急性腎炎の治療

安静にする急性腎炎は腎臓の機能が低下してしまう病気ですから、腎臓への血流を保つために、特に急性期には安静にすることが一般的な考えてとしてはあります。しかし、自覚症状がほとんどなく、高血圧や肺浮腫なども見られない場合はそれほど厳格な安静は必要としないとの意見もあります。
食事の制限での治療尿の出が少なく、むくみがあり、体内に水分がたまっている状態であれば、腎臓の塩分排泄機能が低下していると考えられるので食事制限などにより、塩分の摂取を控えることが必要になります。
たんぱく質の摂取も、この病気の発症原因から考えると、控えるべきだというのが一般的な考えです。
利尿薬での治療溶血性連鎖球菌感染後の急性腎炎の患者さんで、尿の出がすくなく、むくみが見られる場合は、排尿を促進するため利尿薬を用いることがあります。これにより、むくみや乏尿を軽減することが目的です。
降圧薬での治療溶血性連鎖球菌感染後に高血圧が原因となる急性腎炎の場合、血圧を抑えるために降圧薬を使用します。
抗菌薬での治療溶血性連鎖球菌感染が原因の急性腎炎の場合、病気が発症する前に咽頭炎に抗菌薬を使用して、急性腎炎の発症を減らします。
急性腎炎を発症する前の予防としては効果が認められています。
ただ、この治療はすでに急性腎炎を発症してしまった人には効果が少ないと考えられています。
上記のうち急性腎炎の治療法として現在最も確かだといわれているものは食事制限による食塩、水分の制限と抗菌薬です。
急性腎炎は、糸球体に炎症が起こる病気です。糸球体に炎症が起こると、赤血球やたんぱく質が尿にもれだしたり腎臓の排泄機能に障害が起きたりします。
乏尿期では食塩に含まれるナトリウムや水分の排泄がうまくいかないため、食塩や水分の制限は絶対に必要となります。
たんぱく質の制限も行われることがありますが、これは腎臓の機能が著しく低下した場合にのみ行います。
次に抗菌薬ですが、これは急性腎炎の原因が咽頭炎の場合に、用いることが多いです。
急性腎炎のもとである咽頭炎の段階で、免疫複合体をやっつけてしまうというわけです。
抗菌薬を用いる治療方法は、既に急性腎炎を発症してしまった患者さんの場合は効果が薄いようです。
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