腹水やむくみは、なぜ起こるのか

肝臓ではアルブミンというたんぱく質をつくっています。
アルブミンは血液中の水分と結合して、水分を一定量に調整しています。
ところが、肝臓の働きが低下すると、アルブミン量が少なくなるので血管内の水分が多くなりすぎてしまい、血管外の組織へ水が漏れ出てしまいます。
水分が血管外の皮膚にたまれば「むくみ」を起こし、腹部にたまれば「腹水」になります。
腹水は厄介、治すのが困難
腹水とは腹腔内に溜まった液体です。
正常な人でも内臓の潤滑のため少量の液体がありますが、様々な原因で多量の液体が溜まった状態を腹水と言います。
原因としては心臓病、肝臓病、腎臓病、結核症、癌(悪性腫瘍)などです。
腹水の状態で分類すると
漿液性、血性、うみ性、乳糜性などに分けることができます。
上記の病気が原因で全身状態の悪化や局部的機能低下によって液体が血管やリンパ管から染みだして腹腔内に溜まります。
少量(300~500ml)の場合はほとんど不調を感じることが無いので腹水に気づくことは困難です。
中度(500~3000mL)がある場合は自覚症状があります。お腹が太鼓のよう膨らんできます。診察時に腹部を軽くたたいて打診すると音が濁ります。
大量(3000mL以上)がある場合は呼吸困難になり、下肢が浮腫みます。また、腹水を発生させている病気に伴って黄疸、貧血、発熱、腎臓、肝臓、心臓の機能低下など様々な症状が併発します。