肝移植の手術

肝移植の手術は全身麻酔下で行われ、手術時間は10~16時間またそれ以上かかることもあります。手術室に入ってから、手術が行われる前に麻酔の準備などで1~2時間を要すため、実際に手術室に入ってから手術が終わり手術室を出るまでの時間は12~18時間ぐらいかかり、状況によってはそれ以上の時間を要する場合もあるでしょう。
 肝移植の手術としては、肝臓につながっている4本の主要な管をつなぎ合わせることが主となります。肝静脈、門脈、肝動脈とつないだ後、胆管をつなぎます。
 肝移植を受ける時の患者さんは、肝臓を通らずに心臓へ戻る細い血管が多くあるために、とても出血しやすく、手術中かなりの出血が子想されます。そのため、多量の輸血が必要となります。
 生体肝移植のドナーの手術は、移植する部分の肝臓を切除し、血管と胆管を切り離します。残った肝臓がちゃんと働くよう慎重におこなっていきます。
 肝臓をどの程度取るかは、前もってCTの画像写真で予測できますが、手術中に実際に肝臓を見てから最終的に判断します。
 ドナーの手術は6~7時間程度ですが、麻酔にかかる時間と麻酔から覚める時間を合わせるともう少しかかるでしょう。またレシピエントの手術の進み貝合で肝臓を取るタイミングを少し遅らせることもあり、そうなると手術時間も長くなります。
 手術中の輸血は手術前にドナー本人から採取した血液を用いる、自己血輸血という方法をとります。しかし出血量や状態によって、自己血による輸血量が足りない場合は―般の輸血を行うことがあります。また、場合によっては自己血を採取する時間がなく、行えないこともあります。
 手術を終えた患者さんはICU(集中治療室)へと移されます。ドナーの方は一般病棟に移されます。