肺がん:脳転移と骨転移

肺がんは脳や骨に転移しやすい性質を持っています。これらの症状が悪化していくと、生活の質を著しく落とすことになります。
脳転移の場合には、脳のどの部分であるかによって異なるのですが、言語障害、感覚の麻痺、めまい、頭痛、吐き気や嘔吐、人格変化といった症状が現われるようになります。
骨転移の症状としては、該当する箇所の痛みや骨がもろくなって病的骨折を誘発することがあります。痛みの場合には、たとえば腰痛として感じられることになります。この場合には、ほかに原因があると考えるのが一般的ですので、整形外科に行って始めて発見されることもあります。
共通して言えるのは、肺がんが脳や骨に転移しているとステージ4期に該当することになり、相当に進行してしまっているということです。癌細胞が他の部位にまで広がってしまっている状況ですので、もはや原発巣を手術によって治療すれば完治するという段階ではありません。
残念ながら、この状況においては末期症状になってしまっていることもあります。ただし、放置すると余命の期間の生活にも支障が出ますので、症状を緩和するための治療も必要です。
治療としては、肺がんの脳転移の場合にはガンマナイフや放射線の全脳照射、手術を行うことが多く、抗がん剤は脳にはあまり届かないため効果は薄い傾向にあります。骨転移の場合には、放射線療法やビスフォスフォネートという薬の使用、鎮痛剤による痛みの緩和が中心となっています。
残された余命を少しでも快適に暮らせるように、最適な治療法を選択していく必要があります。