肝臓がは沈黙の臓器

肝臓は悪くなっても滅多に症状が現れないことは多くの人が知っています。
肝臓が正常に働かなくなると、私たちは生命を維持していくことができません。肝臓には3000億個以上の肝細胞がありますが、この一部が機能しなくなってもすぐに再生する能力を持っています。
再生するまでは、他の肝細胞が補って働く機能も持っています。仮に、半分以上の肝細胞が死んでしまっても、他の肝細胞がフォローするという機能があるのです。脳や心臓は1本の動脈を頼りにエネルギーを受け取っていますので、その血管が詰まったり壊れたりしてしまうと、血液が送れなくなってしまうので細胞は死んでしまいます。
一方、肝臓には肝臓独自の門脈という血管があるので、酸素不足になることもありません。これらから分かるように、肝臓はダメージを受けても影響が出にくく、症状として表に現れにくいという特徴がるのです。
肝機能が低下して黄疸などの症状が表に出てくるときは、肝細胞のほとんどがダメージを受けて壊れてしまっているということです。
自覚症状がないままに少しずつ静かに症状が進み、知覚神経もなく、気づいたときには重症化していることも少なくないので、肝臓は沈黙の臓器と呼ばれているのです。
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