に過ごせるようになります。
在宅酸素療法といわれる療法です。
機器の形状はさまざまですが、自宅に設置しておくタイプだけでなく、ポータブル型の酸素ボンベやめがね型の吸入装置などもあり、外出時に使用することも可能です。
現在、在宅酸素療法の利用者は10万人と言われ、そのうちの10%以上が、肺がんの患者です。
日常でも呼吸を楽にするには、上半身を起こした姿勢のほうが横隔膜の位置が下がり、換気の効率がよくなりますので、楽になります。
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