肺がんと間違えられ易い病気:慢性気管支炎

慢性気管支炎とは、咳や痰の症状が2年以上も長引く気管支炎のことをいい、女性よりも男性に多く、冬に発症するケースが多くみられます。
進行はゆっくりですが、治療を受けずに放っておくと、肺性心という心臓の働きが悪くなる病気へと発展することがあります。
原因はタバコ
慢性気管支炎を発病する大きな原因はタバコです。
また、子供の頃から副鼻腔炎がある人も発症しやすいといわれています。ほかにも大気汚染や有毒ガスなどが挙げられますが、これらが原因のことはまれです。
代表的な症状は「痰」
慢性気管支炎の代表的な症状は痰です。朝、顔を洗っている時や朝食の後に出ることが多く、病状が進むと白い痰から黄色っぽいドロッとした痰に変化していきます。
他にも呼吸困難が起きたり、運動中に息が切れやすくなったりするほか、頚動脈が腫れる、指先が膨れるばち指などの症状が表れることもあります。
画像検査など検査方法はいろいろ
慢性気管支炎を診断するには、胸部エックス線検査やCT検査などの画像検査、聴診、喀痰検査、血液検査、心電図検査、スパイロメトリーといった色々な検査が必要です。
痰にインフルエンザ桿菌が混じっていたり、心電図で右心室への電気の流れが悪い右脚ブロックが確認できたりした場合は、慢性気管支炎の疑いがあります。
治療は原因の除去からはじまる
慢性気管支炎の治療は、原因を除去することからはじめます。空気の悪い職場にいる人であれば転職を検討したり、喫煙者であれば禁煙したりしなければいけません。
次に呼吸不全などの症状を改善するために、気管支の浄化や拡張を行います。
これらの処置には、抗コリン薬やβ刺激薬、メチルキサンチンといった薬が使用されます。
感染状態がひどい場合には、抗生物質の投与が行われることもあります。
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