すい臓(膵臓)がんの治療:放射線治療

膵臓がんは放射線に対する感受性が低く,膵臓の周りを胃,十二指腸,小腸,大腸,肝臓,腎臓,など多くの臓器が囲んでいるため,膵臓への照射量も少なくせざるをえません。
術中照射が効果的とされ,放射性物質をチューブに入れ,がんの中に埋め込む方法もあり,正常細胞へのダメージを少なくすることができます。
 
放射線医学総合研究所重粒子医科学センター病院で行っている重粒子線治療が膵臓がんの治療に成果をあげ,注目されています。この施設は世界で唯一重粒子線による膵臓がんの手術をおこなっているところです。
 この重粒子線治療の特徴は粒子が運動を停止する直前に最大のエネルギーを放出するという性質を利用し,がん病巣内部で粒子が最大のエネルギーを放出するようコントロールされているため,複数の臓器に囲まれている膵臓がんには最も適した治療法と考えられます。
この治療を受けるには以下の条件をクリアする必要があります。
(1)肝臓や腹膜などに転移がない。
(2)過去に膵臓がんの治療を受けていない。
(3)介助なく身の回りのことができる。
(4)80歳以下。

        
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