肺がんと遺伝との関係

がんの遺伝については、現在はまだ研究段階で、明確なことはまだ解明されていません。
 しかし、大腸がんについては遺伝性があることが認められていて、その他のがんについては遺伝性については断言できません。
 肺がんについては遺伝性は、がん遺伝子的素因との関連が深いと考えられる事で、直接関与するものではないようです。
 しかし、がんは一部を除いて遺伝はしないと考えられています。
 また、遠回しな言い方になりますが、肺がんにかかりやすい体質が遺伝するともいわれます。
これは、肺がんは遺伝性があると解釈すればよいのでしょうか。
 肺がんは、そもそも肺の正常な細胞ががん化することで発症します。
 これは、正常な細胞の遺伝子情報が狂い、正常な細胞にならず悪性のがん化した細胞に変異することで始まり、徐々にがん腫瘍を形成するものです。
 肺がんの遺伝性は統計から見ると、家族にがんの発症歴がある家族とそうでない家族とでは、明らかに発症歴のある家族の方が、がんの発症の確立が高いことがわかります。
 その確立は3倍にもなります。
 いかし全く関係ない場合もあることから、確立はどの程度まで数値が上がれば、遺伝性が認められるかの判断になります。
 また、肺がんの発症には日常の生活習慣や食生活、喫煙歴があることも関係します。
 肺がんの発症リスクに遺伝子が関係しているとすれば、がん抑制遺伝子の一つである「p53がん抑制遺伝子」が関わっていると考えられます。
 この「p53がん抑制遺伝子」を利用した遺伝子療法が、現在臨床の段階で研究されています。
 肺がんと遺伝の関係は明確ではありませんが、遺伝子を利用して治療法は、有効な治療法として確立しようとしています。
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