乳がんの再発と転移

□ 乳がんの転移
乳がんは、非浸潤がんから浸潤がんになったらがん細胞が血液やリンパ管に入り、転移を起こしてしまう危険性が高いです。
乳房から離れた肺や骨などに転移するのを遠隔転移と言います。そしてこのように転移する乳がんを転移性乳がんと言います。
遠隔転移のルートは、がん細胞が血液の流れにのって運ばれる血行性転移と、リンパの流れにのって肺など他の臓器へと運ばれるリンパ行性転移があります。血行性転移は早い段階でも起こる危険性があります。
リンパ節への転移で最も多いところはわきの下にある腋窩リンパ節と、胸骨のわきにある胸骨傍(きょうこつぼう)リンパ節が転移しやすいです。
臓器へは、肺や胸膜に転移しやすく、肝臓や骨、脳などにも転移します。
普通のガンと比べ、乳がんは進行具合と関係なく転移してしまう可能性が高いです。
遠隔転移の治療はおもに薬物療法を行いますが、まれに手術を行うことがあります。
□ 乳がんの再発
手術をして切除した部分に再発することを局所再発と言います。
再発する理由は、手術時のがん細胞の取り残しや、手術時には目で見えないほどの小さながんが育つなどの理由があります。原因により治療方針が変わってきます。
局所再発自体は、生命に影響を及ぼしにくいと考えられています。
局所再発は再手術をしたり、投薬、放射線治療で治る場合があります。
放射線療法は以前に受けたことがなければできますが、受けたことがあると行うことができません。
皮膚やリンパ節、胸壁などに乳がんが再発したときは、手術での取り残しというより、全身に広がった微細な
がん細胞が転移して増殖した可能性が高く、その場合はおもに薬物療法を行います。
わきの下のリンパ節へ再発した場合は遠隔転移がない時は郭清をすることもあります。
再発した乳がん細胞が深くにまで広がっている局所進行乳がんの場合はすぐに手術ができない時があります。
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