子宮がんの治療:放射線治療の副作用(晩期)

子宮がんの治療の放射線治療で頻度は高くありませんが、治療後、数ヶ月~数年たった後に現れる副作用があります。
膀胱炎・直腸炎
子宮頸部と膀胱・直腸は近い位置にあるため、照射の影響で膀胱炎・直腸炎がみられることがあります。具体的な症状には、血尿や血便、腸管の閉塞・通過障害、腹痛、下痢、便秘などがあります。対処法は、食事を工夫して、止血剤や整腸剤などを使用していきます。高圧酸素療法が効果的な場合もあります。重症化すると、人工肛門の造設や尿路変更手術が必要になることもあります。
卵巣機能の消失外部照射で卵巣に放射線が当たった場合、卵巣機能が損なわれることがあります。すると、女性ホルモンが減少して、頭痛、冷や汗、動悸、息切れ、肩こり、倦怠感などの更年期症状があらわれることがあります。
漢方薬で対処したり、子宮体がん以外ならホルモン補充療法が有効です。
腟の委縮
放射線が当たることで腟が委縮して、かたくなることがあります。セックスするときに痛みなどの症状としてあらわれます。
専用の腟潤滑クリームやゼリーなどで対応することができます。
足のリンパ浮腫(むくみ)
珍しい症状ですが、リンパ管に閉塞が出ることにより、リンパ浮腫が起こることがあります。
リンパマッサージ、弾性包帯・ストッキングによる圧迫が有効です。
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